忘れた頃に 

  
人気のない旧市街の土曜の午後、
少ない通行人を見つけてはカメラのフィルムに写し込んでいく。
待ち疲れ、途切れた人並みに、半分諦めて半分ほっとして
広場に面した小さなカフェが開いているのを見つけた。
気分はもうすっかりカフェに並ぶケーキに向いてる。
と、その途端にドアの外で小さな姉妹の声がした。
求めるものなんて追いかければ追いかけるだけ
つかまらないものなのかもしれない。