次の伝説があります。『昔、高岡城が築かれた時、かんじんの外濠にどうしたことか水が出ないので、 当事者一同がたいへん困っていた。その時、能登の七軒町(輪島)の回船問屋 甚右衛門の娘、お光が、高岡に城ができたそうだから見にいきたいと両親を 口説き落し、番頭を供に従えてこの城にきた。ところがお光は「升形濠」に 近づくと、こんなよい所に住みたいと、いきなり、身を躍らせて飛び込んで しまった。そのとたん、今まで水の出なかった濠底から、見る見るうちに水が 湧き出て、たちまち満水になった。 それから後、城の近くにある常念寺の法要になると、美しい娘が参詣するように なった。しかも、娘が帰ったあと、畳がビッショリとぬれていたので、あの お光は、大蛇の化身だったのだと、人々は話あった。』
慶長三年(1598)前田利家の後をついて加越能三国の大守となった前田家二代藩主 利長は、慶長十年封を利常に譲り富山城に隠退したが、慶長十四年三月同城は 火災にかかり新たに高岡に築城して町づくりを行った。設計はキリシタン大名 高山南坊右近が行い、約半年後の同年九月十三日入城した。総面積71,261坪(内 水濠22,400坪)あり、城内は本丸、二の丸、鍛冶丸、三の丸、明丸などに 分かれていた。慶長十九年五月利長薨りしまもなく廃城となり、明治維新後 民間に払下げられんとしたが、時の高岡区長服部嘉十郎等の奔走により、 明治八年七月公園として保存されることになった。昭和十四年七月富山県 史蹟に指定、往年の水濠はそのまま遺存、水のある城址公園として全国的にも 稀である。【高岡市・古城公園を愛する会】
面積は約21万u、うち水濠が約3割を占める全国でも珍しい水濠公園です。 JR高岡駅より徒歩10分、市街地のほぼ中心部にあります。 園内には射水神社、動物園、市民会館、図書館、体育館などがあり、 春は梅と桜、夏は緑、秋は紅葉、冬は雪景色と四季折々の景色を楽しめ、 高岡市民のいこいの場となっています。
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日本の都市公園百選に選定されている美しい公園です。
さくら名所百選、とやま花の名所にも選定されています。
朝陽の滝(動画/14秒)〔登録日:2003/03/09〕
朝陽の滝です。高岡市上水道事業の通水(昭和6年)記念として竣工したものです。
高岡古城公園の水郷1(動画/14秒)
・高岡古城公園の水郷2(動画/14秒)〔登録日:2003/03/09〕
博物館と動物園の間にある「升形濠」です。ここの濠水は特に清澄で、かつて木の葉一枚浮いていたことがない
ということで、昔から「塵溜らずの御堀」と呼ばれています。上記伝説の舞台です。【2003年1月撮影】
公園の案内図です。藤色の部分が水濠です。【2003年1月撮影】
高岡城があったころ、城中の飲用水として数か所にあった井戸のひとつ「民部の井戸」です。
三の丸市民体育館横(昔、今枝民部の屋敷があった)にあります。屋形の高さ5m50p、大きさ7.3uです。
【2003年1月撮影】
井筒の直径80p 深さ8mです。【2003年1月撮影】
もう一箇所現存する「本丸の井戸」です。射水神社の背後にあります。【2003年1月撮影】
本丸と小竹藪との間の濠の幅は98.1mあり、当時の種子島銃の有効殺傷距離よりはるかに遠く、
安心して水汲みができたと考えられます。【2003年1月撮影】