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この国へ来て、
暖かい冬の、乾いたどこまでも高い空に、
心も澄み渡り、軽く、大きくなったような気にさえなった。

乾いた空、何も混じっていない空気、どこまでも透き通るような透明性。
炭酸のように吹き抜けるドライな風、昼間の太陽に火照った頬を冷ます風の冷たさ。
からっぽの空っ風、雲ひとかけらすら、何の潤いもない淡泊な空。

ドライな空、ドライな人
ドライという名の爽快、ドライという名の渇き
ドライという名の身軽さ、ドライという名の冷淡
ドライという名のプライバシー、ドライという名の孤独と無関心

オモテウラな「ドライ」な空に思い描く人間のわがまま、そして迷い。