１９９３年１０月の記録

　この日から旅行貯金を始める。 とりあえず岡山大学に一番近い「岡山津島郵便局」へ行き、旅行貯金用の通帳を作る。 通帳ができてきてからおずおずと
「ここに郵便局の名前の入ったスタンプを押してくれますか？」
と頼み、ゴム印を押していただく。次に
「あと、ここに赤い判子（当時は主務者印などという呼び名は知らない）を押してください」
とお頼みして、無事旅行貯金の第１歩を踏み出す。

　この後は、まだ市内のどこに郵便局があるかなどまったく調べていなかったので、とりあえず岡山駅前へ自転車を走らせると「岡山駅前郵便局」があったので、おもむろに入局。 ２度目からは先ほどのような「判子押してください。」などと言わなくても、判子を押して下さった。

　郵貯にはまって２日目。 この日は学科の友人と牛窓までドライブに連れていってもらい、その途中にある郵便局に寄ってもらった。 昨日同様、まったく下調べなどしていなかったので、訪問局も牛窓へ向かう途中の県道沿いの局ばかりとなる。 ちなみにこの友人には今後も幾度となく郵便局に付き合ってもらい、さらに彼が卒業する際に愛車「ワークス」を譲ってもらった郵貯の大恩人である。

　郵貯３日目。 この日はどういういきさつか覚えていないが、鉄研の宇和川氏に付き合ってもらい、自転車で岡山市内中心部を回る。 初めての分室、中央局訪問を果たすが、岡山中央郵便局では主務者印を押し忘れられてしまった。

　郵貯４日目。 体育の日の３連休明けであるが、今となっては全く記憶がない。 やはり５年も経過してから当時を思い出すのは至難の技だぁ。 この日の夕方から鉄研の先輩たちと紀伊半島一周ドライブに出かける。

　紀伊半島一周ドライブの途中に訪問。岡山を前の日の２２時頃出発し、夜通し走りつづけて紀伊勝浦にたどり着く。
「漁師直営の新鮮な魚が出てくる店で食いたい」
という先輩の強い意向で、勝浦港のすぐ傍の定食屋で朝食。 店内にはネコがうろうろしていた記憶あり。 その後那智の滝を見物してから、「瀞峡に行こう」ということになり、新宮から熊野川を上流へ遡る。 途中、国道沿いに日足郵便局があったので強引に止まってもらい岡山県外初郵貯となる。 瀞峡への道は、最近は新道ができて楽になったが、当時はガードレールもない１車線国道で、四苦八苦であった。 変な山の上の展望台から瀞峡を眺め、ここでもまた頼み込んで瀞郵便局に行ってもらう。 近辺には民家は殆どなく、観光船の発着場が近くにあるのみだが、しっかりとした特定局であった。

　この後は「伊勢に行って夕日を見よう」となり、恐ろしい程の山中を走り、途中道沿いの郵便局を訪問する。 尾鷲に昼過ぎ頃着いたので、中華料理屋で昼食をとり、尾鷲郵便局に寄ってもらった後、一路伊勢を目指す。 国道沿いに偶然あった難読局慥柄（たしから）郵便局、穂原郵便局を訪問し、１６時を回る。
その後は伊勢で夕日を見て、名阪国道と国道２号をひたすら走って未明に岡山に帰ってきた。

　当時はとっても若かったのであろう、今朝紀伊半島から帰ってきたばかりなのに、今日は鉄研の横井氏、宇和川氏と車で犬島へとドライブに出かける。 ここでも横井氏にお頼みして、犬島に行く前にちょっと郵便局を回っていただいた。 今は廃局となった岡山馬屋上郵便局や、初の簡易局訪問となった福田簡易郵便局などをめぐる。 最後にこの日のメインイベント、犬島訪問となる。 この島には銅の精錬所跡があり、そこをドラマ「西部警察」がロケに使って爆破したらしい。 宇和川氏は「太陽にほえろ！」の石原裕次郎ファンであり、このロケ地訪問が目的であった。 私はというと、やっぱり郵便局訪問が目的だった。

　宝伝という小さな港に車を置き、犬島への渡船に乗り込む。 １０分程度で犬島へ着き、とりあえず備前犬島郵便局を訪問する。 郵便局の裏がちょうど精錬所跡となっており、とりあえず見学する。 昼も過ぎたので港のほとりにあった飲食店で昼食を食べ、横井氏、宇和川氏はもう一度島内めぐりに出かけるが、私は昨日までの疲れと眠気で、渡船待合室で爆睡する。 その後は渡船で宝伝に戻り、おとなしく帰ったようである。（記憶がない）

　どうでも良いが、備前犬島郵便局、水門郵便局、朝日郵便局の局番はそれぞれ１００番おきであった。

この日は岡山の祖父の家から車を借りて、初の１人で車郵貯となる。 何故か祖父宅最寄りの岡山古京郵便局には寄らず、岡山東郵便局から始め、山陽町方面へと車を走らせる。 可真郵便局ではゴム印にりんごと桜（？）が入っており、初の宝のスタンプをゲットする。 なにも考えずに車を走らせ、備前瀬戸郵便局で通算５０局を迎え、美作県道を北上して仁堀郵便局で１６時を迎える。 この局はバス停名に「仁堀局前」というのがあるが、局自体は少々離れた所に立地していた。 ちなみにそのバス停のすぐ近くにへんな空き地があり、恐らくそこが昔の局舎だったのか、と思わせる。

　１０月１５日で、はまってからの連続郵貯は止まった。 なんでそんなに暇だったかと言うと、前期試験の試験休みだったからであり、１６日以降は授業が始まってしまった。 そのため一気にペースダウンし、この日も授業の合間に自転車で１局訪問したのみであった。