今回の旅は<かみのやま温泉駅>から始まります。
目指すは<蔵王ライザスキー場>「モンスターに会ってみたい」という願いから昨年の11月から予約を入れるほどの熱心振り。

この日の気になる天気は「曇り&雪」新幹線の途中の空も曇り空だったので青空は諦めていましたが、着いて見たら青空が。幸先の良いスタートです。

<ライザスキー場行き>のバスは無料とあってか?小さなバスが駅で満員に。増発されていたようです。約50分でスキー場に到着。

青と白のコントラストが眩しくて、目を開けているのが辛い。
10:30からの<かんじきトレッキングツアー>を予約していたので早速受け付け。
2/9(土)の客は私達と青年1人の3人のみ。
ガイドのおじさんは地元の方。「もっと宣伝しろー、って言ってるんだけどね」と苦笑いです。

リフトが進むと早速大きな木のモンスターが迎えてくれます。
始めて見る大きさにビックリ&大興奮!
でもこれ以上何か落とすとヒンシュクなのでおとなしく少しだけ写真を撮って、リフトに身を任せます。

支度をし、一人ひとつずつ<かんじき>が手渡され、ガイドさん先導にリフトに乗ります。
ここで早速失態(^^ゞバーが降りてくるのを気にした瞬間にかぶっていた帽子を落とします。帽子がないだけでさぶいっ!
仕方ない帰りに・・・と思っていたらスタッフの方がすぐ後からリフトに乗って届けてくださいました。優しい心遣いに感謝です。

リフトを二台乗り次いで、標高1400mあたりに到着。ガイドさんに<かんじき>の使い方を習います。このかんじきはガイドさんのお手製。
想像よりずっと簡単でしたが、たったこれだけのことしかしていないのに脱げません。最後まで一度も紐を締めなおしませんでした。昔の人は偉大だ〜。
目指す方向は真っ青な空。う、うれしい、ホントに嬉しい。晴れと曇りでは大違い、ということを後で知るのでした。

木の下に人が立つと、その大きさが良くわかります。
でもこれでも去年より1mほど雪が少ないそう。

振り返ると大パノラマ。真ん中辺りが<飯豊連山>右のほうが<朝日連峰>だそうです。いやー、なんて眺めの良い山なんでしょ!楽に登れて楽しめて景色も良い、となったらもう、大満足です!(↓アップです)

←熊野岳方面?。雲ひとつない空と、さらっさらのパウダースノー。
あまりの美しさいに、笑顔と、ため息しか出ません・・・

でっかいモンスターに近寄ってみたり、
今にも歩き出しそうなモンスター君達に圧倒されてみたり、
自然の作り出す造形美に感動してみたり・・・
初めての体験なので興味津々&嬉しくて仕方ありません!
「あーこれがエビの尻尾か〜、なるほど〜」
などなど。
やはり写真で見るのと実際は大違い。体験することに価値あり、としみじみ感じながら歩きます。

・・・でもガイドさんの説明と足が速くて、私は写真を撮ったり歩いたりで水を飲む暇もありません。。。(笑)

馬の背のふもと辺りまで来て、12:20頃本日のランチタイム。
ガイドさんが<豚汁>をご馳走してくれます。これがまた、野菜たっぷりでおいしい!手作りだそうです。
30分程度休憩したところでおそるおそる聞いてみる。
「あの〜、お釜はあの上から見れるんですか?あそこまでどのくらいかかるんですか?」
「ああそうだよ、30分もあればいくかな?でもあそこまで行くにはあと1時間早く出ていないと。今日は天気が良くて少人数だったからここまで来れたけど、普段はさっきの御田の神避難小屋までなんだ。ここから先は一旦荒れると遭難するエリアなんだよ。山頂を12:00には下山開始して欲しいんだ。」

う・・・行きたかったんですが、ツアーだし他の人もいるからわがままは言えない、仕方ない。こんな天気が良くて風のない日にあたる事はめったにないだろうからホントに行きたかったんだけど・・・すくそこに刈田岳の神社の鳥居がはっきり見えるのに!目前で諦めるのは悲しい・・・けど我慢。ここがツアーの辛いところか。

でも、このガイドのおじさんはこの辺りの山岳救助隊もなさってる方だそうで、歩きながら色んなことを教えて頂き、とても勉強になったので思わぬ良い体験が出来ました。

2008.2.9-2.11 【蔵王編】

「携帯を持っていたら今後、どんな日帰りの山でも山頂に着いたら電波が届くところを探して、誰でもいいからメールして、下山したらまたメールして。その習慣を付けてくれれば万が一遭難したときも、メールがどこで受信されたかでどのエリアを探したらよいかの手がかりになるんだよ。以前それで助かった人もいるんだ」
と教えて下さいました。なるほど。当たり前のようでやっていなかったなー。
30分ほどの休憩を終え、後ろ髪惹かれる思いで(笑)山頂に背を向け下山し始めると、段々雲行きが・・・
西のほうから怪しい雲がこっちに向かってきます。
「あー、あれは雪雲。あそこは吹雪いてるね。今日はもうこれから崩れる一方だ。明日も午前中は駄目だな〜、明日もツアー入っているんだけどここまでこれないよ」
 そんなおじさんの呟きに、山頂方面を振り返ると、さっきまであれほどきれいな青をしていた空が?
まるで同じ山を見ているとは思えないほどの変わりよう。
う〜ん、確かに。山の天気は急変するし、雪山で吹雪いたら右も左も天持ちも解らなくて、私でも船に酔ったようになるよ、と言っていた意味が解った。
慎重すぎるかな?と思ったけど、それは山の怖さを知る経験者だからこその安全第一な姿勢なんだな、と教えられた。

←ほぼ同じ位置からの馬の背方面。
たった20分ほどで景色が変わってしまった。

青空がなくなると、真っ白、と思っていた雪はグレーに見え、なんだか怖いくらい。
ああ、ホントにいい時に登ってこれたな〜、と思った。青空の中で初めてのモンスターに出会えたことに感謝!

さて帰りはリフトは使わず(くだりは使用禁止だそうだ)スキーのコース横の樹林帯を降りていきます。
暗くなった空の方へ今から登っていくスキーヤーたちに「これから上がっていくと遭難の危険があるんだから無理しないように!」と注意をしながら歩く○○さん。おせっかいなオヤジ風なところが味があって良いねー。こういう人間味のある人、好きだー(笑)

ブナ林の急坂をズボズボひざの上まで埋まりながら降りていく。でもガイドさんがいるので安心だ。

途中ウサギの足跡の説明を受けたり(後ろ足の位置が微妙に前後にずれているのはオスだそうだ)人間が取り過ぎて死んでしまった山菜の木などの説明を受けた。

途中はオシリで滑ったりと、レストランに戻ってきたのが14:30頃。たいして歩いてなかったけど、内容の濃い体験が出来た。
ここならなだらかで自分達だけでも行けるだろうな〜、と思ったけどそれも天気次第。
経験を積んでから又来よう。

戻りのバスは16:00までない。それは最初から計算済みだったが、ガイドさんのご好意で宿まで車で送ってくれるとのこと。
でもココに来たらもうひとつやりたいことが・・・
ライザレストランの<石釜焼きピザ>を食べること。

ガイドさんに「ピザ食べたいんですけど・・・」「あそう!じゃ早く注文してきて!食べたらすぐ行くよ!」
・・・どうもかなりせっかちらしい(笑)

大慌てで頼んだピザも10分ほどで焼き上がった。
サクサクでおいしかった〜お昼を抜いた甲斐があったけど、ビール飲む時間はなく、車で送ってもらう。
どうもガイドさんは夕方から「カラオケ大会」があったらしい。
でも表裏のない、気のイイオヤジ、なガイドさん、1日ありがとうございました。

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さて、今宵の宿はかみのやま温泉の葉山地区にある「時代屋」町屋風の落ち着いた作りの小さな宿。
もちろん温泉ですが大浴場も小さくてこじんまり。
貸しきり露天風呂が無料で使えて楽しめた。
食事は品数は多くないが、ひとつひとつに手がかけられた、無駄のない美味しいお料理。
宿の方はみなとっても親切でよい宿でした。
酔っ払いついでに外に出てみると、サラサラと雪が舞っていて、雪国気分満喫♪


こうして1日目は楽しく飲んだくれて終ったのでした・・・・



つづく。


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※樹氷の出来る条件
・植生として、アオモリトドマツなどの着氷と着雪のおこりやすい常緑の針葉樹があること。(ブナなどの落葉樹は氷や雪がつきにくい)
着氷と着雪のもとになる、過冷却水滴と雪片が多くあり、つねに一定方向の強風と低温で運ばれてくること。(風向が一定しないと、エビのしっぽが成長しない。気温が高いと雪がとけ、また低すぎても雪がつきにくい。)
積雪が多すぎず、少なすぎないこと。(雪が多すぎると、アオモリトドマツは埋没して生育できない。また雪が少なければ、当然樹氷はできない。なお蔵王の樹氷原の積雪は平年で2〜3m程度。)

だそうです。すごいですね。