『2012年までに白熱電球製造中止 経産相、温暖化対策で表明』
「これってどうよ!?」
また、友人からメールが届いた。
こいつは難しい問題だ。彼はCO2の根深い問題を踏まえた上で白熱球が失われることに対する文化的損失を憂いている。落としどころは白熱球に莫大な税金をかけること位しか思い浮かばない。そうなれば高級ホテルのシャンデリアは価値が上がり、当然宿泊費も上がり、高級ホテルが本当の意味での高級を取り戻すだろう。
ただし、贅沢の為に反エコロジーに大枚を叩く金持ちはさらに尊敬されなくなり、「高級」という謳い文句は「悪」と同意義になるだろう。贅沢とは元々そういうことだったと思うんだけど。
確かに白熱球の灯りには柔らかな美しさがあり、美しい照明器具のほとんどが白熱球を使用しる。でも現在LEDの美しい照明器具が無いのは技術に文化が追いついていないだけだろう。現実に今日ではガス灯が照らす街並は失われ、燭台が灯すべき家屋はもう無い。変わるのは照明器具だけじゃない。直ぐにLED内臓の仏壇も登場するだろう。
現代には現代の照明があるべきで、真空管やレコードが無くなっていったように白熱球が無くなったとしても何も不思議じゃない。実はエコなんてどうでも良くて、この政策で政治家の好感度やLED関連株価が上がる事の方が大事だったりするのが政治なんだろう。
大量にモノを消費するアメリカが推し進めた物質社会はもう限界なんだ。大きな家を建てたり、旨いモノを喰ったり、『モノ』があることが幸せだという大前提がある限り欲望の暴走は止まらないと思うんだ。そもそも物質社会に囚われた住人だからこそ白熱球を手放なす勇気すら持てないのかもしれない。
世界中の人の手にパンが行き届かないように世界中の人が二酸化炭素を排出したら地球はもたない。今は先進国の人間だけが腹いっぱいパンを食べて
二酸化炭素を出しまくっている。世界平和というものがあるとしたら人間の欲求の矛先が精神社会にシフトすることが条件かもしれない。今のままでは世界はいずれ破綻する。中国、インド、アフリカの人たち全員を満足させるほどの余裕は地球に無い。資本主義のルールと価値観が変わらない限りカウントダウンは止まらないのかもしれない。
芥川の「蜘蛛の糸」は見事に未来を予言していたのかもしれないな。分かち合うのは物質でなく心でないと誰も救われないということなんだろう。
最近、東條英機の宣誓供述書を読んだんだけど彼は物質文化の行く末を知っていたのかもしれない。太平洋戦争が侵略戦争だとしたら日本は英米に宣戦布告する意味が無い。とっとと中国朝鮮を侵略したはずだ。日本は急速な近代化と発展を遂げたものの資源を持たぬ為に昭和20年前後には破綻が予測されてしまった。東條英機はアメリカ思想で日本の精神文化が食い尽くされるのを歯止めをかけたかったのかもしれない。戦争するには資源の備蓄があるうちで無いと手遅れになる。さらに巨大なアメリカと戦う為には精神力で自国民を騙しきる覚悟が必要だったのかもしれない。昭和16年はそんな年だったらしい。彼の戦争はアメリカ主義への特攻だったのかもしれない。彼の思想がどれ程素晴らしいものであったとしても、戦争を肯定する気にはならないけどね。
アメリカが自国の物質文化の維持の為に、ベトナム、アフガン、イラクを利用たのかどうかは知らないけど、それらは昭和16年に日本に対してやったことの発展系なのかもしれない。
話はCO2に戻るけど、つい最近までアメリカ人全般の二酸化炭素問題に対する意識はもの凄く低くて、温暖化って何?ホントなのか?という程度だったらしい。その原因はメディアの報道がほとんどないことが原因だそうだ。きっとTVプログラムを決定するスポンサーの意向と、アメリカの意思がそうさせてるんだろう。さらには地球の温暖化自体が信用できないという研究結果も出ているそうだ。勿論、温暖化の原因は二酸化炭素がすべてじゃないだろうし、温暖化自体もちょっとした地球の変調なのかもしれない。氷河期なんかもあるように地球は長い周期で温度変化を繰り返してきている。とは言うものの現在の変化の早さは異常なレベルにあるらしく、「やっぱり温暖化の原因は二酸化炭素だったね!」と、結果が出てからでは既に手遅れになる。実際に世界は異常気象が異常じゃなくなりつつある。大寒波もあれば、日照り続きで乾ききった場所もあり、豪雨で壊滅状態の地方もある。
耳に入ってくる情報の全てが正しいはずはないが、どれが正しい情報なのかを判断することは出来ない。有象無象取り巻く物質社会で上手に生きようと思うなら、情報が正しいか間違っているかではなく、情報が発せられる事で起こりえるリアクションを読みきることなんだろうな。
アメリカが温暖化を認めたくない理由のひとつに、EUへの牽制があると思う。世界通貨は19世紀のゴールドスタンダードから米ドルスタンダードへ変わり
20世紀は世界の経済を米国が掌握してきた。そこに新たな通貨スタンダードとして登場したのが「CO2」スタンダードだそうだ。これを支えるのはオランダを中心に展開している「温室効果ガス排出量取引」というビジネスだ。
日本は既にロシア等のヨーロッパの排出ガス量の余裕のある国からその枠を購入することが決まっている。日本は京都議定書の幹事国ではあるものの
ビジネスとしての排出量取引には大きく遅れを取っているらしい。日本よりも決定的に遅れているのがアメリカでサブプライム問題とのダブルパンチで米ドルはもはやその地位を失いつつある。自国の地下資源を温存し、新経済システムに乗り遅れたアメリカは二酸化炭素での勝負はしたくない。だから温暖化と二酸化炭素の関係を認めたくないんだろう。
CO2ビジネスは二酸化炭素を出してはいけないという前提が無いと成り立たない経済システムだ。アメリカから経済の派遣を取り返したいヨーロッパは温暖化と二酸化炭素の問題をゆるぎないものとして、排出量目標のハードルを上げたくてしょうがない。今はその攻せめぎ合いなんだろう。
金持ちが贅沢を維持する為に二酸化炭素排出量までも金て買う。かたや慎ましく生活するものがその金でパンを買う。物質社会の構造は何も変わらないけど、戦争をすることで金儲けするアメリカのシステムよりも、二酸化炭素を削減することで金儲けするEUのシステムのほうがマシな気がするな。
平和な場所で、仕事もあって、お腹も膨れて、暖かいベッドがある。そんな人たちが余暇に世界平和という幻想に心を砕く。エコだってそう。たくさんの森林を伐採して、地下燃料を掘り起こして、さんざん金儲けしたから、今度は自然保護が気になる。今から森林伐採して贅沢をしようと思ってる人に小言を垂れたって聞くはずが無い。恋愛に疲れた年寄りがこれから恋をしようとする若者に慌てなさんなって諭すようなもんだ。
ボクは今日も便利な道具に囲まれて、快適な生活をしている。照明器具がLEDになることは値段の問題が折り合えば構わない。トータルコストが安ければむしろLEDを選ぶと思う。 ………ボクには結局その程度の認識しかなく、判断基準はコストだと来たもんだ。見事なまでに物質の亡者だな。
エコを信じて努力する人はきっとエコの神様に祝福されるんだろう。きっと死んだ後に天国でキレイな空気をたくさん吸って、たくさんCO2を出させてくれるんだろう。
ならばそれでいいじゃん。
なんてね、たまに本気で思ってしまう事もある。
いやいや、でもきっとそうじゃない、天国は生きてる人の心にしかない。死後の世界は残された子供達の世界だからこそ少しでもキレイな地球を残してあげなくてはいけないんだろう。それを極楽浄土と呼ぶのかもしれない。
ほとんどの神様は金を持つことを悪しき習慣とする。人類はその程度のことは何千年も前から気付いているのにね。
20年も経てばLEDも古くなり次の世代の照明に取って変わるかもしれない。
その時にはまた、LEDの美しさを失う事に反対するんだろうか?
でもそれを考えるのはその時代の人に任せることにするよ。