"die Phantasie"

雨の降る夕暮れ、蒼い空に浮かび上がる中世のような街並み。ただ冷たい雨と現代の電灯、道を行く車のランプが現代の現実であることを思わせるような、不思議な時間。
この街に住んでいる人にとっては普通の街なのかもしれない。でも、この街を訪れそして時が来れば去ってゆく旅人にとっては、この街はまさに幻想そのもの。そして、日常から抜け出す旅そのものが、人の幻想なのかもしれない。
幻想に満ちた旅も、いつしか終わりを迎える。

オーストリアコンチェルト・完