ピクチュアレスク 

 誰もいなくなった夕暮れの砂浜、
 うちよせる波がならしていった波打ち際、
 聞こえるのは波の音だけ、
 そこを犬が駈けていく、遅れてふたりも歩いていく。
 犬に驚き、佇んでいた海鳥が弧を描いて次々と飛び立つ。
 まさに画のような世界。
 何というのか、背筋が震える感じ、
 無心でシャッターを押し続けてしまう感じ。
 シャッターを押す瞬間に手応えを感じる写真なんて、
 そうめったに逢えるものではない。
 ま、そんな写真によけいな言葉はいらなかったかも。