焦 

 赤く陽に焼けた恰幅のいい船乗り。
 都会の港のような荒くれ者の面影はない。
 そこにあるのは、海に恋焦がれる男の、果てない想い。
 ただ恋と違うのは、ひとかけらのせつなさもないこと。