(はくさん)
白山
(2702m)


深田久弥の故郷の山です。石川県大聖寺出身の深田さんは近所のどこからでもこの山を仰ぎ見ることが出来たそうです。平成14年NHK大河ドラマ「利家とまつ」のオープニングテーマ曲の映像に出てくるあの雄大で紅葉真っ盛りの山は加賀の白山です。夏の高山植物、秋の紅葉、冬の冠雪とオールシーズンを通して古くから地元民に親しまれてきた北陸の代表的な白い山です。


平成14年8月、KameG君の夏季休暇を利用して、金沢方面から入山しました。明け方4時頃、砺波ICから金沢東ICで下り、白山街道を通って市の瀬方面へ。この日は雨と予報されましたが、現地の天気はいかがなものか?ハラハラしながらの運転となりました。市の瀬に着くと、地元の駐車場は晴れ、そのまま別当出合行きのバスに乗り込んで、登山口で下車。7時過ぎに砂防新道を通って入山を開始しました。足元を見るとジメジメ濡れている状態でしたが、天気はまずまず。登り進むにつれ、オヤマリンドウなどの高山植物が目につくようになりました。

不動の滝が見える中飯場で一旦、休憩。滝は逆光でうっすらと光り輝いていました。さらに甚ノ助避難小屋に向かって上昇。この辺りからハクサントリカブトやヤマハハコなどの高山植物も出てきました。別当覗から別当谷を覗くと眼下にバスで通った道路がクネクネと延長。甚ノ助避難小屋で休憩をとって、さらに南竜道分岐点に向かって上昇。分岐点で弥陀ヶ原方面のコースを選んで入っていくと、ハクサンフウロなどのお花畑が道いっぱいに広がってきました。ここは高山植物の特ダネ地です。

11年前、濁流で水がなみなみとあふれていたあの河原を今回は水無しで軽々と横断。あの日の悪天がうそみたいです。黒ボコ岩に着くと、そこには名のとおり大きな黒岩が一つ、そこで記念撮影をしました。ここには観光新道への分岐道があります。

弥陀ヶ原に出ると、そこは広々とした原でした。その右側には南竜ヶ馬場に行くエコーラインが延びています。最後の一踏んばり、大岩のごろごろした五葉坂を登りきるとそこが室堂センターの山小屋でした。時刻は正午前、ここで昼食をとって13時からの受付で部屋に入ることができました。一人につき毛布1枚を与えられる寝場所を確保することができて、11年前とは違い、幾分、事情が楽でした。

室堂の天気は正午前から雨でしたので、15時位まで部屋で仮眠。晴れ間が見えてきた頃に起き出して、自然観察員の指導の許、室堂の花を観察しました。悪臭のクロユリやミヤマリンドウ、イブキトラノオ、オンタデ、ハクサンフウロ、コバイケイソウなどの花がありました。

17時からの夕食後、山頂の晴れ間を見込んで、登頂を開始。40分程かけて白山奥宮のある御前峰に着きました。眼下に室堂センターが小さく見え、11年前からの念願だった晴れ間の登頂をやっと果たすことが出来ました。バンザーイ!この日は既に夕刻だったため、お池めぐりを翌日に延ばし、そのまま室堂に帰ってそこで日没を拝みました。

翌日は3時半に起床。4時頃からまた頂上に向かって登山開始。空には満天の星が光り輝いていました。登り進むにつれ空がうっすらと明るくなり、5時前に登頂。他の登山客も狭い頂上で、日の出を待機していました。日の出時刻が近づくと、奥宮の神主さんが出てきて、岩の上で何やらボソボソ。(聞こえないよー)5時過ぎ、奥宮の裏側方面から真っ赤な朝日が出没。神主さんはじめ、登山客一同が一斉に「バンザーイ!ばんざーい!バンザーイ!」三唱でした。

日の出後は、自然観察指導員も出始めて、お池めぐりを開始。御前峰から紺屋ヶ池、血ノ池を通りましたが、この辺りは花が最も多く、アオノツガザクラ、コイワカガミ、クロユリ、コバイケイソウ、イワツメクサなどが見事でした。千蛇ヶ池からは最短コースを通って室堂へ下山。ただ一つ、ハクサンイチゲがなかったのは残念です。あれは四塚山方面にあるんだそうなぁー。

室堂で朝食後、下山開始。黒ボコ岩からは観光新道を使いました。馬のたてがみと呼ばれるお花畑にはハクサンシャジン、タカネマツムシソウ、シモツケソウ、ミヤマシシウドなどの花が咲き乱れていました。殿ヶ池避難小屋からはさらに道が急になり、転げ落ちそうな階段道を下っていくと車道に到着。そこから30分で別当出合に着きました。

帰路は白山スーパー林道へ。ふくろの大滝、白川郷の全景を眺めながら通過しました。夕刻、五箇山の「ゆ〜楽」で汗を流して無事に我が家に着きました。


   

(左)室堂センターから眺めた白山頂上(右)日の出直後のお池めぐり


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