国鉄のグラーツ駅から旧市街まではトラムで10分ほど。旧市街の周りに近代的な建物が建ち並ぶ新市街という光景はヨーロッパではごく普通の風景。
往きのトラムの中からちらっと見えた教会が気になって、帰りは駅まで歩いてみた。新市街の真ん中に、赤茶色の屋根をいただく黄色い教会と、にぎやかな色合いの民宿と、レンガ色のアパートメントが連なる、とてもメルヘンチックな一角があった。ただ、人気は少なく、ここから左手の道路にはゴミが散らばり、停めてある車も何となく古めかしいものが多い。近くのバーからは何人か革ジャンを着た若者が出ていった。
ヨーロッパの街らしい旧市街というわけでもなく、かといって新市街の街並みでもなく。絵のようなメルヘンチックな街並みが妙に浮かび上がる、ヨーロッパらしくないダウンタウンといった感じの街並みだったけれど、旧市街の街並み以上に印象深い街角だった。

グラーツにて