(たろうだいら)
太郎平
(太郎山=2373m)


太郎平は薬師岳、雲の平、黒部五郎岳、双六岳、槍ヶ岳などの北アルプスの入山基地です。富山折立から太郎坂を5時間程かけて登ってやっと太郎平に着くという長距離ですが、シーズンになるとその登山道にはイワカガミ、ツマトリソウ、ミズバショウ、チングルマ、ワタスゲ、ニッコウキスゲなどの高山植物がたくさん咲き乱れます。また晴れ間に道中から見える薬師岳の展望は実に雄大で絶景。間近に薬師岳を拝める太郎平小屋には翌日の北アルプス縦走に向けて休息をとるもの、反対側からの縦走が終わって翌日、富山側に下りるものなどシーズン中には大勢の登山客でごった返しています。


平成15年6月7日、入梅前に入山しました。立山町の立山アルペン村に朝5時半、主人の同僚と合流して、6時過ぎに出発。しばらく行くと有峰有料道路の入口付近ににさしかかりましたが、この日は車が結構、混んでいて渋滞を作っていました。一般車で往復1800円を支払い、ボコボコの砂利道を突き進むと有峰湖とレストハウスが見えてきました。ここを通過してしばらく行くと登山口の富山折立に到着です。

立山アルペン村から約1時間程かかって7時頃、富山折立に到着。ここの登山口にはWCや休憩舎があり、登山届けも提出できます。駐車場も300台程停められるそうです。ここからの登山道は太郎坂と呼ばれ、三角点までは展望の利かない森林地帯を歩きます。ゆっくり出発して歩き始めると、すぐにイワカガミ、ツマトリソウ、ウメバチソウなどの花が目につきました。雪が解けるとすぐに咲き始めるようです。展望のない道を2時間程歩いて三角点(1870m)に到着。展望の開けた三角点からは行く手の山が雄大にそびえていました。

そこでしばらく休憩をして三角点を出発すると、雪解けのせいか道がドロドロ。ジメジメした道を歩いて行くと、ミズバショウを発見しました。ほんのわずかですが一塊となって可憐に咲いている姿は見事です。そこを過ぎると今度は雪渓に遭遇。うーん、まだ解けていなかったのか。。。雪渓があるとは知らず、アイゼンなしでしたのでそのまま雪に足をとられて登ることになりました。ここは森林が密集しており、日が当たらないところのようです。木の根っこ付近を歩くと足がズボっとはまる状態ですので、できるだけ木から離れて歩かないといけません。何とか雪渓地帯を抜けると展望の開けた草原に到着。この付近からは咲き始めのチングルマの群生があり、植物保護のネットが張ってありました。

この草原地帯からは晴天下に薬師岳が望めるようですが、今回は残念ながら曇りで視界がゼロ。またシーズン中はチングルマの他にコバイケイソウ、イワイチョウ、ニッコウキスゲの群生地にもなります。所々雪渓の残る道を歩きながら、ベンチのある休憩所で休み休み上昇。赤い太郎平小屋の屋根が見えてくる頃になると、最後のひと踏んばりの雪渓が広がっていました。この道は夏にはニッコウキスゲが咲き乱れる木の板の道ですが、今はまだ雪の下にあるようです。息を吐き吐き歩いて12時頃、やっと太郎平に到着。

太郎平小屋付近はまだ雪で埋もれており、行く手の薬師岳、黒部五郎岳への道も雪道でした。また晴天下なら雄大にそびえるはずの薬師岳も今回は曇りで真っ白け。視界はほんの10m先しかみえませんでした。小屋前の机とベンチに腰掛けて昼食をとりWCを済ませて、12時40分頃、下山開始。

雪渓を滑り下りるように下山していくと、後ろからおじさん達も猛スピードで駆け下りて来ました。ちょっと早すぎるんじゃい!おばさんはついていけん!登りで苦労した道も帰りは楽々ですが、それにしてもおじさん達の早いこと、早いこと。五光岩ベンチ辺りから雲行きが怪しくなってきて、雨が降り出す予感が。。。雪渓の森林地帯を歩いている途中で本降りになってきて合羽を着込みました。

三角点に到着するとその雨も小降りに。合羽の帽子を脱いでゆっくりと下山しました。午後3時半過ぎに富山折立に到着。登り5時間下り3時間で往復8時間の山行でした。

帰りは立山町の厚生年金会館「ウェルサンピア立山」あわすの温泉に入浴。ここは洋風で露天風呂やジャグジー風呂など、しゃれたお風呂がいくつもある大きな浴場です。


   

(左)なだらかな草原を歩く(右)雪渓を踏みしめて歩く


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