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透き通ったビルのガラスは、こちら側の空を映し、向こうの視界を遮っている。
高く成長した街は、陽が傾くと、明かりが灯るまで、ジャングルのように暗くなる。
シドニーのごくわずかの自由も残りが少なくなってきた。
ビル街を縫うモノレールでミーティングポイントへ急ぐ。
2つ3つ隣のストリートにさしかかったとき、道と太陽の方向がぴったりと合った。
黄色い夕陽の方に、道行く人や車のシルエットが浮かび、シティホールの輪郭がまばゆく光っていた。
ものすごく、悔しい光景だった。
僕の旅は、まだ終われない。