『藩政時代から最近に至るまで存続されていたのが桑院鉱泉であった。
昔、百姓が御林山下の谷へ、馬の草を刈りに行くと、白蛇が一匹
さも気持ちよさそうに湧水した水につかっている。そばへ寄って
よく見ると、その蛇は傷を負っている。・・・はてな、あんな傷を
負った蛇が、あの水の中につかっとるちゅうは、不思議なことやー
と思い、翌日その場に行って見ると、やはり水につかって傷を
癒しているように見えた。
それで竹筒に水を汲んで家に持ち帰り、沸かすと硫黄のような
においがする。ちょうど赤ん坊が汗もの湿疹でかゆがっていたので、
この湯で洗ってやったらたちまち治癒した。
このことが評判となりやがて源泉のそばに湯屋をはじめた。
鉱泉源は深さ二メートルの竪穴の底から自噴し、水量は多い
ほうではないがどんな旱魃(かんばつ)でも枯れることがない。
何しろ人里はなれた谷合なので、客があると馬で米や野菜を
運んだという。しかし冬の積雪時には大変困り、現在の場所に
源泉を引いた。』 平成15年12月 桑院自治会
【現地案内板】
県道高岡氷見線沿いの桑院集落にあります。富山新聞に紹介されていたので行って
きました。集落の全40世帯が協力して整備したそうです。水を汲みに来ておいでた
方の話によると、源泉は約1.2kmはなれた山の中で自噴していて、昔は竹管で水を引いて
いたそうです。一年にいっぺんは源泉側のタンクの湯花を掃除しなくちゃならないとか。
沸かしてみると普通の水との違いが際立つそうです。甘いというか滑らかというか・・・。
私が飲んでみたところでは、無味無臭ですね。1月なもんで道中が雪の中であるからか、
えらい冷たかったです。
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桑院鉱泉の源泉(動画/27秒)〔登録日:2004/02/01〕
鉱泉を経営していた川口さん宅にあった水神の不動明王の石像が安置されています。桑院鉱泉は、傷や神経痛に
効能がある湯治場として人気を集めていたとか。【2004年2月撮影】
水飲み場の後ろに見えるのが2000年(平成12)に廃業した桑院鉱泉です。【2004年2月撮影】