"Departure"
薄暗い地下駅。向こうの暗闇から低い音が聞こえてくる。遠くのヘッドライトが近づいてくる。目の前の空気を切り裂き、ホームに列車が滑り込む。薄暗いプラットホームに列車の窓から暖色系の車内の灯りがこぼれる。 この家族にとってこの列車は日常生活の一部ではなさそう、そんな感じがした4つの背中。いつもと違う、待つことの、そしていざ列車が来たときの期待。これから始まるいつもと違う世界。 やがて、この列車は地下を抜けて、この家族の、あるいはほかの乗客たちの目的地へ走っていく。それぞれの生活や思いを乗せた1本の列車。
ウィーン・ミッテ駅にて
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