黒部川扇状地の扇端部、海岸近くの吉原地区には、国の天然記念物に指定されている 沢杉が自生しています。 林内には透き通った小川が入りくみ、その上を曲がりくねった杉が覆っています。 まるで原始の森に入り込んだような気分になります。 扇状地の湧水帯に、自然林に近い状態で生育している杉林は全国でここだけとか。 池沼には、年中、地下水が白砂をあげながら湧き出ています。 この自噴水によって夏の気温は周囲より4〜5℃も低く、冬の積雪は半分以下とか。 そのせいで暖地性の低木やシダ類、山地性の植物が入り乱れて存在しています。 昭和40年代には45ヘクタールもあった杉沢も、ほ場整備で水田に変わり、今では 2.7ヘクタールの森を残すだけとなっていますが、現在は自然公園として大切に 保存されています。
JR入善駅から車で10分です。隣接の入場無料「沢すぎ自然館」は一見の価値有り。
私が行ったときは、県の広報バス(名水探訪)の団体客が。
沢すぎ自然館
午前9時〜午後5時 月曜日は休館 電話0765-72-1710
伏条更新(親木の根本から若芽が出て大きくなる)でできた沢杉林
杉の根元から水が湧き出ています
水の郷 入善(高瀬地区)
自噴高さは地表から3m。水温は年間を通じて11℃程度。