021 産廃たい肥の問題 03/09/15 |
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たい肥を無料でくれ、もちろん配達もただでしてくれるというもちかけに乗ったところ、建築廃材や焼却灰の混ざったものを置いていかれてしまった。という話が身近なところでもあった。被害にあった本人は、そのたい肥を畑に入れようとした時、それに混ざっている『異物』に気付いたという。その異物というのは、ベニヤやコンクリート、瓦の破片、クギなど。 通常、産廃業者は産廃物の処理のためには、焼却するか、埋め立てる方法をとる。焼却はダイオキシンの発生の原因にもなるため、大掛かりな設備が必要なので、埋め立てることになるが、それには処理場の容積を問題にしなくてはならない。処理場はいつか一杯になるため、そこでの事業には限界がある。 ここで苦肉の策が要求されることとなる。つまり、産廃物をリサイクルしてしまうという方法。その方法のひとつが、たい肥に作り変えるというもの。そのために、今度はたい肥の製造業としての登録を県に対してすることになる。そのためのたい肥製造設備も作り、そこでできるたい肥を検査し、肥料登録を行う。基準におさまるたい肥であれば県の認可が降りる。今度はたい肥製造業なので、今までうるさかった保健所の立ち入りなどは、この件に関してはなくなる。そして、たい肥製造についての県の干渉は、その製品に対する苦情が出ない限りない。 産廃たい肥で何が問題か 今年7月から施行されたという『改正建築基準法』では使用が大きく制限されたものの、それ以前の建物ではその建材の接着剤や塗料に広く使われていた防殺虫剤、クロルピリホス、ホルムアルデヒドなどの有害物質も含まれている。また塗料にはカドミウムなどの重金属も多く含まれている。 そのほかにこういった産廃たい肥に混入しているものに、焼却灰がある。設備の不十分な焼却炉で燃やされた有機物などの焼却灰には、当然ながら環境ホルモンの原因物質であるダイオキシンも多量に含まれている可能性が高い。 ちょっと見たくらいではたい肥と見間違えてしまうが、実は人体に有害な化学物質が凝縮されるかたちで含まれていることになり、危険といわざるを得ない。 今回、愛知県に直接問い合わせたところ、この件について前向きに対処してもらうことができ、その成分分析もしてもらえることになった。しかし、残念なことにこの産廃たい肥、半年も野積みで雨ざらしになっていたため、その検査データの信ぴょう性も薄れてしまうため。断念ということになってしまった(その後、その産廃たい肥は搬入業者に撤去していただきました)。 只でもらえる、といううまい話に乗らないよう、生産者の方には十分に気をつけていただきたいところです。 |
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022 特別栽培農産物認証制度 03/05/28 |
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今までは、道長の商品の原料野菜のところで、『無農薬無化学肥料栽培』とか『減農薬減化学肥料栽培』というような表示をしていました。しかしながらこれでは消費者に正しい情報が伝わっているとはいえません。『ウソ』という可能性もあるわけです。反対に、せっかく無農薬、減農薬での農業に取り組んでいるのに、それを消費者に伝えられないという場合もあるわけです。 結局、第三者による確認、さらにそれをある機関が認定という方法が考えられることになります。そこで現在、各地域(都道府県のJAなど)で『特別栽培農産物認証制度』というの施行されるようになって来ました。ちなみに愛知県では『特別栽培農産物・いきいき愛知』という制度が立ち上げられています。 この制度のための基準 今のところ、日本農林規格協会(JAS)の「有機農産物および特別栽培農産物に係わる表示ガイドライン」というのが、全国的に採用されている。これは有機認証制度でもおなじ。 特別栽培農産物のためのポイントとして、 ・土づくり ・化学合成農薬と化学肥料を慣行の50%以上減 ・表示方法を(有機、慣行以外を)『特別栽培農産物』と統一する。 愛知県の場合JA経済連が主体 この認証制度には、3つの段階を踏まえることになる。 @ 栽培前:地域の栽培基準に基づいた生産計画 A 栽培期間中:立て札による表示、栽培管理記録、第三者によるチェック B 出 荷:@とAに基づいての審査 なお、栽培前の生産計画は『特別栽培認証委員会』の認証が必要。栽培期間中については、農協などの担当者による栽培状況のチェックが、そして、出荷時にあたっては、経済連の『特別栽培推進本部』の認証が必要。 この認証制度でいちばん大切なのは、この制度で作られた作物が消費者にとって、信頼に足るものでなければならないということ。栽培のために使われたあらゆる資材(たい肥、農薬など)について、使用した履歴。それらの資材の安全性を証明できるもの。つまりは資材についてもトレーサビリティ(追跡可能性)が要求されるということ。 とはいえ、この制度もまだ始まったばかりということもあり、知名度も薄く、信用性もまだまだといったところ。改正農薬取締法との兼ね合いもあり、表示方法もいろいろと難しい点が多い。 こんな制度よりも、生産者と消費者が密接な関係を持ちながら、信頼関係をきずなに結びついていれば問題はない、といってしまえばもっともなところだろう。しかしながら、農業者としての義務として考えるならば、食と環境を支える立場の者として、自らの行為をより意義あるものに発展させてゆこうという意志がある限りは、その一部始終を消費者に提示するくらいの心構えが必要であろうと思う。 農産物もまた『食品』です。食品を作るにあたっては、何らかのメッセージを託すのが生産者の切なる希望です。また反面、消費者には知られたくないこと、伝えたくないこともあるかもしれません。しかしながら、それをも提示しない限りは、消費者との真の信頼関係はありえないことも確かです。それを実現するための方策が、『有機栽培農産物認証制度』と『特別栽培農産物認証制度』という方法で第三者である行政側から提示されているわけです。 これらの制度はすべて、『表示』という基本的な部分で信頼関係を得ようとするものです。いずれにせよ、ウソのない表示を心がけなければなりません。
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023 アブラナ科の害虫 |
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03/11/05
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024 03/07/04 |
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大豆製品のGMチェック 遺伝子組み換え(GM)大豆検査キットを使って 米国で、有機大豆や非GM大豆の出荷をしようとする場合、まずしなくてはならないことは、その荷物がGM汚染していないことの証明です。出荷段階でのGM大豆の混入は、その後の『分別流通』をまったく無意味なものにしてしまうことになります。
この検査キットを使って検査をしてみようと、ここ音羽でも不定期に行っているあぐりねっと学習会に各々これはという身近な大豆製品を持ち寄りました。 当日検査したものとその結果
■米国NEOGEN社製 http://www.arbrown.com/products_guide/environment/neogen/idenshikumikae_strip.html を参照してください。
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025 唱歌の勘違い 03/11/26 |
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ぼくらが小学生のころ『唱歌』といのがあり、よくうたいました。なじみやすいメロディーなので、音楽の時間や卒業式、遠足などの折には欠かせませんでした。今でもふと浮かんできて、口ずさんでみたりします。 そんな名曲の数々の『唱歌』なのですが、その歌詞の意味となるとちょっとあやしくなってしまうところがあります。そんな曲を選んでみましょう。 『君が代』きみがよは/ちよにやちよにさざれいしの/いわおとなりてこけのむすまで この歌ではかなりの年齢になるまで、ぼくは意味をまったく理解していませんでした。つまりは天皇の御代は小石が岩石となってコケがむすまで永遠に。という意味なのだろうけれど、まずさざれと石がわからない。岩音が鳴るからいわおとなりてとも思っていた。だから何の意味だかさっぱりわからないというわけ。 『蛍の光』ほたるのひかりまどのゆき/ふみよむつきひかさねつつ/いつしか年もすぎのとを/あけてぞけさはわかれゆく 「文読む月日重ねつつ」がほんの最近までわからなかったというのが、なさけない。さらに年も過ぎる、と杉の戸が掛け言葉になっているところも。 『赤とんぼ』ゆうやけこやけのあかとんぼ/おわれてみたのはいつのひか この「おわれてみた」のは、実は母親か誰かに背負われて見たのが赤とんぼだった。と知ったとき、どうしてもっと前にそれを教えてくれなかったのか、と小学校の先生に一言言いたいと思ったほど。 『仰げば尊し』あおげばとうとし/わが師の恩/おしえの庭にも/はやいくとせ/思えばいととしこの年月/今こそ別れめ/いざさらば いととし、というのは「いと疾し」という意味で、さらに「分かれめ」というのは「分かれ目」ではなく、「別れよう」という意志をあらわしているとのこと。こんなのわかるめえ。 『どんぐりころころ』の歌詞を「どんぐりころころどんぐりこ」と思っている人いませんか。これは池にはまるときの「どんぶりこ」です。 『七つの子』をうたっていて、「やまのふーるすに」というのをフールスってなんだろうと思っていたことはありませんか。もちろんこれは古巣の意味なんですが。でもこの歌に出てくる「七つの子」というのは、七歳の子なのだということ。 これはあるものからの受け売りなのですが、「烏はどうして鳴くの」と可愛い盛りの我が子に問われ「烏にも(おまえのような)かわいい7歳の子がいて、可愛い可愛いと鳴いているのだよ」といいつつ、我が子をいとおしむ母親のすがたをあらわしたのだとのこと。 このように、ぼくらが子供のころ学校で歌ったというか、歌わされた唱歌というものの意味とはいったいなんだったのだろう。みなに親しまれるうつくしいメロディーなのに、まことに残念なことはその詞の意味がぼくらに正しく伝えられなかったこと。 音楽の時間、あるいは唱歌を歌う機会に、なぜ、どうして先生はその詞の意味を、ぼくらに伝えてくれなかったのだろう。そのことが腑に落ちないというか、不思議というか不満でならない。 でも、ひとつだけ意味を知らされ、納得してしまわなくてよかったと実感する唱がひとつある。その曲名は『君が代』。その意味をこどもたちに理解させることについては、いささかの問題もあったであろうと思う。 「東部は小雪か、まいたつきりか??」と頭をかしげ、唄いつつ、ぼくにはこの唱歌についても、何のことだかさっぱりわからなかったものです。 |
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026 ホルムアルデヒド 03/12/06 |
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◆ホルムアルデヒド ぼくが小学生のころ、夏休みの宿題で魚の標本を作ったことがありました(ちょうどぼくの隣家の主人が魚市場に勤めていて、めずらしい小魚が見つかったときには持ち帰ってもらえたため)。最初のうちはメタノールを使ってアルコール漬にしていたのですが、アルコールは高価なので、ホルマリンで・・ということになりました。どうして劇物のホルマリンが手回ったのか覚えていませんが、その原液(ホルムアルデヒドの35〜38%水溶液)を水で薄めて使った覚えがあります。そのとき、ぜったいに吸い込まないよう、息を止めておこないました。 ホルマリンにはタンパク質の分解を防ぐ強い殺菌防腐作用があるため、病院などで患者から摘出した患部組織の検査のための保存に使われたりもしています。そしてこのホルマリンが、実はホルムアルデヒドの水溶液であることを知り、少々おどろきもしたものです。 ホルムアルデヒドというと、シックハウス症候群の原因の筆頭ともいうべき物質。各種合板や内装用接着剤などに利用されています。ホルムアルデヒドは常温では揮発性が強いため、空気中への発散による被ばくが心配されます。また揮発性と同時に水和性も高いため、気密度のある部屋では壁面の結露などにも溶出します。さらにそれが気化すれば、呼吸とともに吸入されてしまうわけです。最近改正された建築基準法ではその程度により、換気扇の取り付けも義務付けられるようになったそうです。 また、ホルムアルデヒドなどの『アルデヒド』系物質は石油ストーブなどの点火消火時、自動車の排気ガス、タバコの煙などに含まれており、発がん性やぜんそくなどのアレルギー症状にも深く関わっているとされてます。 最近、長崎県で養殖のトラフグの寄生虫を除くためにホルマリンが使われていたという事実が発覚して騒ぎにもなりました。 有機農薬として使われる『木酢液』にもホルムアルデヒドは含まれているといわれています。この作用は木質のものをくん炎したときにも起こるため、燻製を作る場合にも利用されます。一つの理由として、煙に含まれるホルムアルデヒドやフェノールの抗菌作用が挙げられます。 このように、燃えるという化学反応によってもホルムアルデヒドは発生してしまいます。しかしながら、その強力な効果を期待するあまり、純正のホルムアルデヒドそのものを私たちの身の回りに使用することには、十分な注意が必要といえます。特にアレルギーなどの特異体質があるないに関わらず、健康への影響は決してよいものとはいえません。 ◆殺虫剤クロルピリホス 改正建築基準法では、有機リン系のクロルピリホスという化学物質の建材への使用を禁止しました。このクロルピリホスは第二次世界大戦中に、化学兵器としての目的のために開発されたものだといわれています。生物に対する殺傷効果の高さから、殺虫剤として農薬にも使用されています。また、シロアリの駆除にも広く使われています。 農薬はもちろん建材に含まれるホルムアルデヒドは、いずれ廃材となり焼却、あるいは埋め立てられることで、自然界に放出されることになるわけです。 建材に使う場合や農薬などへの利用にも、その元から使用の制限をきびしくしてゆく努力も、今後さらに必要となってくるでしょう。 |
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027 インターナショナル 04/01/15 |
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今ではあまり唄われなくなっている『インターナショナル』という歌。1970年頃、あるいはそれ以前の学生運動、労働運動をした人たちにはお馴染みなもの。世界の労働者階級が一致団結し、それに対する圧制を打ち砕こう、という曲。日本の国歌『君が代』よりも、この『インター』のほうがかっこよく、なじむ、という人もいらっしゃるかもしれません。 この曲『インターナショナル』の起源はというと、1871年労働者による自治政府、パリコンミューンに参加した詩人ウヴェーヌ・ポチエという人の詞に、1888年、第二インターナショナル結成前年にピエール・ドジェイテールというロシア人が作曲したといわれています。仏語の詞はロシア語に訳され、1918年には新生ソヴィエトの国歌となりました。そして43年には共産党歌に。 この曲ばかりは世界中で唄われているとはいえ、その主旨は世界共通といっていいでしょう。
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028 学校給食 04/02/11 |
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今や、日本の食糧自給率は39%にまで落ち込んでいます。この日本の事情が、国内ばかりでなく、アジア、アフリカ諸国にまで飢餓と貧困という『負』の影響をおよぼしてしまっているともいわれています。言うまでもなく、『農』というのは本来、経営という部分で行われるものではありません。それはそれぞれの土地の生活様式・文化そのものとして位置づけられていました。 『農』を経済の方法としても考えられるようになったのは、いうまでもなく近代です。当然のこと、工業や商業と比較されてしまい、不利な立場に追いやられ続けてきました。その結果として、現在の日本の『農』の荒廃です。 今まで教育現場では、『知育』『徳育』『体育』の3つの教育が行われてきました。しかしながら、『農』の衰退、『食』の崩壊が進みつつある中、なんとかそれを挽回しようという試みにより、『食育』という教育の必要性が叫ばれています。 小中学校での給食についての是非論もありますが、『食育』の面からそれを考えてみると、悪い面ばかりでもありません。給食での人気メニューの順位を10年以上前の記録と比べてみると。 ひとむかし前のランキングの資料がなくていけないのですが、大体次のような献立が人気でした。ハンバーグ、ビーフシチュー、スバゲッティ(ソフト麺)、カレーシチュー、サンドイッチ、クリームコロッケなど。 ここからは現在の学校給食ランキング 大阪市堺市:大おかずでは@カレーライス Aミネストローネ Bコーンシチュー Cトック Dスパゲッティのトマト煮。小おかずでは@揚げギョーザ Aじゃがバター Bハンバーグ Cホットサラダ 愛知県宝飯南部(道長の近所):@カレーライス A焼きそば Bスープ Cみそ汁 D肉じゃが Eスパゲッティ Fシチュー Gソフト麺ミートソース Hマーボー豆腐 Iうどん Jドライカレー K豚汁 Lひじき煮 Mぜんざい N冷やし中華 Oエビチリソース煮・・・。 音羽町の給食センターに聞いてみたところ、ひとむかしとの大きな違いは、まず米飯食が中心になっており、比率は8割。それに伴って子供たちの人気メニューも変わってきている。まずカレーシチューがカレーライスになった。みそ汁、肉じゃがなどに人気が出ている。ひじき煮(とうていパン食には合わない)なんかも。変わったところで、ビビンバやアジア系エスニックおかず。さらに、最近地元の米を使った米粉パンなども人気で、小麦のパンに比べて『腹持ち』がよいという評判も。成長期にあって、部活などでも体力の必要な子供たちには米中心の食事の効果は大きいとのこと。 公的機関である学校食事研究会によると、今や給食の人気献立は10年前とは大きく変わり、それぞれの市町村での取り組みによって様々になっている。全国的には米飯食は週5日のうち約3日と、パン食を抜いている。地産地消の取り組みも増えている。 さらに同研究会によると、中央教育審議会の方針では今後、教師に『管理栄養士』の資格を取らせるようにし、食育教育を充実させてゆくとのこと。生徒ひとりひとりの食生活(アレルギーなど)の世話、疑わしい食品(添加物・遺伝子組み換えなど)を使わない努力なども教師の立場から充実させてゆこうとしている。 ぼくが子供のときの給食にはありませんでしたが、揚げたコッペパンにきな粉をまぶした揚げパンが今もむかしも人気。どこかのホームページにあった“なつかしの給食”に、揚げパン ミルメーク 冷凍みかん 鯨の竜田揚げ、なんてのがありました。 給食には良しにつけ悪しきにつけ、いろいろな思い出もあるものです。好物で人からもらってまで食べる子。嫌いで食べられず、涙をかみしめうつむいている子。どの子も大切な成長期の真っ只中で、必死に目の前の『食』とたたかっている。その食のために、なすがまま、成り行きだけの『食』を子供たちに与えることなく、私たちが日本の『食』を真剣に考えなおす必要があるのではないでしょうか。 |
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029 特別栽培農産物認証制度に思う 04/02/19 |
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JAS(日本農林規格)が管理をして有機農産物を認証する制度として、有機農産物認証制度というのがあります。これは平成12年のJAS法の改正にともなって創設されたもので、JAS法で『有機』の証明をしようとするもの。 これは農産物の『有機』とか『無農薬』『低農薬』などの表示が紛らわしいため、その基準や証明する制度が必要ということで立ち上げられた制度です。しかしながらその問題点として、その制度が一部の有機生産者にしか利点がないこと。信用関係の成り立っている生産者と消費者との間では、認証制度など必要ないこと。身土不二や地産地消の思想にそぐわないこと。などの理由で、肝心な有機農業者にはほとんど受け入れられていないのが現状です。 そんな状況の中、全国の多くの都道府県では地元の農業の活性化のため、特別栽培農産物認証制度を立ち上げています。これには県、JAなどが主体となっており、県など自治体主体の場合には別に認証をする団体を申請に応じて認定している場合が多い。ちなみに愛知県ではJAが主体となってこの認証制度を運営しています。 愛知県での認証の流れとしては、まずJASのガイドラインをもとに生産している農家が、地元の農協に申請して要項を満たしていれば、そのほ場で生産される農産物の箱などに特別栽培農産物の認証マークを添付することができる。認証のための書類の更新は作付けの度ごとで、栽培管理記録を栽培責任者が作成、その記録の照合とほ場の実地確認が地元農協の立会いでおこなわれることになっている。 道長でもなんとか特別栽培生産者の確認機関になれないか、といろいろ問い合わせたのですが、だめでした。愛知県の場合、認証機関がJA愛知、確認機関が各農協ということになっているためです。そのため、道長で生産をお願いしている農家の特定のほ場の野菜を特別栽培農産物と表示することができないことになってしまいます。農産物の流通を直接生産者と道長がしている場合、その野菜の栽培状況を証明することのできる農協が介在していないことになるため、特別栽培農産物と表示することができないということになります。 あえて『特別栽培農産物』と表示したいのならば、農協を通じて認証を取り、伝票を農協からあげるようにすれば可能ということになります。まったく面倒な手続きが必要となり、現行でのこの制度を利用することには大きな抵抗を感じてしまいます。 ここではっきりしておきたいのですが、道長ではこの『特別栽培農産物』という表示にこだわっているわけではまったくありません。本音でいえばむしろいらないのです。地域の『農』の活性のため、消費者との距離を短くするため、行政とも足並みがそろえられないかと考えたからです。 食と農が大国の多国籍企業によってグローバル化されようとしています。その典型ともいえる国がまさに日本です。今や日本の食料自給率は40%を切っています。『飽食』のため、無駄ともいえる量の農畜産物が輸入され、消費されています。国内では食文化と農、さらに環境の破壊が懸念されます。これらについては最低限、保守的な意味で『守る』ところからはじめる以外に方法はない。 その意味で日本の『農』をもっと身近なものにしなくてはいけない。『農』と『都市』がもっと近付かなければいけない。そのためにわたしたちにできることは何でしょう。いまさらいうまでもなく、地域が動くことです。生産者、消費者、流通、行政、科学者などがまさに『提携』して動くということではないでしょうか。時代がそういう時代になった、と楽観視しているわけではないのです。要するに、事態はそこまで緊迫してしまっているということなのです。 日本有機農業研究会は1978年、「生産者と消費者の提携」という10項目を発表しています。その中に盛り込まれているのは、生産者と消費者の信頼関係に基づいた生産と流通、そして相互の意識向上。これを起草したのは日本有機農研の創始者一楽照雄氏ですが、この『提携』とは単なる農産品の流れなのではなく、人と人との有機的なつながりを意味している。このつながりを『産消提携』と呼びました。 今わたしたちは、まさに有機農業に学ばなければならない時代に直面しています。
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030 報告 シンポジウム『わたしたちの地産地消』 04/02/20 |
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去る2/15(日)、「安全な食はこう作る」という副題で『わたしたちの地産地消』シンポジウムがおこなわれました。 基調講演を元農水省農業政策研究所長・篠原孝氏。シンポジウムのパネリストに太田進康氏(愛知県農林総務課)、藤井 潔(愛知県農業総合試験場)、稲葉光圀氏(NPO法人民間稲作研究所)、松沢政満(新城市・農家)、小川洋治(生活協同組合職員)。議論の進行役に河田昌東氏(名古屋大学理学部)。 イタリアでは『スローフード』、英国では『フードマイルズ』、日本では『地産地消』、『循環型農業』など。韓国では『身土不二・農都不二』などの言葉が浸透している。このなかで『身土不二』は14世紀中国の文献にすでに現れている言葉だそうです。 これらの言葉の意味するものはすべて同じといってよく、「わたしたちの身体と土とはおなじもので、切り離せない関係にある」ということ。食と農が身近な関係にあることで、運搬によるエネルギーの無駄がなくなり、環境も保たれる。消費者と生産者との信頼関係も生まれ、食の安全に結びつく。さらに篠原氏の提唱する『旬産旬消』は人の健康の基本でもある。 基調講演の中で篠原氏は以上のような事柄の他に、日本では特に30代前後の消費者の食に対する意識のなさと、学校給食などを通しての『食育教育』の重要性を強調した。 シンポジウムでは、各パネラーがそれぞれの立場から発言しました ■太田進康氏(県農水部農林総務課): 県としては県内産の農産物の地産地消のため、量販店などでの販売促進をしており、最近少しづつ浸透しつつあるが、まだまだといったところ。学校給食への地元農産物の利用もあまりされていない。これは給食用の食材に輸入野菜を含めて安価なものが選ばれてしまう傾向が強いため。 ■小川洋治氏(生協役員): 現在、多くの消費者が食の安全を求めている。食肉の文化は日本の食料自給率を大きく下げる要因となっている。また環境への負荷も大きい。解決策としては伝統食文化への回帰、食育教育の必要性。自然環境の危機をも含めて、地産地消をすすめてゆかなければいけない。 ■稲葉光圀(NPO法人民間稲作研究所) 1950年代から有機稲作の研究と技術の確立のために活動してきたが、最近になってやっと、国からも財政援助がもらえるようになった。1960年代初めにはいもち病対策のための農薬は使わずに済むようになった。除草剤は水の汚染という心配から、使わないという方向に進んできている。こういった研究機関が民間でしかないため、有機稲作の技術の普及がおくれている。最先端の技術も必要だが、有機の技術もこれからは必要となるだろう。 ■松沢政満(新城市・福津農園) 循環型・持続可能な農業を目指している。地球規模でのエネルギー、環境、貧困の問題を解決するにはこの農業は非常に有効だ。これからも消費者と密接な関係を保ってゆきたい。 ■藤井潔(愛知県農業総合試験場) 農に貢献したいという夢をもって農業試験場で仕事をするようになった。今までは病害虫に強いイネの育種のために頑張ってきた。現在は愛知でも栽培可能なパン用小麦の開発をしている。小麦の赤カビ病を克服するのが課題。そうすれば有機も可能となるだろう。 今回のシンポジウムで明確になったことは、第一に消費者の意識、姿勢がいかに大切かということ。安全な食のために地産地消は不可欠であること。それぞれの立場の人が互いに提携しあうなかで、食の安全は確保しうる。 ここで、ひとつの課題が提起されたことになります。今後、食の安全のため、具体的にどのようなことができるのか。それにはどういった提携がひつようなのか。大きな問題も見え隠れしますが、今回のシンポジウムが、次へのステップに結びついてゆけるような努力が必要です。 シンポジウムについて詳しくはこちらをごらんください。 http://www.kit.hi-ho.ne.jp/sa-to/sympo-nagoya.htm |