No.70

米軍のイラク人捕虜にたいする虐待が問題になっている。もちろんそれはダメなことです。でも我々が現実を知らないだけで戦争なんてそんなもんかもしれないし、もともと戦争自体がダメなことです。それは坦々麺を注文して辛いと怒っているようなものかもしれない。

何故か軍人はみな誠実に命令を遂行してるように思えてしまう。一方的な考え方であるにしろ母国の正義に恥じない理性が兵隊一人一人に当然のように備わっていると思ってしまう。これも政治的軍事プロモーションの刷り込み効果かもしれない。でも政治家や警察官や教師にだってとんでもない輩がいるって事は既にばれてしまってるんだから驚く事じゃない。

日本では元旦に地方から集まった若者が渋谷交差点でらんちき騒ぎをはじめたり、桜が咲けば夜中の公園で裸になって池に飛び込んでみたり、大黒SAなんかでは巨大スピーカーを積んだ車が集まり大音量で音楽を鳴らしSAをクラブ状態にして踊り狂ってみたりと、やりたい放題の連中が増えてきている。これは若者だけの話じゃない。夜中の繁華街では新宿大ガード付近を筆頭に道路は客待ちタクシーの二重駐車で大渋滞だ。交差点の中でもおかまいなしにドア全開で客待ちしている輩までいる。また観光地やそこに向かう電車の中では騒々しいおばさん達がやたらと目立つ。仕事だとか娯楽だとか年令性別なんかは関係なく傍若無人な連中がやたらと目に付く。

それらは端から見てると迷惑な話だけど、その仲間に入ればそれはそれで楽しいのかもしれないし、自分で気付かない内に何かのかたちで自分自身もそんな仲間の一人になって誰かに迷惑をかけているのかもしれない。他人に正義を問うのは容易い。距離をおいて観察しない限り身の回り程見えなくなるのかもしれない。ひょっとしたら軍隊のイラク人虐待もその程度のクダラナイ連中のあさはかな悪ふざけなのかもしれない。たとえそれがくだらない悪ふざけだとしても捕虜の中に死亡した人までいると聞く。平和な環境の悪ふざけと、戦場での悪ふざけは意味合いがだいぶ違うのかもしれないが、違うのは環境であって人間ではない。

もちろん捕虜から情報を聞き出すノウハウには戦争と同等の歴史があり研究も進んでいるはずだ。当然今回の作戦でも情報担当のスペシャリストの指揮のもとでイラク人に効果のある方法で尋問してるんだと思う。でもその結果があの写真で、さらにその情報が漏れてしまってるのはあまりにもお粗末だ。あれでは命令系統が機能してるとは思えない。もしくはまったくその逆で公表されたあの写真は現場担当官による任務遂行確認の記録じゃないかと邪推してしまう。そうだとしたら虐待は軍絡みであることは否めない。

国家や政治や法律は「腕っ節の弱い金持ち」が財産を守る為に存在する。それが権力だ。それをさも民衆のためだなんて顔をするから話が難しくなる。守るべき民衆なんて権力者からみればただの金ズルだ。生かさず殺さず少々ハメを外してもオモチャを与えつづける。ウソだと思うなら考えてみればいい。民衆が民衆同士でモメたって国や政治はほったらかしだ。そのくせ、ひとたび危害が権力者に向かえばあっという間に検挙するし法律で取り締まれなければ法制化したりする。政治はそうやって「腕っ節の弱い金持ち」が傍若無人に動かしている。日本は最初に民主主義だと唱えたから社会主義が成功した稀な国だと皮肉を言う人がいるけどまんざらウソじゃないかもしれない。さらに言えば全国民に中流意識を植え付け、権力者が出鱈目に儲け過ぎず一見腰が低く見える程度が社会主義を成功させるコツかもしれない。

イラクで鉄砲担いで戦っている連中だって皆が理性的な宗教家なんかじゃなくむしろ程度は日本の傍若無人な連中と同程度かもしれない。米軍への徹底抗戦を呼びかける現在のイラク指導者もアメリカ主導のイラク再建が嫌なんじゃなく自分がイラクの次の支配者になりたいだけかもしれない。そんな連中があちこちにいるから収集がつかないだけかもしれない。宗教の為の戦争だと宣伝するのはイラク人には宗教が効くだけで、やってることはただの殴り合いの権力争いと変わりないのかもしれない。

現在のイラクでは腕力が無ければ安全や財産を守れそうにない。腕力を持ち出す人には理性という呪文が効かない。結局西側の「腕力の無い金持ち」は政治を動かし傭兵を雇い腕力に勝る武力を行使する大義名分を得る。もちろん傭兵とは米国の若者だ。彼等にしても自ら進んでの政治的信念による行軍なんかでなく、ギャラを見込んだ打算的な思惑があるのかもしれない。

どいつもこいつも勝手な事やってるだけで、そんな中に正義を探すのは難しい。否、正義とは本来その程度のモノでしかない。そして人間とは所詮そういう生きものなんだろう。

 

もうバレてるんだから、そろそろ本音を言えばいい。

 「いよいよ国内の経済がやばいぞ」
 「次はウチが儲けさせてもらう番だな。」
 「新兵器のプロモーションと、在庫整理もさせてくれ」
 「どうせやるなら油田持ってる国にしとけ」
 「世論をまとめろ!後は任せたぞ、大統領」

そんなのヤダなあ。

 

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この文章を書いているときにイラクで覆面姿の武装集団が報復の為にアメリカ人男性の首を切り落とした映像が流れているというニュースを知った。被害にあったアメリカ人は通信関連会社の経営者だそうだ。一般人の肩書きを持った傭兵も少なくないらしいが被害者は少なくともイラク人捕虜虐待の責任者でも担当官でも無い。アメリカ人の首を切ったイラク人も当人が虐待を受けた訳ではない。

結局そんなことなんだ。何をしたって虐待されたイラク人も、首を切り落とされたアメリカ人も救われない。虐待を指示したモノも首切りを指示したモノも安全な場所にいる。正義も悪もあるものか、憎しみは伝染するぞ。次の主を探して増幅するぞ。憎しみを培養するのは当事者である必要すら無いんだから。

 

04/05/13

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