「私の履歴書」ですが、ヨネックス会長の2005年4月28日の「株式上場」と題した回はいけません。
以下引用しますと「役員が会社に住んでいて何が悪いのか。どうして、それで上場の資格がなくなるのか。空きスペースがもったいないから有効に使っているのではないか。極めて合理的ではないか。」とのことですが、
役員が会社の所有区分内に住んでいるとなれば、関連当事者との取引になりますから、まず確実に証券会社による引受審査の段階からひっかかるはずです。しかもこの役員はオーナー社長の弟です。近隣の不動産賃貸情勢と比較して適正な対価を家賃として会社に支払っていたことを証明できない限りは上場審査はアウトですし、通常は解消を求められるべき取引です。ワタシでも「これで上場しようって言うんですか」と言うはずです。何が悪いのかと言いますが、確実に悪いです。上場の資格はありません。
この会長氏は「品がない」との言われ方をして激怒したと書かれていますが、ワタシはこの会長が、上場審査上問題のある取引であると指摘されたのにその意を理解できなかったのでそういう捉え方になったのか、あるいは当時の主幹事証券の公開担当者が気を遣ってそういった言い方でたしなめたところが却って逆効果だったのか、のいずれかではないかと疑っています。いずれにせよ主幹事から外された当時の山一證券担当者が気の毒でなりません。
「合理的だから」を旗印に上場審査基準に従おうとしない上場準備中の社長(会社)にこれまで数多く出くわして来ました。ヨネックスのこの会長もそういう人、というレッテルをワタシの中では貼っておくことにします。この会社のモノは二度と買わない。
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