いまさら政治家が平気でウソをつく世の中を病んでるとは言いいませんが、政治家が不誠実ではやっぱり困ります。でも永田町では不誠実の定義がはっきりせず、曖昧なままミソギは直ぐに済んじゃうんです。その点、(聞くところによると)欧米の政治や会社組織の優れているいる点は責任の所在がはっきりしていることだと思います。(そのシステムを逆手にとる輩もいますけど)高いギャラを取る管理職(えらいひと)は明確な責任を果たしているから高いギャラを取っています。責任を果たしつづけるからえらいんです。ギャラが高いからえらいんじゃないはずです。そのかわり一旦ミスが起こればその責任をとる人間は明確ですから当たり前のようにその職を解かれます。えらくなればそれなりの責任もついてくるんですね。実にシンプルです。
でも日本はちょっと理解しがたい構造になっています。日本では責任を取りたくなければえらくなることです。責任を取らされる可能性が高い中間管理職をいかに波風立てずにやり過ごすかが重要なポイントです。そうでもしないとトップは「管理不行き届き」というお決まりの逃げ口上で責任をとった体裁だけ整え実際の責任は部下に全て押し付けるという力技を使います。これは「忠臣」を逆手にとったへんてこなシステムですね。日本は長期にわたり武士階級が実権を握り続け、その中で重んじられた忠臣は美徳だったのかもしれません。営利企業ならばそんな忠臣があってもいいんでしょうけど、これを政治の世界に持ち込んではいけません。政治関係者の忠臣は国民に向けるべきであって特定の個人に向けてはいけないんです。
まず「責任」という単語と「取る」もしくは「果たす」という言葉は別々に解釈しないといけないように思いました。下に「取る」がくる場合と「果たす」が来る場合では「責任」の意味が微妙に変ってくるように思えます。責任を取ることはカッコ悪いことですね。それは責任を果たし続けるだけの能力が無いとを認めた放棄です。責任を果たすことのほうが潔く厳しい生き方だと思います。ただし、果たし続ける事ができる人は周囲の期待と信頼が無ければダメです。
スズキムネオは「議員を続ける事で責任を取る」というような内容の釈明をしました。でも彼に責任を任せ続ける事が出来るかどうかと問われれば無理です。彼には政治能力以前に正義の問題を問いたいからです。またコガジュンイチロウも無理です。自分が通った大学を卒業したかどうか解らない人間の常識も疑います。ウソじゃなく勘違いだという釈明をしましたが、そんなことを勘違いする人間に責任を任せる気がしません。もちろんスズキさんにもコガさんにも優れたところはたくさんあるんだと思います。でも、議員というポストは嘘つきや不誠実だということがばれてしまった人は即刻排除しなければいけないんです。そうしないと政治家の演説という「呪詛」が無効化してしまうからです。一つもウソをつかない人間なんていません。ウソ自体を責めたりしません。ウソはバレない限り真実と区別がつかないから真実と同じ効果があります。ウソを信じる人がいなければ発言者はただの狂人とされますが、信じる人が一人でもいれば教祖にもなります。バレないウソをつききり、多くの人が幸せに生きられる世の中ができればそのウソが真実かどうかなんて問いただす必要は無いんです。幸福は幻想です。政治とは本来そんなものだと思っています。
政治家ほど「許されてしまう」職業は無いのかもしれません。一番許してはいけない職業だと思うのですが、再選すれば簡単にミソギは済みます。再選はただの選挙であって個々の利権に絡む人々の数で決まる事です。許すこととは別の問題です。ヒガシオオサムは前科者でありながらもプロ野球の監督に就任しました。前科者といってもいろいろあるのかもしれませんが、前科者というだけで雇わない会社はいくらでもあるし、成れない職業もあります。ただプロ野球の監督業はそうでなかっただけです。でもメジャーリーグは違います。ピート・ローズは追放され続けています。あれほどの選手でも失った栄光を取り戻すどころかミソギをはらす事も許されないのです。そう思うと日本のほうが責任に甘いのかもしれません。でも昔の日本人の責任の取り方は半端じゃなかったはずです。何か起これば「切腹のうえ、お家断絶」です。そんな厳しさに武家も疲れ果てたんでしょうかね。
責任あるポストは絶えずingで責任が試されつづける過酷なポストだと思います。人には代わりがいませんが、役目にはいくらでも変りが効くということです。個は主観にしか存在できません。客観で個を区別できるのは役目のみです。人は個を欲しがり、役目を存在の証にしたがります。そして役目には責任がべったりと張り付いているんです。自分自身が社会に依存して生きる限り、あらゆる物事に責任は付いてまわります。世捨て人になって山にでもこもらない限り責任と距離を置けないし、誰かに責任を問いただしたくなるのかもしれませんね。
最後にボクが好きなアメリカンジョークを一つ。
「最古の職業」
三人の男が論議していた。医者と建築家と政治家だった。論議のテーマは彼らの職業のうち、どれがもっとも古くから存在していたかということだった。医者は自分の職業こそ最も古いと主張した。神はアダムの肋骨からイヴを作ったが、これこそが外科手術が神の時代に存在していた証拠だというのだ。建築家が言った。「建築の方がもっと古い。神はまずこの世界を構築された。混沌の中からね」
「ふむ、それで」と政治家が初めて口を開いた。「その混沌をつくったのは誰かね」