2002年11月の記録

郵貯日 普特 中央 簡易 分室 出張 年合計 通算合計 非扱 非扱計 地域 交通手段
11月25日 14 20 383 6550 160 鹿児島
合計 14 20 1日平均(30日) 0.66局

2002年11月25日(月) 加計呂麻島上陸の巻

79033 諸鈍郵便局 8:55  6531  大島郡瀬戸内町諸鈍345-6
79032 押角郵便局 9:20  6532  大島郡瀬戸内町押角
79031 西阿室郵便局 9:45  6533  大島郡瀬戸内町西阿室2-1
79030 実久郵便局 10:10  6534  大島郡瀬戸内町瀬武170
79711 嘉鉄簡易郵便局 11:40  6535  大島郡瀬戸内町嘉鉄268
79027 瀬戸内阿木名郵便局 11:55  6536  大島郡瀬戸内町阿木名149-1
79713 勝浦簡易郵便局 12:00  6537  大島郡瀬戸内町勝浦234-1
79740 節子簡易郵便局 12:15  6538  大島郡瀬戸内町節子418
79026 御来局記念 古仁屋郵便局 12:45  6539  大島郡瀬戸内町古仁屋8
79029 阿鉄郵便局 13:00  6540  大島郡瀬戸内町阿鉄
79025 篠川郵便局 13:10  6541  大島郡瀬戸内町篠川
79712 古志簡易郵便局 13:25  6542  大島郡瀬戸内町古志268
79024 久慈郵便局 13:40  6543  大島郡瀬戸内町久慈543-1
79023 西古見郵便局 14:00  6544  大島郡瀬戸内町西古見兼久56
79021 名柄郵便局 14:35  6545  大島郡宇検村名柄1237
79022 阿室郵便局 14:55  6546  大島郡宇検村阿室
79019 宇検郵便局 15:15  6547  大島郡宇検村湯湾9
79703 芦検簡易郵便局 15:25  6548  大島郡宇検村芦検565
79020 宇検久志郵便局 15:40  6549  大島郡宇検村久志254
79716 今里簡易郵便局 16:00  6550  大島郡大和村今里476
 「この島は大きいから1日じゃ回れんよ」とレンタカー屋の方に言われたのは今から約8年前のことだ。あの時は1995年の正月初営業日に夜行フェリーで上陸して大雨の中を巡ったが、結局島内48局中29局に終わった。今回はこの残りと加計呂麻島を巡る計画だ。8年越しの奄美大島完訪を果たすべく、11月24日のJASの奄美大島便に乗り込んだ。JASのバースデー割引を使って往復2万円だ。去年の12月から始まったサービスなので、この恩恵に与る順番がビリになってしまった。この日は誕生日当日だったため、機内でバースデーカードを頂いた。

奄美大島北端:用の集落
笠利崎に近い「用」の集落
ご覧の通りの曇天だった。

 奄美に着いてみると物凄い強風が出迎えてくれた。前回の訪問は往復共船だったので奄美空港は初めての利用だ。前回は大雨だった事を考えると少しはマシだが、空もどんよりと曇り空だ。レンタカー屋さんによると今年の11月は晴れたのは数日しか無かったとの事だ。この日は日曜日のため、ひとまず8年前に訪問した郵便局の写真でも撮ることにした。島の北端の笠利崎にも行ってみたが、物凄い強風で飛ばされそうだったので、灯台へは行かなかった。郵便局の方は流石に記憶から消えている郵便局が多く、中には局舎の前に辿り着いても「こんな局舎だったっけ?」などという局もある始末。前回が大雨のため、局舎をしっかりと見ていなかったためか?しっかりと写真に収めておき、これでしばらくは覚えているだろう。節田簡易郵便局は前に行ったときは掘っ立て小屋のような局舎だったが、何時の間にか綺麗な局舎に立て替えられていた。ここは局の存在を知らず、赤木名郵便局の局員さんに教えていただいた局だった。土砂降りの中、受託者さんの昼休み待ちをした記憶がある。

戸口簡易郵便局
戸口簡易郵便局
まったく記憶なし。もしかして
移転したのかな?

 今にも降り出しそうな空かと思ったら青空もときたま垣間見えるという、なんとも移ろい気味な天気が続く。全く記憶に無かったため、ちょっとわき道にそれるが戸口簡易郵便局も見に行ってみた。途中に巨大なディスカウントストアーが立地していたのは驚いた。戸口の集落に入っても場所が分からず、うろついていると看板を発見できた。しかし局舎を見ても全く記憶が蘇ってこない。困ったものだ。いそいそと局舎の写真を撮っていると、近所で遊んでいた子供たちが集まってきてしまった。「おじちゃん何してんの?」何!?おじちゃんだと?「郵便局の写真を撮ってるんだよ〜」とにこやかに対応するが、おじちゃんと言われたのは堪えた。もうそんな年なんですかね。誕生日当日というのも手伝ったのか考えさせられた。近くの川で釣りをしている人がいたので、しばらく見物して集落を後にした。

嘉渡簡易郵便局
嘉渡簡易郵便局
私が知る限りトップクラス
の発見難易度を誇る局だ。

嘉渡簡易郵便局裏側
裏側から見たところ。これで
簡易局と分かる貴方は凄い

 まだ時間があるので、名瀬に向かう国道を行かずに、半島をぐるりと北へ回ってみることにした。国道ならトンネルで30分もかからず名瀬に着くだろうが、北周りだと県道で山道なので1時間はかかるだろう。龍郷湾の綺麗な景色を見ながら県道沿いの郵便局の写真を撮る。円簡易郵便局はめずらしく記憶通りの局舎だった。ここは確かコーヒーを勧められた局だ。この次の集落にある嘉渡簡易郵便局もまた印象に残る局だ。旧道に面した集落の中にあり、しかもその道に背を向けて建っているのだ。前来た時は豪雨の中だったので、何回道を聞いても分からなかった。旧道の曲がり角にある商店の前にあるので、それが目印になる。入り口は倉庫で半分隠れているので、ポストが無ければまず気付かない。小腹がすいたのでこの商店でパンを買ったが、店の人が留守のようで、お留守番の中学生の娘さんが出てきた。11月ともなれば日も短く、そろそろ辺りも暗くなってきた。今日の宿は古仁屋に取ってあったので、あまり道草している場合でもない。記憶に無かった秋名郵便局を眺めて大熊峠の山道をひた走る。途中、名瀬港と市街地を見下ろせる展望台があったので寄り道してみた。ちょうど雲の切れ間から夕日が差し込んでいた。さっさと古仁屋へ向かえばいいのに、ここでもまた郵便局を見物してしまった。浦上郵便局は局舎を見ても記憶が無く、本当に訪問したのか心配になるほどだった。ここは2階がアパートになっていて、外観は簡易局そのものだ。

名瀬港の夕日
展望台から眺めた名瀬の夕日

浦上郵便局
浦上郵便局
2階はアパートになっている。

 車は名瀬の市街地に入った、と思ったら道を間違えてしまい、国道58号のトンネルをくぐって大勝の集落まで戻ってきてしまった。さっき見た大きなディスカウントストアーを見て初めて道を間違えた事に気付いた。このお陰で日も暮れてしまい、郵便局写真撮影は終了となった。まだ名瀬市内の郵便局を撮りたかったのだが。国道を引き返し、名瀬市内を通り抜ける。その際、移転改称した永田橋郵便局の場所を確認しておいた。前に来たときは名瀬伊津部郵便局だった。今回の予定ではここが最後の訪問局になる予定だ。ここからはまじめに国道58号線をひたすら走る。地図などには名瀬港から古仁屋まで約70分とあるが、これは決して余裕を持って書いてある訳ではなく、実際にそれ位かかる。大きな島なのはもちろんだが、地形が非常に険しいのも手伝っている。真っ暗な山道を延々と走るが、時たま集落がある以外は全くの山だけだ。19時を回った頃、ようやく古仁屋の街が見えてきた。古仁屋郵便局の前に車を停め、今日の宿に連絡を入れて場所を教えてもらう。宿は港のそばにあり、明日は朝一から加計呂麻島に渡るのでちょうど良い。一度宿に入ってから近くの店で夕食を採り、地元の雰囲気を確かめるためにパチンコ屋を視察し(笑)、しっかりご祝儀を頂いてきた。さて、寝るか・・・という訳はなく、これから明日の郵便局の下見に出かけてしまった。集落の細い裏道沿いにある嘉鉄簡易郵便局節子簡易郵便局は下見しておいてよかった。途中、山道で車を止めて空を眺めると満天の星空を見ることができた。これなら明日は晴れだろう。しかし本当に真っ暗闇で、あまり長く居ると気が変になりそうな程だった。こんな真っ暗闇は街暮らしをしているとなかなか体験できないだろう。小1時間ほどの視察を終え、宿に戻って明日の準備をして就寝した。

加計呂麻島へのフェリー
古仁屋港に入港するフェリー
後ろの島影が加計呂麻島だ。

 明けて11月25日の月曜日。明け方ににわか雨があったようで地面が濡れていたが、空は薄曇りの朝だった。宿で朝食をいただいて8時前には出発した。出発と行っても駐車場の目の前が古仁屋港で、ものの100mほどで港に着く。しかし加計呂麻島行きのフェリーはどこで待っていれば良いのか何も書いていない。とりあえず旅客待合所に行って聞こうとしたが、船会社の人らしい人はどこにも居ない。一般の方に聞くと漁協らしき建物で切符を買うのだそうだ。早速行ってみるがまだ閉まっている。ここでも再び人を捕まえて聞いてみると、朝一番の船だけは船内で切符を買うのだそうだ。それ以降の便ならばここで切符を売るらしい。という事で船が着くと思われる岸壁の近くで車を停めて待機する。やがて加計呂麻からの船が入ってきた。朝の便という事もあって通学する学生の姿が多い。車と人が全て降り、大きめのトラックを先に載せた後、私の車が最後の搭載となった。バックでの搭載なので、一番最後に搭載した車が一番に降りられる寸法だ。

加計呂間島池間港のバス
池間港で待機する島内バス
船のデッキから撮影。
時刻表が欲しかったが無いとの事

 船内で航送券を購入する。行きは古仁屋→池間(いけんま)、帰りは瀬相(せそう)→古仁屋で港が違うのだが、往復扱いにしてくれるそうだ。船は定刻通り8時10分に出港。乗客は20人ほどだったろうか。相変わらず強風だが、空は晴れて日が差してきた。やはり太陽の光が当たると海の色が非常に綺麗だ。せっかくなので20分の航海の間、甲板で海を眺めて過ごした。やがて池間港が見えて来た。港には島内の路線バスが列を成して待っている。ワゴン車での運行だが、経路が細かく設定してあって、ほぼ全ての集落を網羅しているようだ。時間があればこのバスを使って郵貯するのも良いかも知れない。後で時刻表をもらおうとしたが、バス停に書いているのしかないとの事だ。船から車を降ろして、池間港の待合室に寄り道してみた。目を引くのが瀬戸内町が設置したインターネット用のパソコンだった。過疎地の情報インフラ整備の補助金か何かで設置されたものらしい。ちょっとだけいじらせてもらった。帰りの船は瀬相港を10時55分発なので、およそ2時間で加計呂間島内の4局を回る計画だ。

諸鈍郵便局
諸鈍郵便局
のどかな雰囲気の中に丸ポスト
が良く似合う。

 まず目指すは島の一番南に位置する諸鈍郵便局だ。港の敷地から出ると道が山の斜面をまっすぐ登っていく道があるので、そちらに進む。「諸鈍ディゴ並木」の方向だ。立派な道で山を越えると島の反対側に出て、諸鈍の集落に入る。しばらく道なりに行くと右手に諸鈍郵便局があった。しばらく局前で待って9時前に局内へお邪魔した。9時前だったが処理をして下さった。実に3ヶ月ぶりの郵貯で、恐らく自己最長記録だろう。また奄美では約8年ぶりの郵貯だ。続いては押角郵便局だ。先ほどの池間港まで戻り、県道を海沿いに北上していく。奄美大島と同じく、加計呂間島も山がちな地形が続き、峠、浜、峠、浜・・・が繰り返されていく。途中に集落はほとんど無く、忽然と現れたキャンプ村が目を引いた。やがて押角の集落に入るのだが、県道沿いには郵便局が見当たらない。これは裏道沿いだと判断し、押角小学校の前に車を置いて歩いていくことにした。こういう漁村の裏道は恐ろしく細いので、歩いていった方が早い場合が多い。

押角郵便局
押角郵便局
裏道沿いの橋の袂にある。
局前の道は狭いので車では辛い

 押角の裏道を歩いて行くとやがて小川の端の脇に押角郵便局があった。案の定、道は異常に細いがここも集配局だ。ちなみに加計呂間島内の4局は全て集配局だ。貯金をお願いして局を後にした。再び県道を北上していく。途中、呑ノ浦という場所があったが、入り江の風景が大変綺麗だった。やがて瀬相の集落に入った。ガソリンスタンドや病院もあり、割と大きめの集落だが、ここには郵便局は無い。次の西阿室郵便局はここらか山道を越えて島の反対側に立地している。道路標識に従って山道へと入るが、これが想像以上の悪路であった。途中で工事をしていたので将来的にはいい道になりそうだが、今は細い細い。10分ほど走ったろうか、やがて西阿室の集落が見えてきた。大きなガジュマルの木を見るとやはり南の島に来ている事を実感できる。西阿室郵便局はこの道の一番奥にあり、隣には先ほど見た路線バスと、大きな屋根付きの土俵があった。そういえば、昨日も土俵をあちこちで見かけた。

西阿室郵便局
西阿室郵便局
今回の中で一番印象に残った
局舎だ。ガジュマルの木と土俵
も印象的。

 局内に入ってみると、元気のいい主任さんが対応してくれた。あれやこれやとお話して局を後にした。印象的な〒マークと局舎に掛けられた大きな時計、そして局前のガジュマルの木と土俵。印象に残る局舎と雰囲気だった。ここは夕日が海に沈む町として有名だそうだ。少し海を眺めてから集落を後にした。この時点で9時45分。あと1時間余りで残り1局なので、これなら何とか行けそうだ。最後の1局は島の北にある実久郵便局だ。郵便局名は実久だが、瀬武の集落にあると先ほどの主任さんがおっしゃっていた。この区間が今回の加計呂間島内で最長区間になる。一度瀬相まで戻ってきて県道を北上していく。やがて道の左手に大きなガジュマルの木があり、その下に「実久郵便局」という看板が出ていた。例によって道が細そうだったので、車を木の横に停めて歩いていくと、小さな坂の途中に割と新しい局舎が見えた。集配局らしく荷降ろし用の施設もあり、島内4局で一番立派だ。

実久郵便局
実久(さねく)郵便局
集配局らしい局舎だ。
これにて加計呂麻島完訪。

 実はここまで3局全てで風景印のありかと尋ねていたのだが、いずれも配備していなかった。できれば加計呂麻島から葉書を出したかったのだが、最後の望みのこの局にも無かった。帰ってから調べてみたのだが、奄美大島全体で3局しかないようだ。こんなに風光明媚な地なのに不思議な話だ。九州には風景印が少ないとは聞いていたが、ここまでとは思っていなかった。エコー葉書もなさそうだったので、貯金だけお願いして局を辞した。これで加計呂麻島を制覇したことになる。船まで40分余りあるので、さっきとうって変わって穏やかな運転で瀬相の港まで戻る。この島最大と思われる診療所のそばに瀬相港がある。少し早めに着いたので待合室に行って乗船受付を済ませる。ここにも例のインターネット端末が置かれていたが、ここは電源が入れられていなかった。外で車を載せるために待っていると、やがて船が入港してきた。

瀬相港に入港する加計呂麻フェリー
瀬相港に入港するフェリー
郵便局カーがスタンバイ(笑)

 船が着岸すると車が全て降りたのだが、その直後に岸にいた車が一斉に船に乗り込んでいく。しかもバックではなく前進でどんどん入っていくではないか。これはモタモタしていると載れなくなると思い、負けじと乗り込もうとしたが止められてしまった。どうやら今乗り込んでいる車は荷降ろしのための車だそうだ。しばし待っていると荷降ろしの車は全て降り、結局バックで乗り込んだのは私の車1台だけであった。帰りの便は10人程の乗客を乗せて出航。相変わらずの強風の中、約25分で古仁屋港まで戻ってきた。船から下りると一目散に古仁屋郵便局へと向かった。場所は心得えていたのですぐに到着できたのだが、局内に入ってみるとなんと14人待ちではないか!これは参った。ここで時間を取られては後の計画に響くため、ここは一旦退却して他を回ってから再び来ることにした。

嘉鉄簡易郵便局
嘉鉄簡易郵便局
局前の珊瑚礁の石垣が南国を
感じさせる。
臨時休業日は特になし

 ひとまず古仁屋の町を後にして、昨日の夜中に下見しておいた道を行く。夜の真っ暗な時とはまた全く違った景色が広がる。小さな峠を越えて嘉鉄の集落へ降りてきた。お目当ての嘉鉄簡易郵便局は集落の中の細い道沿いにあるため、車を止めて歩いていくことに。しかし下見しておいたにも関わらず、少し見当違いな場所に車を止めてしまったので、ずいぶん歩いてしまった。場所としては嘉鉄小・中学校の山側にある。教室では生徒2人が授業中だった。テレビとかでは見た事あるが、生徒2人に先生1人の授業風景はなんというか教室が広く見えてしまう。私の小学校は一学年で4組あって、1組45人くらいいたと思う。どっちが良いとも言えないけど、やっぱりこういう集落にも小学校と郵便局だけは残して欲しいと思う今日この頃。この時は晴れていてぽかぽかしていたので、郵便局の戸も開けられていて、奥にはおじいさんの受託者がおられた。少しお話をして局を後にした。車に帰る途中、猫にゃーがいたので写真を撮ろうとしたが逃げられてしまった。残念。

瀬戸内阿木名郵便局
瀬戸内阿木名郵便局
国道沿いにあるが、〒マークが
どこにも見当たらない。ポストと
看板だけが目印。

 再び峠を越えるのだが、ふと振り返ると嘉鉄の集落が見渡せたので写真の収める。やはり晴れているとエメラルドブルーに輝く奄美の海は絶景だ。この道をまっすぐ行くとホノホシ海岸という景勝地に着くのだが、今日はもちろんパス。途中で左に折れて国道58号方面へ走る。伊須湾沿いにしばらく走ると国道に出て、そのちょっと古仁屋寄りに瀬戸内阿木名郵便局があった。失礼だが、昨日の夜に下見した時は簡易局かと思ってしまった。ここでは何事も無く貯金完了。カメラのフィルムを入れ替えて名瀬方面へ国道を走る。ちょっと走って橋を渡ると集落に入り、ちょうど勝浦のバス停のところに勝浦簡易郵便局があった。ここは国道沿いなので分かりやすい。綺麗な建物の1階が簡易局になっており、上は受託者さんのお家のようだ。さっそくお邪魔しようとするが、中には誰もおらず、入り口にも鍵がかかっている。こいつはお昼休みに違いない、と思ったら横に「御用の方は押してください」と書かれたインターホンを発見。これはありがたいと早速押してみると、受託者さんの方が出てきてすぐに行くとの事。ありがとうございます。

勝浦簡易郵便局
勝浦簡易郵便局
この局も国道沿いにある。
カレンダー通り営業

節子簡易郵便局
節子簡易郵便局
ご覧の通り特定局舎を流用して
いる。カレンダー通り営業

 やがて受託者さんが到着して鍵を開けてくださった。小さなお子さんを連れての登場だった。南向きの綺麗な局内は非常に清々しい雰囲気で気に入ってしまった。お礼を行って局を後にし、再び国道を名瀬方面へと走る。少し山道を登っていくと「節子集落」と書かれた看板があるので、そこでわき道へと折れる。ここからはまた少し細く険しい道を行く。何やらよそ者には良く分からない道の作りになっており、昨日の晩に来た時は少し迷ってしまった。しかしそこは下見の成果、迷わずに節子の集落に到着できた。ここ瀬戸内町の各集落には、集落の名前と戸数、人口が書かれた看板が掲げられており、よそ者には有難い看板だ。節子簡易郵便局は集落内の細い道の右側にあるのだが、集落の入り口方向から行くと〒マークが見えないので発見し辛い。昨日も引き返してきた時に発見できた。局舎は昔は特定局だった事を良く物語るものだった。ここでは先客さんがおり、かりんとうをご馳走になった。今日は船を使った事もあり、まだ8局なのに折り返し時間になってしまっている。にもかかわらずちょっくら海岸を眺めたりなんかして、気合を入れなおして節子集落を後にした。もと来た道を引き返して、国道を突っ走る。古仁屋の町の手前にトンネルがあり、その出口にコンビニがあったので、ここで昼食を買い込むことにした。コンビニといっても他では聞いたことのないチェーン店で、確か「アイランド」だったと思う。パン屋さんと併設されているようで、おいしいパンを買うことができた。この店から一気に坂を駆け下りると、交差点の右手に古仁屋郵便局がある。さっきは14人待ちだったが、今回はどうかと思いきや、やっぱり同じ14人待ちであった。さすがにここは観念して、おとなしく待つことにした。15分ほど待ったろうか、ようやく順番が回ってきた。ここは「御来局記念」のお宝スタンプだった。今回の中では唯一のお宝だったので、15分待ちのイライラも少し収まった。

阿鉄郵便局
阿鉄郵便局
小さめのポストがちょこんと鎮座
している。

 さて、ここから先は昨日下見していない領域だ。古仁屋の町を後にして割と整備された県道を海岸線に沿って北上していく。左手には大島海峡の海が続く。路線バスが前に出現したが、結構あっさりと道を譲ってくれた。しかし、追い越した途端に阿鉄のバス停を発見してしまった。阿鉄郵便局がこのあたりにあるはずなのだが、県道沿いには見当たらない。川が流れているので、それに沿った道を中へ入っていくと、100mほどで局舎が見えてきた。局内に入ってみるとラジカセから音楽が流れていた。確か「人生いろいろ」だったと思う。本当に郵便局もいろいろだ。再び県道まで戻って先へ進む。所々に狭い所があるが、おおむね道は快適だ。すっ飛ばしてると先ほどのバスがバス停に停まっていたので、またもや追い越し。と思ったらまたもや追い越したら篠川の集落だった。篠川郵便局はこの県道沿いには無く、山の方へ入っていく県道沿いにある。ここでは先客の方が一人おられたので、その時間に風景印を聞くがだめ。このままでは実逓を出せないのではないか、という焦りも出てくる。

古志簡易郵便局
古志簡易郵便局
たんかんをいただきました。
営業時間等は不明

 再びバスに追い越されて、追いかける展開になる。このあたりはかなり必死に運転していたためか、あまり回りの風景の記憶が無い。やがて右手に古志の小学校が見え、バス停も見えてきた。しかし例によって県道沿いには無く、集落へと向かう道へと入っていく。200mも進んだろうか、左手に商店を兼ねた古志簡易郵便局が見えてきた。ちょっぴり色褪せた丸ポストがいい味を出している。中へお邪魔してみると誰も居ない。何やら奥で声がしているので、呼んでみると少し待ってくれとの事。しばらく待っていると次のお客さんも来てしまった。ここで受託者さん登場。なんでもパソコンの操作が分からずに、娘さんに電話して聞いていたそうだ。あちこちの郵便局を回ってるんですわ〜とお話すると、奄美の黒砂糖を下さった。それを見ていた次のお客さんが「たんかんもあるからもってきよ、お兄さん」と、乗ってきた農耕用軽トラからたんかんを持ってくる。1つ2つ3つ・・・カメラも持っているのでとても持ちきれない。受託者さんが袋をくれ、結局6つも頂いたのだった。ありがとうございます。ここでは昨日の子供と違ってまだお兄さんだったので少し安心した(笑)。

久慈郵便局
久慈郵便局
県道からは1本裏道にある。

 いただいたたんかんが荒い運転で転がらないよう、後部座席に置いて出発。久慈湾沿いのくねくね道をしばらく行くと、道が上と下に分岐している。上に行くと宇検村へ抜ける山道、下は久慈の集落へ入る道だ。久慈の集落の方へ進路をとり、ちょっと走ると右手の集落の中に久慈郵便局があった。局舎が横に長いのが印象的だった。局内にはおじさんの局員さんはお一人だった。貯金のついでに、この先の半島の先端付近にある西古見郵便局から、半島の反対側にある阿室郵便局に抜けられるのか伺ってみた。ここを抜けられるかどうかで、訪問効率が全然違う。しかしまだ道が工事中のようで、抜けられないとの事だった。これは奄美大島完訪に赤信号点滅どころか、行き残しが確定したと確信して局を後にした。局を出るとノラがうろついていたので、時間も無いのに写真を撮ってしまった。さて、ここから次の西古見郵便局までの道のりが大変だ。しかも行き止まりのため、またここまで戻ってから宇検村方面へ進まねばならない。今が13時40分なので、目標14時30分にここって事で出発した。

西古見郵便局
西古見郵便局
奄美大島最西端の局。
行き止まりの半島の先端に
あるので訪問も大変だ。

 走り出してちょっとの間は整備された道だったが、やがて1車線の山道となってしまった。所々で工事をしていて拡幅されているのだが、おおむね1車線だ。しかも場所によっては「これはこのまま進んで大丈夫なのか?」という位、道が荒れている所もある。途中、道路工事のショベルカーが道を塞いでいて、しばらく待ちぼうけという事態もあった。やがて、眼下に白い砂浜と集落が見えてきた。久慈の集落から約20分弱といったところか。西古見郵便局は漁村の郵便局の例に漏れず、県道からは1本裏に入った集落の中に溶け込んでいた。ここもおじさんの局員さんが一人だった。ここでも諦めきれずに半島の向こう側への道を伺うが、やはりダメとの事。なんでも道は既につながっているらしいのだが、工事用の車しか通れないらしい。しかし繋がっていると聞くと、なんとかならないかと思ってしまったりする。一かバチかでその道へ行ってみるか、それともおとなしく引き返すか・・・。ここで性格が出るのかもしれないが、工事中の道を行ってダメだった時は悲惨なため、やはり引き返すことにした。もしかして通れたのかな・・・。

大島海峡
大島海峡の眺め
右に見えるのが加計呂麻島だ

名柄郵便局
名柄郵便局
今日一番の立派な局舎だ。

 西古見の集落を後にしてもと来た山道を走る走る。右手には大島海峡の青い海が見え、あんまり綺麗だったので車を停めて写真を撮ってしまった。猛烈な勢いで久慈の集落まで戻り、この時点で14時20分くらい。さっき決めた目標時間内に帰ってこれた。ここから山を越えて半島の反対側へと抜けるのだが、地図に書いてあるような太い道ではなかった。細い上り坂が延々と続く感じだ。やがて下って名柄の集落に入った。お目当ては名柄郵便局だが、県道にぶつかって右に少し行くとすぐに見つかった。気付けば散々な運転のせいでたんかんが車内に散らばってしまっていた。ここは割と立派な局舎で、局員さんも3人もいた。「阿室にも行くの?」と聞かれたので「もちろん」と答えておいた。車の方向を逆にして、再び半島の先端めがけて車を走らせる。こちらは先ほどの西古見の時よりは高低差が無く、海岸線に近いところに道路が通っている。途中に海水浴場のすぐ脇を通るのだが、強風で砂が吹き上げられ、道路を白く埋めていた。それにしても海も砂も綺麗の一言だ。砂埃の舞う中、阿室の集落に到着。阿室のバス停の所に車を止め、集落の中にある阿室郵便局を目指す。目指すと言っても県道から赤いポストが見えており、10mほど入ったところにあった。赤い丸ポストに木製の看板、とてもいい味を出している。ここでも風景印の所在を聞いたがダメだった。

阿室郵便局
阿室郵便局
ここも半島の先端にある。
訪問も大変だがその価値は
十分あると思う。

 これにて奄美大島西端の難関局を潰し、ここからは奄美空港に戻る方向になる。今日は19時発の羽田便で帰るのだが、何しろ空港は島の東端にあるため、あんまりモタモタしていると間に合わない可能性もある。この時点で15時。もはや奄美大島完訪は不可能となったが、こうなれば少しでも足を伸ばして次回に確実に完訪できるようにするだけだ。先ほどの道を走り抜けて、名柄郵便局の前も通過。ここからは割と整備された2車線の道が続き、車のスピードもいよいよ増していく。焼内湾沿いの道をぐるっと左に弧を描き、やがて宇検村の中心街に入る。干拓地なのか、妙に区画整理された町並みを過ぎると、道がT字路にぶつかりここを左へ。昔ながらの町並みを通り抜けると、道の左手に宇検郵便局があった。ここは名柄郵便局の局舎にデザインがよく似ていた。ここではあまりに慌てていたのか、写真の露出設定を失敗して暗〜い写真になってしまった。

芦検簡易郵便局
芦検簡易郵便局
県道沿いにあって発見容易。
隣には商店がある。

芦検集落の猫
芦検にいた親子猫。
ツメ研いでます。

 続いて更に県道を北上していく。このあたりも割と道は整備されており、15時台の激走タイムにはちょうど良い。凄い勢いで次の集落、芦検に到着。芦検簡易郵便局を探すために徐行していると、道の右側にあっさりと発見できた。漁師町の簡易局だけに、ちょっと覚悟していたのだがこれは良かった。車から飛び出すと、局前にはノラが2匹いるではないか。しかもこれが人懐っこく、足にじゃれついてくる。ついついなでなでなどして、写真をばしばし。こんな事している場合ではない。局にお邪魔して貯金をお願いする。この間に表のノラの事を尋ねると、なんでも親子なんだそうだ。このあたりはエサをくれる人も多いので、すっかりこの集落に住み着いてしまったそうだ。そういえば毛並もいい。局から出てきてもう一回なでなで、と思ったら姿が見えない。どこ行ったかと思ったら、集落名を書いた木の看板で親子仲良くツメを研いでいた。もう少し時間に余裕のある時間帯なら良かったのだが、今はかなり追い詰められた時間帯だ。ネコに後ろ髪引かれながらも集落を後にした。更に整備された道が続き、がんがんに飛ばしていく。先ほど阿室郵便局へ走った半島を向かい側に眺めながら、焼内湾をほぼ1周した形になった。次の宇検久志郵便局も集落の中かと思いきや、2車線の広い道に面して建っていた。これまた非常に発見しやすい立地だ。道を挟んで向かいは海だ。これにて宇検村を完訪し、残るは大和村になる。残り20分で大和村の4局と名瀬市内の1局を残している。しかもこの先の道が地図ではぐにゃぐにゃに描かれている。最後の気合を入れなおして山道に入った。奄美の道の中でもこの北側の道は特に険しく、右に左に延々とカーブが続く。やがて海が見えたかと思うと、断崖絶壁の斜面をS字カーブを連ねて降りていく。

宇検久志郵便局
宇検久志郵便局
なんというか、整った感じがする
局舎だ。

今里簡易郵便局
今里簡易郵便局
16時寸前に駆け込み。
雨が降り出してしまった。

 やがて道が平坦になると今里の集落に入る。この辺りで急に空が曇りだし、雨がぱらついて来た。お目当ての今里簡易郵便局は県道沿いには見当たらないので、裏道へと入っていった。車が1台通るのがやっとの道を行くと、ありましたありました。局の横が空き地になっているので、ここに車を入れて突撃。時刻は16時寸前なので、まあ大丈夫だろうと思って局に入っていくと誰もいなかった。しかし機械は動いているので、しばらく待っていると局員さんが戻ってこられた。雨が降ってきたので洗濯物を取り込んでいたそうだ。まったく猫の目のような天気の移り変わりだ。ここで最後なので少しお話をして局を後にした。さて、これにて時間切れ。奄美大島の北海岸の3局と、永田橋郵便局の計4局が残ってしまった。しかしまだ分からない(笑)。ひとまず名瀬市内まで戻るべく、県道を走り出す。物凄い強風が吹き荒れ、断崖絶壁が続いていく。同じ日に同じ島なのに、さっきとは全く違った印象を受ける。北海道の瀬棚とか島牧あたりの風景を彷彿させる地形だ。道は2車線あるので離合の心配は無いが、ぐにゃぐにゃ道なので距離の割には先へ進まない。やがて名音の集落に入り、集落の入り口辺りに名音郵便局があった。時刻は既に16時15分。まあムリだろうが、とりあえず行ってみる・・・が予想通り撃沈してへろへろ退却。去り際にエコー葉書も所在も聞くが、これまた撃沈だった。再び険しい道を進み、大棚の集落へ。ここには大棚簡易郵便局があるのだが、県道沿いには無い。適当にわき道に入ると、これがビンゴで、狭い道の向こうに発見できた。中にはまだ局員さんがいるようで、突撃してみる。しかしやっぱりダメ。こりゃまた残念。しかし場所は確かめたので、次に来る時の参考にはなる。更に次の大和郵便局にも訪問してみたが、もちろんダメだった。一応これで未訪問局4局全てを下見できたので、次の訪問時のロスは抑えられるだろう。

名瀬長浜簡易郵便局
名瀬長浜簡易郵便局
県道の交差点に面している。
隣はジョイフル!

 あとは空港へと向かうのだが、ここで重大なことが一つ。結局今日の訪問局の中で風景印を配備している局が1局もなかったため、実逓を出していないという事だ。仕方ないのでこの島の親玉である名瀬郵便局に寄り道することにした。流石にここにはあるだろう。相変わらずの山道を走っていると、不意にカラオケ屋が出現し、途端に町並みが広がる。この景色の変貌ぶりは物凄い。以前に訪問はしたが、全く記憶が無い小宿郵便局を写真に収める。更に朝仁簡易郵便局も探したが見つからないので諦める。一度訪問したはずなのに情けない限りだが、8年も経てばしょうがないか。トンネルを抜けてビルの1階にある名瀬長浜簡易郵便局も撮影。隣にジョイフルができていたのには驚いた。そして実逓を出すために名瀬郵便局へ向かうのだが、道を間違えてしまい名瀬市の中心街を右往左往してしまった。ちょうど夕方のラッシュに巻き込まれずいぶんと時間をロス。なんだかんだで17時半を過ぎてしまった。さてあまり時間もなくなってきたので、あとは寄り道せずに空港へ向かう。途中から日も暮れ、雨も本降りになって運転が辛い。凄い強風の中、空港そばのガソリンスタンドで給油してレンタカーを返却。空港には18時半には滑り込んだ。19時発のJAS548便で帰路へと就いたのだった。
フクロウ付き仕切り線
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