2004年11月20-21日 安曇野アドベンチャー2days

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大会HP
動物記より写真レポート: 動物さんのHP
村越さんのHPより安曇野アドベンチャーレースの記録
写真提供:動物さんとムラコシさん

次は安曇野アドベンチャーレース
去年初出場した北アルプスアドベンチャーゲームがとても楽しくてチャレンジのしがいのある大会だったので今年はオリエンテーリングでコーチをして頂いている村越氏を誘ってみた。『ナビゲーションの権威と呼ばれ、伊豆アドベンチャーレースの講習会講師もしているのなら、やはり実際にレースに出てみるべきなんじゃないですが?』と挑発的な発言をしその気にさせた。残念ながら今年の北アルプスはオリエンテーリング世界選手権3週間前のためスケジュール的に出場できそうにない、それならフィジカルトレーニングにもなる、7/19(土)に長野県王滝村で行われたセルフディスカバリーアドベンチャーレース、ビギナーズクラスに出ましょということになった。ノースフェースがスポンサーについてくださったのできちんとした成績を取らなくては、目標は優勝とMTB、カヌーの事前練習もした。ナビを伴わない体力勝負の種目(MTB,トレイルラン、リバートレック、カヌー)だったが混合準優勝、総合でも3位(65チーム中)。やはり我々はナショナルチームメンバー、フィジカルの部分ではそう負けはしない。それでも1分差で負けたことが村越氏は相当悔しかったらしく、レース後早くも『次は安曇野アドベンチャーレースに出て優勝だ』、そんなことを言っていた。いよいよ本気になってしまったらしい。
私はといえば、本業のオリエンテーリング世界選手権が9月に行われるためそちらに専念、安曇野も出るのはいいが11/7には愛知にてワールドランキングイベントが行われる(ここで来年の愛知世界選手権のためのナショナルチームメンバーが決まる)ため、それが終わるまではオリエンテーリングに集中していたので、横で村越氏が『安曇野ダーなんだーかんだー』言っていてもレース直前まで気をむけることが出来なかった。

もう1人のメンバーは?

村越氏と私でチームを組むのはいい。でも2人ともアドベンチャーレースは初心者。私は去年1度出たといっても強靭な2人(高梨さん(げんじんさん)と田中さん(動物さん))に必死についてきすべて準備をしてもらっただけで何もわかっていないまま。7月のセルフも3時間弱で終わってしまいしかもナビはなし。今度の安曇野は2日間開催、ナビ中心でしかもオーバーナイトのステージがある。それにMTBに乗っている時間も長い。MTBに詳しくアドベンチャーレースの経験がある人、その人がいることでチームのバランスがとれるはずだと誰かいるかしら?と考えていた。
そんな時動物さんからのメールが!北アルプスADRのお誘いだったが行けないことを伝えるとともに11月の安曇野なら出られるので村越さんとの一緒のチームはどうかと提案。OKして頂き、『team阿闍梨』のメンバーが決まったのでした。

事前準備 11/3(祝)
MTB猛特訓 11/3にメンバーの顔合わせと装備の確認、レースに出るに当たってのチーム目標の確認、役割分担、それぞれの現状などを会って話をした。メールだけではなくて実際に会ってお話をすることでちょっとした思っていることのズレを修正するができる。顔を合わせることは大事だと思う。その他、MTBの練習、クライミングの練習を行った。1週間前辺りからメールのやり取りを始めていたが、動物さん、村越さんの発言から『ただ楽しもう!』ではないことが感じられた。さすが競技者と伊豆アドベンチャーレース優勝メンバーの人たちであります。私はそのときピリッと気が引き締まったのでした。きちんと自分なりにでも目標とやるべきことを考えた上でレースに臨まなくてはと思うようになった。
とにかく私は体力はそこそこあってもロープワークをしたこともクライミングをしたこともない。MTBも買ったはいいがあまり乗っていないし乗り方もわかっていない。今回のアドベンチャーレースは夜通しで行われる。ナイトトレッキングは初めて、そんなに長い間体を動かしつづけたこともない。いったいどれくらい動くことが出来るんだろうか?不安もある。
午前中は飯能周辺の丘陵地帯にてMTBの練習。ただ乗ることしかできない私に動物さんは下りの乗り方、ブレーキのかけ方、ジャンプはなどいろいろ課題を与え教えてくれた。うー、こういうテクニックができるだけで随分効率よくバイクに乗れるし楽になる。オリエンテーリングと一緒でなんでも基本技術の徹底的な習得は必要だ。機会を見つけてきちんと学ばなくてはいけないな。2時間、山の中で練習。下りは怖いし登りも遅い。これで大丈夫なんだろうかと不安を残して終了。。。

昼ご飯を食べながら装備、目標の確認、地図を見ながら予想コースルートを検討。
村越氏;『目標?優勝するのは当たり前でしょ、主催者があっと驚く時間に帰ってくるんだ』
私;『長時間動きつづけたことないのが不安。15キロの荷物を背負って9時間は歩いたことはあるけど…。オリエンテーリングレースとは随分性質が違う。低強度で長い間体が動かせるかな?疲れてくると何も口に物を入れたくなくなる。積極的に食事をとるように意識しなきゃいけない。それとちょうけい靭帯が痛くなるかもしれない不安がある。去年故障をしていて長時間は走れていないから。その痛みの対処方法はただただ我慢するだけ。予防はキネシオテープとストレッチぐらい」
動物さん;『装備はじゃあ僕の方で用意しておきます。いやー楽しそうですね。』とマイペース。
そんなこんなでいろいろ話をし、午後は西国分寺に出向きロッククライミングをしロープワークの練習。
生まれてはじめてのクライミングとその高さに私はびびっていた。それでも2人がいろいろと教えてくれて励ましてくれたのでなんとか基本は出来るようになった。クライミングもはまりそう。面白い。

レース2-1週間前
11/7に本業の、大事なオリエンテーリングレースが終了し(ナショナルチームメンバーになれた)、頭をいよいよアドベンチャーレースに切り替える。初めてのことばかりで不安が押し寄せていたが逆に初めてだからこそすごくワクワク出来る時間じゃないかと楽しくなっていた。3人でメールのやり取りをしながら装備確認をしていくが、3人ともとても忙しく頻繁にはメール対応ができない。一人一人の個人スキルに頼っていた(というか私は2人に任せっぱなしか)。
私の役目は路線バスと電車の時刻表調べだったがそれすらままならない生活をしていた。どういうわけか残業ばかりで切り上げてその後トレーニングを2時間近くやって家に帰るともう後は寝るだけになってしまう。
レース1週間前の週末は1人で2.5時間、近所の山を低-中強度で走ってみた。もちろんオリエンテーリングのためのトレーニングではあったが、同時にアドベンチャーレースへ向けてコンディションチェックを兼ねていた。左膝の腸頚靭帯の痛みはでてこないしあちこち痛くなるような箇所はない。これならレースでもとりあえず大丈夫かなと一安心。チームの中で女性1人である私は当然だが一番体力がない。なるべくハンディの部分を最小限にできるよう、ベストのコンディションで臨めるような体調にしておくことが重要だと思っていた。

レース前日

無理矢理会社を早退して松本に宿泊。動物さんは残念ながらお仕事。夜食事に出かける前にバスターミナルによってレースエリア周辺のバス情報を得る。食事をしながら村越氏ともう一度役割分担や目標を話し合う。村越さんも動物さんもナビゲーション能力は長けている。私が出る幕もないだろう。私は必死に頑張って2人についていく、できるところまでやるだけだ。ナビは村越さん、動物さんはチーム全体を見つつ私のフォローで進む。村越さんがナビに関して絶対的な自信を持っているのはとてもよくわかるのだが、でも気に食わなくて、『そりゃあ確かに村越さんはすごいけれど、MTBに乗って地図読みはやったことないでしょ?そのスピードになれていないまま本当に正確なナビができるんでしょうか。その点動物さんは多くのレースに出ていて慣れているしそこらの人より(というか私よりも)ナビはよく出来る。村越さんのそのミスは絶対ありえないっていう自信満々な態度がチームメイトとしてはいやだ』と言ってしまった。
ナビゲーションの権威と呼ばれるこの人に対してここまで言えるのも私だからなのだろうかよくわからないが、この発言に彼は少しむっとしてはいたものの、『確かにMTBのスピードはわからないな』と言っていた。けして仲が悪いわけじゃないですよ、はい。
宿に帰ってパソコンを見ながらバス路線とバス停、コンビニがある場所をチェックして村越さんが自分で用意していた1;50000の地図に書き込んで準備終了。(松本電鉄の時刻表を調べるのをすっかり忘れていた。。)

レース当日朝

たぶんオリエンテーリングのレースならそんな早い時間に会場に着くの?という時間に多くの参加者は集まっていた。私たちはどうやら最後に到着したらしい。動物さんが心配して会場に行く途中に電話をしてきた。
そう、オリエンテーリングなら自分の準備だけでよいが、アドベンチャーレースは自転車から、持ち物チェックから作戦からいろいろチームで確認、準備することがたくさんある。早くも出遅れ感あふれるが、待っていた動物さんは焦る顔もせず迎えてくれた。
会場は『ほりで〜湯』という山の中にある温泉。ここからドタバタと準備が始まる。あ、ジップロックない。え、ドライ納豆なんかいらないよ、まずい。食料はどれくらい持ってく?まぁ、コースは予想通りじゃないですかー。ゴールから戻ってきてすぐに食べるものと、ナイトトレッキングで持っていく補給食をきちんと分けて置いた。そうしておくだけで時間の短縮になるし慌てずにすむ。そうやってあーだーこーだーやっていること1.5時間あまりでもうスタート時間なのでありました。天気がすごくよくて暖かい。北アルプスの山々も見ることができて幸せ。

1 MTBナビゲーションステージ 80km
・バイク服装
ノースフェイス 山長袖シャツ1枚
ノースフェイス バイオテックストレッキングタイツ
オリエンテーリング用トレーニングウェア(下)
ノースフェースカッパ(上)
ノースフェイスバイク用手袋
ノースフェイス トレイルランシューズ W's ベイパーライト
オリエンテーリング用ハイソックスYTプロダクツ提供
・装備
水1.5lぐらい(ぽかを薄めたもの)ハイドロチューブ
お金
ノースフェイス20Lのザック
補給食 ちーかま、チーズ、ナッツ、おにぎり、一口サラミ、ようかん
*身につけているノースフェイスのものは全てノースフェイスからの提供です。 http://www.goldwin.co.jp/tnf/

ラインオリエンテーリングで2箇所のチェックポイントがあり、その場所を地図上で正確に表すとポイントがもらえる。まさにラインオリエンテーリングそのもの。これはナイトトレッキングでも同じ形式で2箇所のチェックポイントがある。それとスタートしてからゴールまでの所要時間で順位が決まる。

10時トップチームがスタート。3チーム毎に1分差でスタートしていく。私たちは3番目のスタート。 少し道路を下っていくといきなり林道の登りが始まり動物さんの牽引。ウォームアップもままならないままのスタートだったため心拍は150-160を超え心臓バクバク。のぼりが遅いのはよくわかっているけれど精一杯できることやらなきゃと前向きに考える。途中優勝候補の東龍門チームに抜かされた。さすが速い〜。『あのチームは足があるから』と動物さんが言ってくれた。村越さんが先頭でナビをしながら次は私、後ろから動物さんが来てくれる。急坂では動物さんが私のバイクを持って2台分押してくれた。道なき斜面をかついで林道を下っていくと第一チェックポイント。ここで5位。前のチームに少しだけ追いついたか。ポイントは結構難しいと思ったがなんなくクリア。わーい。その後は林道を下っていくが遅いー。動物さんが先に行ってラインを作ってくれるが遅い〜。怖くて積極的に進めない。こういうので差がつてしまう。やっぱり基本技術を学んで乗りこなすべしと思った。下界に降りてきてアスファルトになると田島は元気に。風景を楽しみながら、りんご畑の中を通りながら、梓川沿いをひたすら走りながら。
村越さんは筋疲労が出てしまったようでフラットでスピードを上げられない。振り向くとかなり後ろにいて少し驚いてしまった。この区間はチームで一番つらい時間だったかもしれない。あの村越さんが遅れている。そんな中第2チェックポイントが現れた。梓川沿いではあるが道を乗り換えたところ。トップチームとの差は20分。思ったより離れてないじゃないか。まだ挽回できるかもしれないしとここでも前向きに考える。
チェック後、梓川の河川敷へのゴールルートはもはや何でも良い。だって2つのチェックポイントは通ったから。なので途中スパーにより(コンビニのようでそうでなかった)、食べられそうなものを買って補給食も取った。ついでに美味しいアイスも食べて幸せな気分(コーヒー味のMOWカップアイス。なんでそんな食べにくく時間がかかるものを買ったんだーと動物さんから叱られる。もう頭まわらなかったんですー)。こういうちょっとした時間は気分転換にもなる。大事な時間だ。3人でアイスをかじりながら平らげてゴール&狐狩りゲーム会場へ。


ゴール〜狐狩りゲーム
狐狩りゲーム ゴールへ向かう途中バイクに乗りながら狐狩りゲームはどう作戦とりますかねぇと話をしていた。
狐狩りゲームはサバイバルゲームで銃をもって相手と戦うゲーム。相手をうち倒すかエリアの一番遠くに置いてある旗にタッチしてくるか。制限時間は5分。3対2で戦う。そこの専門スタッフは15年も趣味としてやっているらしく、『この銃はMうんたらかんたらJ5、、』みたいなことを言って説明してくれた。。。 私は初めてやることに対しては反応がものすごく鈍くてとろい。自分で頭の中でイメージを作りそれどおりにできるまで時間がかかる。逆にそれさえ出来てしまえばあっという間に習得し、どんどんできるようになる。30年も生きていれば自分の性質ぐらいはよくわかる。
狐狩りゲーム というわけで3人の中できっとトロい私は真ん中からおとり大作戦で強行突破係りになることを提案する。狐(敵)が私を狙っている間、動物さんとムラコシさんで横から旗に向かうか敵を撃ち殺しちゃえばいいんだ。いろいろな作戦が考えられたが2回チャレンジできるし、とりあえずそれでいこうということになった。ドキドキ。旗はすぐそこにあるのに怖くてあまり進めない。 もうよくわからないので、音がしそうな方に発砲しジャンジャン進んで行くと右モモにピッシっと痛みが2回ぐらいあった。うわーー、やられた〜〜〜。タジマ死亡。今いちやられたらどうするんのかわかっていなかったため、『うたれたー!』と叫びその場にぼーっと突っ立っていた。その間敵が私と動物さんに気を取られていたところを狙って村越さんが発砲し2人の狐を撃ち殺してしまいました。その時間3分ぐらい?
あっという間の出来事でよくわからなかったが見事勝利。1時間のペナルティ時間を食らうことなしですんだ。わたくしはお役目どおりのことができたようだ。思ったよりBB弾は痛かったです。

ゴールからレース会場までいったん戻る
これが結構距離アリのぼりアリで辛い。村越さんも疲れている。登りはかわるがわる動物さんが私と村越さんの背中をびゅーと押してくれる。ちょっとサボって登っているとすぐに動物さんが背中を押してくる。そのうち動物さんが近づいてくるだけで私はビクビクして漕ぐスピードが速くなるのでした。…豊科駅で時刻表を確認。ここまで歩いて電車で松本駅に行き、松本電鉄に乗って新島々へいこうということになった。当然だが河川敷のゴールから会場に戻るまでの間の時間もレース時間に含まれている。少しでも早く戻るようにしてまた出発しないと。。

会場まで後少しというところでアルプスあずみの公園の文字が目にとまった。そういえばウェブで路線バスを探していた時にちらっとこの名前があった。路線バスにはこのエリアの路線はなかった。でも松本駅からバスがでてるって書いてあったけどどうなんだろう?ひょっとしてこの公園のことかな、と動物さんに何気なく話してみると、動物さんはちょっと確かめてくる!ともう1回下って調べてきた。これが実はビンゴで豊科駅までの移動に役立った。そのアルプスあずみの公園からバスはでている。ちゃんと200円料金がかかる、これは公共交通かとまで動物さんはおじさんに聞いてきたそうだ。
もっときちんと下調べをしておくべきだったと反省。時間が取れなかったとはいえあまりにも行き当たりばったりすぎやしないか。

15時すぎ会場到着-ナイトトレッキング基点の新島々駅へ
会場からナイトレッキング基点の新島々まではどのような手段を使ってもいい。ただしタクシーはダメだしMTBもだめ(乗っていくのはいいが携行しなくてはならない)。公共交通をいかに効率よく使うかが決め手となる。当然この時間もレース時間に含まれる。


MTB終了して会場に帰ってきた。バスの時間、電車の時間を逆算して出発の時間を決めてその後は準備の時間に当てる。まずは帰ってきて40分あるから食事を作る(ムラコシ氏)。4分でゆだるマカロニにソースをかけてがっつり食べながらナイトトレッキングの準備。何着よう、これ持っていこう、補給食は?(ムラコシ氏が準備した)ドライ納豆はいらない!(ここでも却下。)バタバタしながらも出発!パッキングはとりあえずで手にはテルモスとカッパとお団子などを持ちながら下のアルプス公園まで1.3キロほど走っていく。。MTBとは使う筋肉がやっぱり違う。体は疲れていたがバイクから降りた開放感と自分の足で走ることがとても気持ちよかった。

服装
ノルウェー製アミアミアンダー山シャツ(半そで)
H/H長袖シャツ
ノースフェイス 薄手のフリース
ノースフェイス 綿入りベスト
ノースフェイス 薄手のダウンジャケット
ノースフェイス ゴアに近い素材のカッパ(上)
フェールラーベン ゴアに近い素材のカッパ(下)
ノーフェイス バイオテックスタイツ
オリエンテーリング用ハイソックス(YTプロダクツ提供)
ノースフェイス フリース素材の帽子
フリースの耳当て
H/H 薄手の手袋
ノーブランド フリースの厚手手袋
ノースフェイストレイルシューズ

着替え;
渓流ソックスのみ(足先が濡れたときの替え)、ミニタオル(セーム忘れた)

装備
20l ザック
1.5lほどの水(ポカリをかなり薄く薄める)
テルモス(中は温かい砂糖入りのレモンティー)
補給食(チーカマ、サラミ、チーズ、クッキー、甘栗、おにぎり、ナッツ、チョコレート、ようかんなど)
ヘッドランプ(動物さんより借用)
ハンドライト(動物さんより借用)
サムコンパス(予備)
ハーネスなどロープ関係
コッヘル&ガスカートリッジ(緊急事態時)
ビバーク用シート
補助ロープ
救急用具
MTB用ヘルメット

これらを用意し気温によって着るものを調節。とにかく夜通し歩くので寒くないような恰好をすることと、おなかが空いて動けなくならないように意識的に食料を口にしていくことを心がけた。荷物は着替えや補給食、水など最小限のものを持ち、後は動物さんと村越さんが分担して持ってくれた。

バスの時間16;05分には一生懸命走ったが余裕で間に合った。まさか私たちのほかにいないんじゃないんですかー?ナイスアイディアっていうか超ラッキーだよねー、なんて3人で得意げにバスに乗り込むと、ガーン、2チーム乗り込んでいるじゃないか。でも自分たちより前にいたチームなのだから追いついたということだ。しかも私たちはきちんと時間を計算してこのバスに乗り込んでいるし、その間にガッツリマカロニパスタ食べたもんね。このバスはすごい発見と思っていたので他のチームが乗り込んでくるのはもったいないなあ、早く発車しろーなどとみんな言っている。定刻どおり発車し、豊科駅までの15分近くの間、パッキングをやり直しお団子を食べまくる。おなかは空いてるみたい。このバスと電車にのると松本で30分近く新島々行きの電車を待つことになるが、でもそれでも自らのエネルギーを温存できる時間は貴重。
トップチームはどうやらスーパーあずさ号を使ったらしい。さすがです。これでまた離されたかもしれない。
松本駅に到着すると動物さんは駅前の松屋に直行。私はそういえばアミノバイタルプロを持ってくるの忘れた、マツモトキヨシがあったわねと駅ビルの中に入り買ってきた。ちなみに当然だがレースをする恰好である。しんちゃんは駅前の待合所で地べたに座ってぺたんと休んでいた。

17時30分過ぎの松本電鉄;新島々行きの電車に乗り込んだ。たった2両の電車。30分ほど揺られて新島々へ到着予定。この間、諸々休憩。実は2時間しか睡眠をとってない動物さんはここでがっつり眠り始めたが車内があまりに暑くてイスの上に寝るのは耐えきれず地べたに寝ていた。この様子に回りの人たちは引いていた。私たちが乗っていた車両は2両目、1両めには結構人が乗り込んでいて他2チームもお行儀よく座っていたが、この2両めにはどういうわけか人が少ない。ふと振り返ると村越さんも椅子に横たわり眠り始めた。7人掛けの椅子に3人で占領。ひょっとしてこの姿を見て乗客の皆さん2両目の車両を避けているのだろうか。。。私は2人に挟まれておとなしく座っていた。少し頭痛がするので村越さんに頭痛薬をもらおうとすると『持ってこなかった』。『えー、どうして?』『必要ないと思ったから』。ひどい、ひどすぎる。これから標高が高くなって頭痛が起きるかもしれない。どうして自分ひとりで判断をしてしまうの?と一瞬プンプンになった。これはチーム競技、そう思うのなら他のメンバーにも聞くべきなんじゃないか?こういうちょっとしたことも一人でするオリエンテーリング競技に慣れているとなかなか意識できないかもしれない。これも今後の課題。
突然、椅子に乗せいていたザックが動物さんの顔面に激突!ヘルメットが鼻にヒット!!!すごい音とともに動物さん起き上がる。何事もなくすんだけれどとにかく驚いた。反対側に座っていた女子高校生は必死で笑いをこらえていた…
途中駅から他のチームは乗り込んでこなかった。終点新島々駅に到着したのは18時ごろ、すでに真っ暗。いよいよここからないとトレッキングだーと思いきや、ロータリーに路線バスが止まっている。他2チームに近寄るとなんでも登山道入口の島々までいくらしい。ラッキー。270円払ってバスに乗り込んだ。あー、これがレース中だなんて信じられない。もう2時間近く自分たちの足で進んでないじゃん。いやーでもこういうゲームもすごく面白い。

ナイトトレッキングステージ突入
ナイトトレッキング突入 18時15分、徳合峠への登山道口へ到着。いよいよナイトトレッキングが始また。本当に真っ暗、ヘッドライトだけが頼り。最初は3チーム一緒に歩き出した。そのうち男性2人組のA&Fバスキューチームが走り出す。しばらく私たちは早足で歩き、『走った方がいいの?』と聞くと『走りすぎて汗をかいても冷えるだけだし適宜』ということ、早足で歩きつづけるのも筋疲労あるので、フラットな林道はジョグペースで走ってもいいかとお願いした。村越さんからは大丈夫?と何回も聞かれたがどういうわけか元気だった。ただ無理をせず進んでいた。
夜の森は面白い。そして天気がとても良いので明るい。今晩は半月。月明かりと黒い山陰の中進んでいく。そんな暗い中でも村越さんと動物さんはマップコンタクトを続け現在地を把握しながら進んでいた。しばらくするとトンネルが出てきた。げ、なんでこんなところにトンネルあるの?一人じゃとても歩けなさそう、こわすぎる。2つ目のトンネルに入るときに動物さんが写真を撮った。こんなところでやめてー、お化けがでるよーなんていいながらトンネル内を歩いていると…
突然『フォォ!』って言う声がどういうわけか後ろから聞こえてきた。『げっ、今の動物さん?えー違うの?ナにそれ怖いよお』とかなりビビリながら進んでいると、さらにいきなり『フォオオオ〜!』との声がするではありませんか。これには3人とも驚き、まじめにびびって叫んでしまった。先を見るとどうやら人影とライトが見える。トンネルの先がチェックポイント3?行き着くと焚き火をしながらスタッフの束村さんがいた。
ここはCP3ではなくいよいよロープワークで、崖を下っていき沢登りが始まる。それにしても突然林道がこのトンネルで終わるってどういうことなんだろう?謎多き林道でございます。

生まれて初めて自然のガケを懸垂下降
懸垂下降 少しパニック気味になっていてハーネスのつけ方やらなにやらわからない。事前練習をしたはずなのに忘れていた。村越さんが丁寧に教えてくれた。私たちが到着した時は随分先に行ったと思っていたA&Fチームはちょうど降りていくところだった。10分程度の差?3人とも準備が終わると3チームめもやってきた。なんだそんなに差はつかないんだ。
さて、いよいよロープワーク、懸垂下降。ハーネスをつけるところまではやったが、エイトかんについてはお二人にマカセッキリで何も理解をしていないままだった。思えばこれも準備不足で扱い方とそれがなんたるかをきちんと理解しておくべきだった。11/3のクライミング練習ではエイトカンを使っていなかったのでどういうものかわからないままにしていたのだ。
先頭は村越さん。さすが大学でアウトドアの授業をしているだけあってスムーズに行ってしまう。次は私。セルフビレーのこともよくわからないので、後ろにいる動物さんがいろいろと教えてくれた。なるほど。本当に道のない崖をロープで行くんだ。下降するスタート場所にはスタッフの方がいてくださり、エイトカンのセットができない私にヘルプしてくださった。ありがたい。降り方も動物さんとスタッフの方に言われたとおりに。ちょっと怖かったけれどやるしかないだろう、とエイ!とスタート。上から動物さんが写真を撮って話し掛けたり指示をしてくれるが恐怖が先にたちただ笑うことしかできなかった。言われたとおりにロープを操りながら頑張って下っていく。。途中ガレ場を下ると小さな石が落ちてきた。気をつけなきゃ。なんとか下りきるとロープが突然終わっていた。どうするかよくわからなかったので『どうすればいいのですか?』<-本当に初心者ですみません。とスタッフの方に聞くと『外してください。下に村越先生がいますから。』と言われたので、私が知っているもので外すものといえばカラビナしかないのと、ものすごく緊張していたので、とにかくそれを外せばいいのだとカラビナを外して村越さんが待つところへ一直線。まさかこの行為がとんでもないことだとはその時は全然気づかないのでした…
動物さんはなんでもないように下ってきた。さすがです。そして余裕で写真を撮っています。

激斜面のコンタリングと林道へのアプローチ
沢登り さて、いよいよ沢。約10キロ?廃道がかろうじて残る部分と崖を高巻きにコンタリングしていくか川を歩くか。出発する時に思わず『本当にここを進むの?』と言ってしまった。本当に何もない激斜面。オリエンテーリング用の地図表記ならば、ここは絶対通行不能の崖だらけの斜面ばかり、そこをコンタリングしていく。しかも夜で足場は悪い。それでも一歩一歩進んでいくしかないのだ。
先頭は村越さんで地図を読みながらも通りやすいルートを見つけて進んでいく。その後ろを私が進む。最後に動物さん。ヘッドランプを頼りに進むが半分は足場を予測して進んでいた。これはオリエンテーリングで足場の悪いところをガシガシ進んでいくのに慣れていることが役立った。足元が見えはしないが、多分ここら辺に地面か岩があってそこに着地すればスムーズに進めるだろう。そういいう予測のもと、体のバランスをとりながら進んでいた。こういう感覚は無意識にできているが慣れていない人には大変なのではないかと思った。それとただ1度でも人工壁でのクライミング練習をしたことがとても役だった。体重移動、手足の付き方などまさに練習したとおりのことを実際にやっていた。
途中地図にも載っているワサビ沢を横切る時に滑ってしりもちをついた。びしょびしょ。。動物さんからセームを借りて(自分は忘れてしまった)衣類の水分をふき取った。そのまま本流に流されないでよかったなぁなんていいながらしばし休憩してバクバクものを食べた。トイレタイムもあったり。夜の風景を見ながらちょっとした話をするのも気分転換になる。動物さんはさすがそういうところをよく心得ていてMTBのステージから積極的に話しかけてくれる。疲れているとき、ちょっとテンションが下がりそうな雰囲気の時、察して言葉を投げてくる。3人でよく言っていたのは『私たちで結構厳しいと思っているんだもの後ろのチームはもっと大変だよね』、とか『けが人が出ないのを当たり前としているこのルート設定はすごいなあ』とか。まあとにかくすごかった。(でも楽しかった)
ここでハーネスを外してしまおうということになりそれぞれが外し始めた。動物さんと村越さんが、『リカちゃん、エイトかんは?』、『は??あ、ない、どうして?落としたのかな』。落とすことはあり得ない。考えられるとすればロープから外すときに置いてきたか。良く覚えてないけどカラビナを外したのは覚えてる。動物さんいわく、『僕、降り終わったときにロープの最後にエイトカンがあったのみたよ。親切にスタッフがここで終わりだと教えてくれてるのだと思っていたけれど、それだきっと。まさかチームメイトが忘れていたとは。。』幸い懸垂下降はこれ以上なく、予備の装備を動物さんが持っていたので何事もなさそうですんだが、エイトかんが命綱のおおもとだとは表彰式の時に初めて知ったのでした。

その後2回ほど滑って足場をなくししまい上半身だけ木や岩につかまって宙ぶらりん状態、ヤバイ。そんな時は後ろから動物さんがおしりをえいやーと押し上げて助けてくれた。途中私のペースが落ちたのか先を行く村越さんから離れてしまい、ルート取りが不安になってそれだけで躊躇して進めなくなった。目の前を危険な斜面でも村越さんが通っているのなら自分も安心して通ることが出来る、そんな精神的な支えと安心感があったが、その人影がなくなると一気にストレスがかかって怖くなる。ここでは思わず『もっとゆっくり行って!』と声にした。どうしてそう言うかを村越さんにきちんと伝えたかったのでその後楽に歩けるようになった場所で『もう少しゆっくり行ってくれますか?村越さんの背中でルートどりしているから。いなくなるとわからなくなって怖くて進めない』。ナビをしながら通れそうなルートを探して進んでいる村越さんは大変だと思う。それでも離れないことで安心して進むことができチーム全体のスピードが落ちずにすむのだ。本当はもう少し私がペースを上げられたらよかったのだと思う。
高巻きにしたり河原を歩いたりしているとたまに廃道が現れて少しの間優しい道だーといいながら3人で歩いていった。気を緩めると現在地がよくわからなくなる。地図読みより進むだけで精一杯のところもある。そういうときはわかりそうな地形の場所まで進む、ここで方向が変わる、そういう場所をチェックポイントとして進んでいった。私はと言えば地図は見ていなかったがだいたいの距離と方向と地形は把握するようにして所々地図は見せてもらうようにしていた。

レース慣れと勘
第3ポイントは主沢から枝沢に入って廃道後っぽいところをコンタリングしながらすぐの場所だと思っていた。
主沢から枝沢に入るのはOK,問題は高さだった。ここでは動物さんの高度計が役立つはずだ。そして林道につながる廃道を探せばよいのだ。枝沢を詰めここだと思うところで動物さんが左右を確認しここかもしれないといった。確かに道っぽいし堰がある。しかし村越さんは高度計からの高さとと地形の違和感からもう少し先じゃないかと言い、しばらく登ることになった。さらに急斜面に変わり沢も小さく狭くなって登りやすいは登りやすい。しばらくしてもそれらしい道はでてこない。結局さっきのが怪しいと言うことになって戻ることにした。最初の堰のところに戻ってだめならまた探せばいいしとりあえず行きましょということにして。コンタ沿いに道っぽいところをたどっていくとやがてそれなりに道っぽくなってきた。やっぱりここが正しかった。このロス時間は10-15分ぐらいか?でもこの乗り換えは本当に難しい。多くのチームは手こずったようだった。レース後優勝チームのげんじんさんに、スムーズに林道への道にのれた??どうしてそこと判断できたの?と聞くと、『だいたい高さがあっていたしちょうど堰があった。明らかに人工的な堰があるということは人が作った、そこまで入ってきたと言うことでしょ?、荒れてはいたけれど道っぽかったしそこしかないと思った。』
うーむ、なるほどそのとおりだ。村越さんが研究で、三角点や水準点、神社はどういう場所にあるかを見つけてテストするようなソフトを作っていたけれど、それと同じよう、こういうところにレース慣れと勘が大きく左右されるんじゃないか。そう思うと動物さんの嗅覚は恐るべし。そして我々はまだ不慣れです、勉強になります。

チェックポイント3からいよいよ笹藪尾根へ
コンタリング沿いに進み小道からやがて大きな荒れた林道に出た。途中足先が濡れて冷たくなってきたので靴下を替えたいよしを伝えしばらく止まってもらう。本当は道もペースもよくなってきたのでそのまま進みたかったが、その先のことを考えると今のうちに替えるべきだと判断した。ワラビ沢ですっころんで下半身は結構ぬれていたが、その後休憩を取るということなので取り急ぎ渓流ソックスに履き替える。渓流ソックスはオリエンテーリングで友人が雨の日などすごく有効と聞いていたが思ったより厚くてどんなもんだろうと使っていなかった。今回レース前日に八王子の石井スポーツによって物色していたところ1mmのネオプレーン製の渓流ソックス(メーカー;キャラバン)発見!これなら薄くてシューズにあまり影響なさそう。しかもウェットスーツと同じ素材なのだから安心。(ちなみに店の兄ちゃんは用途を聞いて??という顔をしていたが、アドベンチャーレースと聞いて納得してた。何時間か前、にハーネスを買いにきた人がいてその人も安曇野アドベンチャーに出ると言っていたらしい。誰だったのだろう??)
さすがに24時近くになると霜は降りていてキラキラ光って滑りやすくなるし止まっていると寒い。そそくさ着替えて出発。右斜面沿いに歩きながらふと左の空を見ると雲一つなく半月と星と黒い山々が見えてとても素敵。こういう風景は普通じゃ見られない。感動ひとしお。
しばらく林道を歩いていると遠くに明かりが。前のチーム?いや動かない。ひょっとしてチェックポイント3?枝沢から廃道-林道に乗り換えて安心しているところにいきなり出てくるCP3は結構いやらしい場所にあった。私たちは問題なくパスするが、他のチームでは結構落としていたようだった。
通過時刻が23時40分頃。前の2チーム、トップの東龍門チームはなんと1時間前に通過。この時点で優勝は非常に厳しいと思った。随分離れたなぁ、沢はそんなに遅いとは思わなかったけれど…東龍門のげんじんさんはとても優秀なナビゲーターなのでいくら私たち3人揃っていたとしても1時間追いつくのは難しい。それでもひょっとして万が一のことがあるかもしれないしーと全然マイナスには考えていなかった。大休憩をその先のエスケープルートで取ろうとスタッフの方にそこには誰かいるか聞くと『いないかも、』とにごしていうので、その場でおにぎりを食べたり休憩モードに入った。私はいよいよ笹尾根に入るので、ぬれたジャージを着替えてカッパに、ベストがカッパと汗で蒸れてびしょびしょだったのでそれを脱いでダウンジャケットを来てその上にカッパ。それと耳あてまで出した。動物さんはどういうわけか薄着。ここでやっと2枚目のフリースとカッパを着始めた。いったい何者ですか???

スタッフの方々には寒い中本当にお待ち頂きありがとうござますと言う気分で、『いってきまーす』といって出発。普通に林道を進み、いよいよXX山2000M近くのピークまで登山道を登りそのピークからは道なき尾根を下っていく。 どんどん登っていきながら右手には松本市内の夜景が見えて、なんでこんな時間にこんなきれいな風景を見ているのかしらと不思議だったけれどとてもきれいで疲れも眠気も全く感じなかった。。

真夜中の尾根下り ピーク付近に着き、いよいよ尾根下りへ。だいたいCP4がありそうな場所のめぼしはつけている。え、本当にここを下っていくの?というような1-2の高さの笹尾根をただただ下り始めた。道はない。去年のレースは逆にここのピークまでを下から登るルートだったらしい。それもまた難しい。
真っ暗な中正しい尾根を辿るのは難しい。コースルートもいかにもここでミスをしろとばかりの尾根たどりだし、その方向と下りの斜面は微妙だ。近くも遠くもなかなか見えない。ハンドライトとコンパスで方向、高度計で高さを把握しながら進んでいくがなかなかスピードが上がらない。本当にこの尾根であっているのか? 私はただ2人の後を進んでいくだけだが、地図をメモリーして正しい方向を意識して進むようにしていた。先頭を行く村越さんが若干右の斜面に落ちがちで尾根を外れ、コンタリングして尾根に戻ることを何回か繰り返した。
それにしても暗闇の中でのナビゲーションは難しい。動物さんと村越さんが地図で確認しながら進み、 『本当にここが正しいか?もし間違っているとしたらどこにいることが考えられるか。高さはどうか。』。少しでもおかしいと思えば止まって話し合い、周りの地形と高度計の数字から確認。オリエンテーリングのリロケートと変わらない。ここだと正確な位置がわからないのなら、周りの見える特徴物、今までたどってきたルートから予測をする、もし違っていそうならどこにいるかを同じように考える。こういう考え方はとても大事。
どうしても笹薮の中では3人は離れがちになる。そんな時方向や現在地で意見が分かれるとき、私ができることと言えば、『も一回集まって地図を見ながら確認しませんか?』それだけだった。
途中正しい尾根を下っているつもりでいつの間にか沢に入っていた。ふと左側をライトで照らすと本来出てくるはずのない尾根がででーんと出てきて驚いた。横にいる動物さんに『あれ、尾根ですよね…』といい、下の方にいる村越さんにそれを言うと、あーなるほど、、と自分たちがいる位置を特定した。その後は鞍部でまた自分たちのいる位置を間違て捉え(村越さんのHP参照)、しばらく???な時間が流れるが、上にかいたようにここしかありえないと判断し、そのまま尾根らしい尾根を下っていった。その間、動物さんはリストコンパスをなくし、私はつるつる滑る笹ヤブに幾度も格闘、オシリで滑りながら下ること多数、転ぶこと多数、いよいよ7-10mくらいずるずる滑落し、いやそのときはあーどこまで下っちゃうかなー、やばいかもーと他人事のようにのんきだったけれど、今までにない体験であった。
いよいよやっとナビゲーションの難解なところを通り過ぎて、すこしのっぺりしたところで小休止、星がとてもきれいで、ヘッドランプをけして3人で夜空を眺めた。天の川っぽいのがなんとなくわかるし、流れ星も見た、ラッキー。再びスタートしたが今度は村越さんがコンパスを落とした。すぐに見つかって良かった。私は持っていたコンパス(オリエンテーリング用、サムコンパス)を動物さんに正置するのに使ってと渡した。でも動物さんって正置しないでも地図読みできるらしい。その後ここがチェックポイント4に違いないという尾根のピークに思ったとおりCP4はあった。そのとき3時ぐらい?さすがのスタッフの方達もテントの中で寝ていて、私たちが起こす形になってしまった(お疲れさまです)。CP3で1時間差がついていたトップチームの東龍門からは1.5時間、A&Fチームからは30分。えー、逆にナビで東龍門から30分差がついたなんて。。。。A&Fチームはじゃあ1時間迷ってたことになるの?そして私たちはピークからここまで約2キロ近くの距離を2.5時間もかかっているのか、恐るべし。
なんでもげんじんさんは、きちんと地形図に磁北線を引いていたこと、リストコンパスもしくはサムコンパスを使っていたがどうもずれてしまうのでプレートコンパスに変えたことなど対策を講じたそうだ。いっぽう、こちらは磁北線は引かなかった(松本駅で時間がある時にやっておくべきだったかも)、コンパスもプレートではなくサムコンパスを使っていた、これくらいのナビルートなら問題なしと考えていたことがそのままタイム差に出てしまったと思われる。進む方向より右にずれてしまいがちだったのはこの磁北線の7度くらいの角度が実は影響していたし、サムコンパスとプレートコンパスの差の可能性もある。サムコンパスは親指と手首の影響を受けるからまっすぐ直進は実は難しい。見通しの利かない笹ヤブならなおさらずれやすい。まさかこの夜のナビゲートでそこまで影響があるとは思わなかった。この点については村越さんも大いに反省し次回に向けてまた挑戦意欲をかられたらしい。私たちには実践が足りない。

CP4を過ぎて正しい尾根を下っていくか、いっこうに笹藪はなくならない。足下も倒木があったりで打撲し、滑りながら進んでいく。去年は道があったという動物さんの話だったがまったくなくなっていた。しばらくすると道らしき道がでてきて完全な小道が現れた。これで一安心、あとは林道に出て正しい道を下っていけばゴール。もう優勝はないけど、チームワークもよく眠くもならず事故もなくよくここまでこれたなーと思うと感動。そしてなんだか楽しくなってきた。鉄塔がある分岐からは実は近道があったが、動物さんも私も眠気からかなんなのか変なテンションで叫んでたりして、見過ごしてしまって遠回りの林道を降りていった。この林道なかなか高度が落ちずにただただ距離だけ長くて退屈。それでもレースのことはもちろん、ざっくばらんな話をしながら進んでいった。すでにレースは終了状態。さす村越さんは堅い人なので我々の変なノリにはまるで乗ってこなかった。つまらないなぁ。タジマはいよいよ眠くなってきて走りながらじゃないとダメだーといいながら3人でjogペースで下っていくと下界の明かりが近くなった。
いよいよ会場が見えてきて、駐車場のゴールへ3人で手をつなぎながらゴール!!4時半。わーい、完走だー。先にゴールした東龍門とA&Fチームが来ていろいろ話をしてお互い健闘。彼らはすでに宴会モードでビール飲んでいた。いいなぁ。やっと終わったーという安堵感とチーム競技っておもしろいなーと思いながらチームメイトとお互い握手。 感動です。

表彰式まで
しばらくすると寒くなってきて急いで着替え、お腹がすいているからとそのまま食事を作り3人でガッツリ作って食べる。おにぎりは凍っていた。。温かい物が身にしみる〜〜〜。とりあえずお腹いっぱい食べてそれから温泉がオープンする10時まで仮眠。村越さんと動物さんはテントで。私はちらかっているのをなんとちゃんときれいにしてくれたムラコシカーで寝袋。村越さんありがとう。
車の中は寒かった。。。新潟の地震で避難生活をして車で寝泊まりしている人たちの苦労がしのばれる。何度か寒さで目が覚めたが、それでも横になってぐっすり眠れるなんて幸せだ。まだ多くのチームがレースを続けているのだから。
10時になり温泉オープン。すでに何チームかはゴールしているみたい。起きて3人で疲れた体を癒すべく直行。あ〜芯まで冷えていたのが温まっていく〜〜。お風呂から出てやっとビールじゃと動物さん、村越さんと3人でエビスでお疲れさま〜と乾杯!その後げんじんさんやらA&Fの人たちやらわいわい集まって、あそこはどうだった、ここは?へーとコースのことやいろいろなことを話して盛り上がっていた。ああこういうのいいなぁなんて思った。
一段落してまたご飯を作り出した。食材は余るくらいかなぁと思っていたが食べる、食べる。ちょうどいいくらい。そのうち片岡ゆっきーチームも帰ってきて一緒に混ざってご飯を食べる。いろんな話をしながら楽しく。
それぞれかかった経費の精算を。食料から参加費から何やら。村越さんが食料のレシートを見ながら『いいよ、ドライ納豆は引いておくから。。。』といったのが面白かった。
表彰式は14時からというので、それまではのんびりと。そういえば忘れてきたエイトカンを返してもらわなきゃ、、と本部に行くと、『あるけど、いやまだ返すわけにはいかない』と言われてしまった。あーあー、そりゃそうかもしれないなぁとあきらめた。
表彰式会場に行くと多くの参加者が横になって寝ていた。一種異様な風景かも。会場横には賞品と思われるグッズがたくさん!

表彰式;混合2位、総合3位、アホで賞受賞
いよいよ表彰式!主催者によると全34チーム中完走できたのは12チーム。まだ2チームが山の中にいて1チームは完全に遭難、スタッフが全力で探している、でも携帯電話がつながって現在地はわからないが高度計があって高さはわかるのでなんとかなりそうだということ。もう1チームは途中メンバーが2人と1人に別れてしまい、結局最後まで別れたままゴールしたらしい。半数のチームが12時過ぎにゴールとかなり厳しいレース展開になったようだた。また終電で新しましままで行き、懸垂下降地点でタイムオーバーとなることから棄権すると判断して始発でまた新しましまから帰ってきたチームもありそれぞれのチームにドラマがあったようだ。
私たちは総合3位、混合2位。総合優勝は東龍門、2位はオープンチームながら男性2人のA&Fバスキュー、そして3位は私たち。好きな賞品をそれぞれ選ぶ。私はトレイルシューズを買おうとしていたところ、ちょうどいいサイズのシューズをゲット。村越さん、動物さんはザックを選んだ。
アホで賞受賞。。。 男性チームより混合チームが速いのはどうしてだろうと村越さんと話をした。たぶん役割分担が明確になるからやりやすいんじゃないですかねえなんて言っていると、重鎮さん(池田さん)によるあの有名な『アホで賞』の授賞式。私には無縁の賞だと思っていた。動物さんらがリカちゃんじゃないの?なんて朝から言っていたが、エイトかん忘れじゃ無理、無理と否定していのだけど。
重鎮さんチームがゴールしてすぐで表彰式が始まり、選考している時間がなかったので主催者からこの人に、、ということになり、ああ、タジマが栄誉ある『アホで賞』を受賞してしまったのでした(実は他に適任の参加者いたと思うんです。(スタート直後に膝のお皿をわったまま痛みをこらえて60kmのMTBステージ完走しちゃったとか)。まだこの時私はエイトカンがいったいどういうものかを理解しておらず、どうして私なのーという感じだったがみなさんは笑っていてアホ、アホ言っている。。主催者の小林さんからエイトカンは絶対肌身離さないこと、今後は気をつけるようにとコメントいただき、村越さん、動物さんからは、命綱に不可欠なものと教わった。なるほどー、無知って恐ろしい。。
その後、全てのチームに賞品が行き渡り、また村越さんがコースの総評(え、偉そうだ)と全日本大会の子宣伝をし、主催者からの挨拶の元、おひらき。終わったー。

安曇野ADRざっと反省
MTBの基本技術(登り、下り、ギア)の習得
装備最終確認をお互いにする
自分はMTBを含めもう少し事前練習するべきだったと反省(今回はオリエンテーリングイベントが直前にあったので仕方ないのもあるけど)。あまりに乗りなれていない。
使用する器具の熟知(エイトカンがなんなのかを理解しようとしないまま2人に任せていた->11/3の時点ではエイトカンを使った練習はしなかった。チロリアンブリッジがあるとは知っていたが、懸垂下降の情報はなかった)
どれくらい走るか、負荷を上げるのか様子を見ながらだった(山の上で動けなくなるとまずいし)。自分でもどれくらい動けるか見当がつかなかった。トレッキングの始め&終わりはもっと走った方がよかったの?
場合によってはプレートコンパスの使用
磁北線の記入
予備コンパスを持つ
路線バス、電車等事前準備不足でご迷惑をかけました
積極的に水分・補給食を取ったので思ったより元気だったのかな?
セーム(水泳の時に使う簡易タオル)は便利。忘れてすみません。
クライミングの練習を一度でもしておいてよかった。本番に役立った。
渓流ソックスはお勧め。(1mmがよい)
村越さんも私もレース慣れしていない。動物さんのフォローに助かりました。
装備についても動物さんがいてくれて用意をほとんどお願いしてしまいました。次からは自分たちで用意できるようにしなくては。
多分ありえないかもしれないけれどチームメンバーが離れてしまった時のために(今回のターザンのように)予備地図を私も持っていたほうがよかったかも。
食事は買いすぎ?かと思ったがちょうど良い量だった。
ドライ納豆はいらない(嫌い)。甘栗は思ったより食べられた。
ジップロックのビニール袋があると便利。補給食など全部混ぜて1つの袋にいれておけば適当につまめる。(動物さんから教わった、しかし今回もってこず。ハトリ地図ビニのあまりがあったのにー)
移動中おにぎりを食べるのは苦手。代りのものを用意しないとおなか空いちゃう(カステラなど助かりました)ので工夫しなくては。
昼も夜も天気が良くて助かった。夜着るものも準備した通りですみました。あれで雨だったら最悪。
荷物を持ってくださったので負担少なくなり助かりました。なので全般的に元気だったのでしょうか。
休憩をせずに(止まらずに)地力をつけるようにすること。今回の休憩は正しい判断
いろいろと教わり勉強になりました。動物さんと村越さんのおかげでとても安心して(精神的にも)レースに臨めました。感謝です。
でも動物さんはアドベンチャーレース初心者の我々に随分気や労力を使っていたかも?すみませぬ。
たぶん村越さんはまたチャレンジしたいはずだ。特にナビの部分でもチャレンジしたいと思っているに違いない。
私もまたチャレンジしたい。もっと強くなりたい。

オリエンティアから見たアドベンチャーレースの世界