ゆるやかなカーブ 

  
時代とともに街の表情たる建物たちは移り変わっていく。
ただ、道筋だけは街の生まれたときから変わらないという。
道筋が、交差点がその街だけの表情をつくりだすひとつの要素。
目的地までの移動ルート、その機能だけを考えれば、
道なんてものは真っ直ぐがいちばんなのかもしれない。
向こうの方へ、ゆるやかなカーブを描いて通るこの道も、
そのカーブが出来た理由は分からないけれど、
古い建物がそのカーブを包んでいるように、
何百年と変わっていないはず。
この道がゆるやかなカーブを描いているように、
人間も、そして何事も合理性だけが全てではないような気もする。