(げんかんのかみこうち)
厳寒の上高地


今では信州の銀座などと呼ばれており、シーズンになると大勢の観光客でごった返している避暑地です。そのためマイカー規制も行われており、釜トンネルより先はタクシーとバスしか入れません。昔は秘境の地と呼ばれ、上高地を世に紹介したウォルター・ウェストンは最初ここに足を踏み入れた時、驚嘆の声をもらしたそうです。穂高連峰を写す大正池、噴煙の焼岳、清流の梓川、河童橋から見える穂高の山容には誰もが驚嘆の声をもらすでしょう。またここは焼岳、穂高、槍ヶ岳など北アルプスの名峰の登山基地となっています。


2002年2月、厳寒の上高地へ行って来ました。今回は積雪1m以上の雪の上をかんじきで歩くツアーです。KameG君の会社の同僚達と富山県細入村の道の駅で合流して出発。KameG君の車には古いスタットレスタイヤしかないため、細入村からは上司の車に乗車。471号線を通って平湯温泉バスターミナルまで着くと、そこから釜トンネルまでは輸送運転。輸送してくれた最後の人が平湯にマイカーを置き、タクシーを使って釜トンネルまで来てくれました。

釜トンネルからはアイゼンを使ってトンネル内を徒歩で通過。冷え冷えとした凍りついたトンネルで帽子なしでは絶対に歩けません。露出している部分はみんな凍りついてしまいます。多分、零下10度以上はいってるでしょう。タイツなしだと、おチンチンも凍る、こおる。。。

トンネルを抜けてしばらく行くと、冠雪の焼岳が雄大に望め、大正池に着くと水面に鏡のように写った穂高連峰も望めました。これぞ、厳寒の中を歩き通した最高の醍醐味。

大正池からはかんじきを装着しましたが、竹のかんじきを履いている人達は何度もズボ抜けて悲惨な状態。やっぱりケチケチ精神で山に行くとろくなことはないです。特にKameG君は竹のかんじきにビデオを持って歩いている状態でしたので、ビリっかすでした。おまけに手袋もどこかに忘れてくる始末。こらぁー!凍傷で切断でっせー。運良く見つかって、田代橋で休憩。この橋も欄干の上にまで雪が積もっている状態でした。

田代橋からは梓川を右手に見ながら河童橋に向かって闊歩、かっぽ。六百山が望める河童橋手前の休憩舎で昼食をとることになりました。「はぁ〜」と白い息を吐きながら、バーナーでカップラーメンのお湯を作りました。中には鍋焼きうどんやカセットコンロを持ち込んだものもいます。白い雪に埋もれながらカップラーメンを食べるのも悪くはないです。

帰路は元来た道を下山。かんじきを履いていてもズボズボとはまる状態で、ちょっと後ろを振り向いたりすると、前を向いた時にドテっとこける始末。KameG君が「くくくぅ」と笑っている。。。くっそぉー、見ておれ!

他のパーティーでかんじき以外にテレマークの板で入山したものもおり、帰り道は楽チンのようでした。

今回は晴天下でよかったですが、これが吹雪だったらと思うとぞっ!
まぁ、天候の悪い時は勇気を持って断念することも大事ですね。


   

(左)大正池に映る穂高連峰(右)冠雪の焼岳


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