1998年5月mei01

気多神社の清泉(けたじんじゃのせいせん)

大伴家持が住んだ伏木一宮の清水

高岡市伏木一宮

 高岡市街地から北へ約7q離れた伏木一宮は、 万葉の歌人、大伴家持が国司として居住していた 土地として有名です。この地にある気多神社は、養老二年(718)に僧行基が 創建したと伝えられ、また、天平宝字年間(757〜764)に越中一ノ宮として 能登一ノ宮の気多大社から勧請したともいわれています。社殿は天文年間 (1532〜1554)に上杉謙信の兵火にかかり、ことごとく焼失したので、 永禄年間(1558〜1569)頃に再建されたのが現在の本殿であるといわれています。 本殿は三間社流造り、屋根はこけら葺きで、雄大で壮厳な風格の社殿は、室町 時代の特色を残しています。越中一宮として歴代国守から手厚い崇敬をうけた古社です。

 国の重要文化財に指定されている気多神社の境内に入る鳥居の手前の 坂道に湧き出ています。この清水は、気多神社が天平宝字年間に 建立される以前にすでに湧き出していたそうです。古くから 神事の水として、また、みそぎの水として使われています。国道415号線 のバス停「伏木一宮」より徒歩10分です。近くには万葉歴史館があります。

 ※泉は、地下水面と地表との接触部にできるので、地形に影響されることが 多い。そこで泉は、地形の面から沿河泉、谷壁泉、崖下泉、凹地泉、扇端泉などに 分類されます。谷壁泉は、谷川のそばや山腹で露出するものです。「気多神社の清泉」 は、典型的な谷壁泉です。


気多神社の清泉1  龍の口から勢いよく流れ落ちる水。【2003年2月撮影】



気多神社の清泉2  自然湧水であることを周知する看板が立てられています。【2003年2月撮影】





気多神社の清泉3  雄大かつ壮厳な気多神社本殿です。【2003年2月撮影】





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