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この国で現実に驚き戸惑うのは
すれ違う人々の多彩なところ。
白人が中心、というのももはや幻想とすら感じる。
この国は依然、羊とカンガルーの国ではあるけれど、もはや白人の国ではない。
何事もなかったかのように淡々と全てを受け入れ、
あるいは何もかもを受け流し、表情を変えていく。
誰もが堂々と自分の国のような顔をして歩く。
たとえ雰囲気が似ていても、どこか白人の強さを感じさせるヨーロッパとはやっぱり違う無国籍な感じがするのは、眩しい太陽と簡素なつくりの街以外に、そんなことのせいかもしれない。