away... 

 スヴェンボーのこぢんまりとした旧市街を抜けて、港へ出てきた。
 ゆるやかな弧を描く湾に出て、海を見た。
 そのゆるやかな弧の先に、さらに広がる街並みを見た。
 スヴェンボーの街は、今まで見てきたレンガとティンバーハウスの
 街並みだけではなかった。
 遠いけれど、海の向こうに確かに新しい世界が見える。
 人間が大空以上に大海原に抱くロマンとノスタルジア、
 ゆったりと流れる時間の感覚と、
 「遠く、しかし確実に見えている」パースペクティブにあるのかもしれない。
 空を飛ぶことでは決して得られない、独特の想いがあるはずなのだ。