(しょとうのかみこうち)
初冬の上高地


昔は信州の秘境と呼ばれた地ですが、今では信州の銀座となっています。その信州の銀座も10月下旬になればすっかり人気がなくなり、その後は深閑とした風景が漂います。こういった時期がもっとも昔の秘境地を楽しむ良い時期でこれを狙って我々一行は出かけて行きました。上高地は既に10回以上行っていますが、初冬の上高地は今回で2度目です。ニホンザルやニホンカモシカの出現を期待して出かけましたが、結果は・・・?


午前3時に起床。その後は防寒着を着込んで午前3時半に出発。4時半に集合場所の細入村道の駅に到着しました。KameG君の同僚と合流後、いつものとおり高山方面に向かって41号線を車で走り、途中で左折して471号線に入り平湯方面に向かいました。平湯バスターミナルに車を置いた後は釜トンネルまでマイカーで輸送運転、最後の人(輸送運転手)がタクシー1台に乗車して釜トンネルに到着です。

釜トンネル前は例年の通り冷え冷えで摂氏5度はいっていたかな?釜トンネルの左手にある中の湯温泉には浴衣姿の温泉客が寒そうにたむろしていました。釜トンネルに入ると、凍結部分はあるものの何とかアイゼンなしで歩ける状態でした。それでもスッテンコロリンしそうな危ない場面もあり、KameG君は時々一人でツルツル踊っていました。(^^)

トンネルを抜けるとそこは真っ白な霜の世界。雪も所々残っていて深閑とした冬を感じました。気温も摂氏6度位だったかな?梓川を左手に見ながら真っ直ぐ歩いて行くといつものとおり焼岳に遭遇。山のてっぺんだけ朝陽を浴びて光っており、山の中腹から下は真っ黒け。これが朝の焼岳のいつもの風景です。それを写真に収めながらさらに峠まで登り切るとその先に見えるのは大正池と穂高連峰です。既に山は冠雪状態で大正池の水面に鏡のように映し出された穂高連峰は神秘的でした。午前中だけに見える特別な風景です。(厳寒の上高地の写真をご覧下さい)

大正池に着くとWC休憩。シーズンオフ(冬期)のWCは男女兼用の1箇所のみですがWCペーパーはちゃんとついていました。そこから先は車道からそれて遊歩道に入り、梓川沿いを散策。霜や雪で凍りついた道はちょっと気をつけて歩かないと滑る状態。特に木の橋上で転ぶと川にはまって危ないです。しばらく歩くと梓川の向こうに焼岳が見える河原に到着。ここで一息入れてまた出発です。樹林帯の中をしばらく歩くと視界の開けた場所に出てその右手が田代池でした。この時期の田代池は周囲の木や土が全て霜で凍り付いていて神秘的な風景をかもし出していました。う〜ん、ムーミン谷に来たようだぁ。

そこからさらに田代橋に向かって出発。途中、遊歩道沿いの樹木の枝の間から見える星の輝きには驚嘆。霜で凍りついた枝に陽が当たって七色の星の輝きを映し出していました。田代橋からは梓川沿いを右手に歩き、梓川の向こうに見える穂高カールや明神岳を望みながらの散策でした。

河童橋に到着すると、橋上から穂高カールを記念撮影。そこから先は河原に出て穂高カールを望みながらの昼食となりました。今回も我が家はちっちゃなバーナーにミニカップ麺でしたが、中には大きな土手鍋にカセットコンロをザックに入れて持ち込んだものもおり、寄せ鍋を作って食べていました。雲ひとつない真っ青な青空の中、2〜3度前後の寒さにふるえながらの昼食でした。

食後は元来た道を引き返して、河童橋からは行きと反対側の遊歩道を散策。この道からは六百山と霞沢岳が見えました。上高地の開拓者ウォルター・ウェストン碑も道中にあり、行きとはまた違った遊歩道の味。焼岳の見える河原に到着すると、河原でカモが日向ぼっこ?少し人に慣れているせいか、こちらの写真撮影には上手く収まってくれてました。それでも人が追いかけるとやはり恐怖を抱いて素早くはばたき逃げていく有り様。

昼過ぎの大正池の水面にはすでに穂高連峰の写しがなし。とぼとぼ釜トンネルまて引き上げていくと、後はタクシーのお迎えで平湯バスターミナルまで。「アルプスの湯」の露天風呂で笠ヶ岳を望みながらの山行終いとなりました。今年もニホンザルやカモシカにお遭いできなくて残念。来年は遭遇できるでしょうか?


   

(左)霜で凍りついた田代池(右)梓川と穂高カール


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