(あかさかやま)
赤坂山
(824m)


滋賀県と福井県の県境に位置する湖北の山です。北に三国山(876m)もあり、マキノ高原から武奈ノ木平〜赤坂山〜明王のカムロ〜三国山〜黒河峠〜白谷温泉・・・と縦走路としてよく管理された山といえます。
赤坂山の魅力は何といっても四季の花々。特に春に咲く野生のカタクリを見るためにこの山を訪れる人は多いようです。
夏になるとドウダンやササユリ、秋にはセンブリやリンドウなども咲き、オールシーズンを通してたくさんの花々が開花しているこの山は伊吹山に次ぐ花の名山といえそうです。


2006年5月15日、カタクリの花を見るため、単独入山しました。
最寄駅はJR湖西線マキノ駅、そこから先は湖国バスを使ってマキノ高原前まで出ます。
バス停からはマキノスキー場のゲレンデを歩いて10分位で登山口に到着。
登山口からは自然遊歩道の木の階段を上昇。急な階段を30分程で登りきるとそこから先はゆるやかな登山道でした。
ゆるやかな登山道にはベンチの置かれた休憩所もあり、そこで水分を満たしている登山客もいました。

ベンチの休憩所を少し過ぎた所でトキワイカリソウやオオバキスミレ、オオイワカガミを発見。
それを写真に収めて少し登りきったところが武奈ノ木平でした。
武奈ノ木平には「蜂の巣注意!」と書かれた東屋(あずまや)があり、そこで昼食と水分をとって休憩。
武奈ノ木平からは琵琶湖の湖面が美しく見えました。

武奈ノ木平から細い尾根道に入るとそこから先は展望の利かない森林帯でオオイワカガミの大群落。
薄紫のトキワイカリソウと混在して鮮やかな紅色の花をたくさん咲かせていました。
イワカガミの大群落を少し過ぎたところに薄桃色のトクワカソウ(イワウチワ)も数輪発見しました。
イワウチワを見たのはこれが初めてかな?

イワカガミ、トクワカソウの群落が終わると今度は視界の開けた緩やかな道に到着。
そこをしばらく歩いて行くと、あったあった、カタクリの群落が・・・。送電線の鉄塔の少し手前のところです。
薄桃色の可憐な花が十数株、一群となって咲いていました。
今年は晩春だったためかGW過ぎの見頃となったようです。

近頃は花の盗掘をする人が多いことを考えると昔はもっとたくさん咲いていたことでしょう。
マキノの民家のある山の麓の周辺にもたくさん咲いていたと思われます。
昨年はマキノピックランドにそばにある「近江かたくりの里」でカタクリを見ましたが
野生のカタクリを見たのは今回が初めてです。

ちなみにカタクリは花が終わると茎・葉も自然に消滅するようです。
5月下旬になると跡形もなくなくなってしまい、痕跡を残しません。

カタクリの撮影が終わるといよいよ赤坂山の頂上へ。
送電線の鉄塔を過ぎ、粟柄越を右折すると約10分程で山頂に到着。
赤坂山の山頂は360度の大パノラマ、正面には明王のかむろや三国山、右手には琵琶湖が見えました。
そして左手には福井県の若狭湾が望め、さえぎるものが何一つない好展望でした。

山頂で休憩を済ませるとすぐに下山。
帰りは元来た道をわずか1時間程で下山できました。
マキノ高原のバス停前にはマキノ高原温泉さらさがあり、下山した登山客がたくさん入湯するようです。
また縦走路の反対側、白谷にもマキノ白谷温泉があり、ここも登山客の憩いの場となっているようです。

さらさ温泉の前には人手によって植生されたベニドウダン、サラサドウダンの花が見頃を迎えていました。
赤坂山山中にドウダンが咲くのは6月以降のようです。

※6月上旬にも登りましたが、木の階段遊歩道の脇に数輪のギンリョウソウを発見しました。
ギンリョウソウは黒河峠付近によく見られるようです。


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