2006年4月の記録

郵貯日 普特 中央 簡易 分室 出張 年合計 通算合計 非扱 非扱計 地域 交通手段
04月03日 56 8158 214 沖縄 車・船・自転車
合計 1日平均(30日) 0.17局

2006年04月03日(月) 鳩間島訪問と八重山地方完訪の巻

70413 カンムリワシの島 西表大原郵便局 9:00  8154  八重山郡竹富町字南風見201-117
70402 西表島郵便局 9:45  8155  八重山郡竹富町字西表628
70710 鳩間簡易郵便局 11:15  8156  八重山郡竹富町字鳩間24
70418 真喜良郵便局 13:55  8157  石垣市字新川2325-16
70406 牛の島 黒島郵便局 15:20  8158  八重山郡竹富町字黒島1032-1
 八重山諸島に鳩間島という小さな島があるのをご存知だろうか。イリオモテヤマネコで有名な西表島の北にポツンと浮かんでいる砂浜に囲まれた島には、八重山では唯一の簡易郵便局である鳩間簡易郵便局がある。郵便局をめぐるという趣味をやっていなければ恐らくその名を知らなかったかもしれないが、めぐらーにとっては離島の簡易郵便局とあっては垂涎ものだ。手元の「沖縄・離島情報2006年度版」によると人口は71人、面積0.96平方kmのとても小さな島で、島に渡る手段は石垣島からの貨客船が載っている。しかし今回は西表島と黒島の郵便局も同時に巡っておきたかったため、この貨客船では時間がかかりすぎる。そこでネット上で鳩間島の訪問記を拝見し、郵便船に便乗するという方法を知った。これによると西表島の上原港から鳩間島へ集配に向かう郵便船が存在し、それに便乗することにより効率よく巡れる事が判った。さて、最近は仕事で出張に行くようになり、その結果昨年度はJALに33回も搭乗してしまい、クリスタルのステータスを獲得した。もちろんマイルも貯まっており、これを使わない手はない。早速3月の初旬に日程を定めて準備に余念がなかったのだが、仕事の都合により順延になり、今回の4月3日の訪問となった。マイルと引き換えに発行される特典航空券ってやつは、発券してから3ヶ月間ならば変更が効くので、この4月3日ってのは有効期限ぎりぎりだった。もう後には延ばせないので背水の陣を敷き、無事に年休を取得することができた。

実際の行程
○2006年4月2日(日)
羽田空港 1240 JAL1923便  那覇空港 1510
那覇空港 1535 JTA 615便  石垣空港 1630

○2006年4月3日(月)
石垣港   800 安栄観光(船)   大原港   835
上原港  1045 郵便船       鳩間島  1105
鳩間島  1135 郵便船       上原港  1155
大原港  1250 八重山観光(船)  石垣港  1325
石垣港  1430 八重山観光(船)  黒島港  1455
黒島港  1600 安栄観光(船)   石垣港  1625
石垣BT 1640 東バス       石垣空港 1655
石垣空港 1740 JTA 620便  那覇空港 1830
那覇空港 2000 JAL1930便  羽田空港 2220

不快マンタ
石垣空港で撮ったJA8934
別名「不快マンタ」なそうな。

 郵貯前日の日曜日、9時半頃に自宅を出発し、大嫌いな南武線を敬遠して京王線経由で羽田空港へと向かう。せっかく石垣島まで遠征するので、土曜日から乗り込んで沖縄満喫と行きたかったのだが、直前まで仕事の都合が判らないので、結局最小限度の日程に絞り込んでしまった。しかもこの時期は春休み期間中であり、飛行機はピーク期にあたり、予約が非常にとり辛い。沖縄への午前便は全然予約が取れず(タダ券だからか?)、取れたのは12時40分発の便だった。まあ、朝のんびり行けるのはありがたいのだが、本当なら早めに現地に入って西表島の夜を満喫したかった・・・。羽田空港には少し早めの11時30分くらいに到着し、搭乗手続きをすると「一本前の12時発のにも空席があり、そちらへ変更できますよ〜」との事。って事は駄目もとで朝早く空港に来ていれば、もしかしたら午前中便にも乗れるって事ですかい!次回からは参考にしよう。メモメモ。今回はどうせ那覇で石垣行きに乗り継ぐので、40分早めたところで大差はなく、それよりも昼飯を食べたかったので予定通りの12時40分のJAL1923便に乗ることにした。今回は予約で空きがあったのがクラスJだけだったので、2000マイルも余計に払ってのクラスJへの搭乗である。特典航空券って一回発行すると、クラスの変更もさせてもらえない。クラスJでは満席でも普通席に空席があれば、そっちに乗せてくれてもいいと思うのだが。まあでも羽田から那覇までは2時間30分の道のりであり、これくらいの飛行時間ならばクラスJの料金を払うのも悪くないかもしれない。搭乗口へ行ってみるとツアー客と思しき人たちが大量に列を作っており、546人乗りのB747−400が満席になっていた。しかも今日はあいにくの曇り空で、西のほうでは雨が降っているらしい。そのせいかこの便に使用する機材の到着が遅れ、その影響で出発が20分ほど遅れるようだ。那覇での石垣行きへの乗り継ぎ時間が25分しかないので、あまり遅れられると困るのだが、すでに羽田で石垣までの搭乗手続きを済ませているので、石垣行きの飛行機に置いて行かれる事はないだろう。結局、定刻よりも20分遅れて羽田を離陸し、約2時間半の空の旅だ。クラスJだとお茶菓子なんかも出してくれ、ただ券で乗っている私にもちゃんと出してくれた(当たり前か)。また那覇で乗り継ぎ時間が短いので、降りたら地上係員に声を掛けてくれ、と2回もお願いされてしまった。

石垣島の離島桟橋
石垣島の離島桟橋
高瀬舟が頻繁に出入りしている。
2006年7月に移転する予定。

 やがて高度を下げていくと窓には雨粒が流れていく。那覇に着いてみると外は雨で、とても蒸し暑い。気温は23℃もあり、暖かかったさっきの東京と比べても10℃も差がある。当然着ている服では暑くてしょうがないので、一枚上着を脱ぐことにする。さて係員に声を掛けようとしたのだが、乗る予定の石垣行きは定刻15時35分のところを、15時50分に変更されており、また20分も時間がある。これなら別に声掛ける必要もないと判断し、那覇空港の土産物屋を物色に走った。最近はご当地でしか売っていないお菓子に目ざとく目をつけ、今回は沖縄限定の黒糖風味のマーブルチョコを買ってしまった。酒を全く飲めない私にとっては、普通の人が地酒を買うようなノリで菓子を買う。ただこの土産を最初に買ったために、今回の旅行では激しく動くとマーブルチョコが「ジャラジャラ」と音をたてるのがちょっとマヌケだった。こんな事をしているといい時間になったのでJTA615便で石垣へと向かう。この便も満席で、お隣は真っ黒に日焼けされた老夫婦だった。沖縄の人だと思われるが、気を遣ってくれて新聞を見せてくれたりした。雨の那覇を離陸して白い雲の上を飛んでいく。今日はずっと下界は雲に覆われていて、飛行機は真っ白な雲海の上を走る船のような感じだ。綺麗なエメラルドグリーンの沖縄の海を期待していたので、ちょっと残念。やがて高度を下げると石垣島の島影が見えてきた。路面は乾いており、こちらは雨ではなかったらしい。定刻よりも20分くらい遅れて石垣空港に到着。ここで今回の同行者である、まいどお馴染みのおやんと待ち合わせる。彼は私よりも1本後の便を予約しており、30分くらい後の到着になる。展望デッキで写真とか撮っているとおやんを乗せた便が到着。なんでも彼が言うには私の乗った機体はJTAが保有する15機のB737のうち、1機だけ存在するシートピッチが狭い機体だったそうだ。そう言われれば狭かったかも・・・。しかし言われなきゃ分からなかったし、その方が幸せだったカモ。飛行機好きの間ではスカイマンタをもじって不快マンタと呼ばれているらしい。このネーミングにはちょっと感心してしまった(スカイマンタとはJTAがB737に付けている愛称)。

石垣島の猫
今回の猫にゃー
石垣島の石垣新栄郵便局の近くで
寝てた猫。のび〜。

 さて、この時間だともう西表島に向かう船もなく、今日は石垣島での宿泊となる。例によって楽天でポイントの付く宿を探しておいた。今回はコラボレーションホテルとかいう横文字の宿で、LANがつなぎ放題で2人で8,500円というものだった。石垣市役所のすぐ南側にあり、ビルの7階だけがホテルになっていた。部屋は質素だがどうせ男2人が泊まるだけなので、最低限の設備さえあれば何の問題も無い。ただ朝食付とあったが、部屋にトースターと食パンとマーガリンが置かれているだけだったのにはちょっとやられたという感じだった。インスタントコーヒーもあったが、これは私はこの日の晩に飲んでしまった。遠足のおやつを前日に支給され、それをその日に食べてしまうあほ小学生と同じことをしている、とはおやんの弁。確かにそうかも。部屋に荷物を置いた後は夕食を食べに街へと繰り出す。街にはセンバツで離島勢としては初めて代表に選ばれた八重山商工高校を応援する幟が立っていたが、この時点ではもう残念ながら負けてしまっていた。しかしもし勝ち進まれでもしたら、応援のために臨時休業とかいう店をニュースで紹介されていたので、今回の旅行に支障があるかも、なんて思ったりしていた。高校球児のみなさんごめんなさい。宿から少し歩くと石垣島のバスターミナルがあり、その道路を挟んだ向かい側に食堂があったので、そこにしけこむ事にした。せっかく来たのだし、やっぱし地元の料理が食べたい。私は大好きなソーキそばと、グルクンという魚の唐揚げをお願いした。おやんは何やら地元の野菜の肉炒めと八重山そばを賞味していた。最後にさとうきびアイスクリームまで賞味し、二人で3,010円の晩餐だった。外は小雨が降り出しており、足早に離島航路の桟橋に出向き、明日の朝の西表島行きの船が出る場所の確認と、予約が要らない事を確認しておいた。この離島桟橋、少し沖合いの方に新しいのを建設中であり、このあたりの古びた建物での営業ももう少しの期間だけらしい。石垣の離島桟橋は以前にも2回ほど来た事があり、見慣れた光景だっただけにちょっと名残惜しい気もする。後はコンビニ(ホットスパ)でお茶とかを買い、ホテルでうだうだとしてから就寝した。

西表大原郵便局
西表大原郵便局
局の前にはイリオモテヤマネコの
石像がある。

 明けて郵貯当日の4月3日。窓を開けてみると曇り空だが、雨を降らせるような黒い雲ではなかった。トースターで食パンを各々2枚焼き、マーガリンを付けてもそもそと食べる。私はインスタントコーヒー無しだ。7時40分くらいに宿を出発し、離島桟橋へと向かう。今日はまず西表島の大原港へと渡り、レンタカーを借りて西表島を巡る予定だ。行きは石垣島8時発の安栄観光の高速船だが、帰りが八重山観光の高速船に乗る予定なので、往復割引が効かないらしい。会社とか関係なく往復割引にして欲しいところ。波照間島や竹富島に行った時に乗ったのと同じタイプの高速船に乗り込む。離島桟橋には旗を持った添乗員さんに引率された観光客が大勢おり、この大原行きの船にも大量の観光客の乗船があった。最初はすかすかでこんなもんかと思っていたのだが、団体客のおかげでほぼ満席の状態で出航となった。八重山の海は遠浅のサンゴ礁の海なので、離島航路の船は船底が浅い、高瀬舟みたいな高速船が行き交っている。もちろん貨客船もあるのだが、圧倒的に高速船の方が便数も多いし便利だ。定刻の8時を少し過ぎたところで船は桟橋を離れ、ゆっくりと湾内を航行していく。やがて防波堤の外に出ると、エンジンを唸らせて高速運転に入る。途中、8時10分発の八重山観光の高速船に追い越されるという事態もあったが、およそ40分で西表島の大原港に入港した。港にはやまねこレンタカーのお兄さんが出迎えてくれており、マイクロバスで営業所まで送ってもらう。その途中に西表大原郵便局があり、しっかりと場所を確認しておく。と言っても島を周回するメイン道路に面しており、立派な局舎なので発見は容易だ。やまねこレンタカーの営業所は西表島の路線バスが発着するバスターミナルの中にあり、港から歩いても5分くらいだろう。ただ上り坂があったので、荷物があると歩きでは辛いかもしれない。ここでは軽自動車が保険料込みで5,000円で貸してくれる。我々は12時50分の船で帰る予定なので、4時間程度のレンタルなのだが、1日まで5,000円という料金体系らしい。しかし4時間で祖納まで行って帰って来るとレンタカー屋の人に言うと、「途中の上原往復だけでも2時間はかかる」とのお言葉。むむ、それでは鳩間島へ渡る船に間に合わない。まあとは言え悩んでも仕方ないし、9時も近いので早速出発することにする。

デンサー食堂
デンサー食堂
鳩間島への郵便船への取次ぎを
やってくれる。周回道路から上原港へ
入る角にある。

 レンタカー屋のあるバスターミナルから一旦大原港の方へ引き返し、港へは左折する交差点の角に西表大原郵便局があった。沖縄チックな建物で、局前にはイリオモテヤマネコの石像まで建っていた。既に時刻は9時少し前なので、早速局内へお邪魔して通帳を差し出しておく。その間に私はエコーはがきの在庫を尋ねてみるのだが、残念ながら無いとの事。その間に貯金は完了し、久しぶりの沖縄県での郵貯となった、さて、これからの予定だが、鳩間島へは上原港の傍にある「デンサー食堂」が窓口になっている郵便船に便乗させてもらう計画だ。事前にお電話して伺った所、当日の10時から11時の間のどこかで船が出るので、港で待っていて欲しいとの事だった。そのためもし10時に船が出るとしたら、今いる大原から西表島の東の端に近い祖納の集落まで、約50キロの道のりを40分くらいで走破しないと計算が合わなくなる。この10時出航という最悪のシナリオにも対応できるよう、車は一目散に西表島の道を駆け抜けていく。こういう離島にありがちなアップダウンや起伏に富んだ道ではなく、ほぼ全面的に2車線が確保された舗装された道路であり、普通に走るには何の申し分も無い道路が整備されていた。たまに工事中だったりする箇所があるので、スピードを出しすぎると肝を冷やす。交通量は本当に少なく、遅い車が居ても簡単に追い越すことができるので、快調に距離を稼いでいく。西表島ならではのイリオモテヤマネコ飛び出し注意の道路標識があちらこちらに建っており、写真も撮りたいがちょっと我慢。またさすが自然の宝庫である西表島だけあって、周回道路からも原始的なマングローブ林や綺麗な入り江の景色などが広がっている。これも脇見をしながら車内から眺めるだけで我慢我慢。また観光目的にじっくり来る時もあるだろう。最近風雲急を告げている日本の郵政事情だけに、それに比べればこの西表島の悠久の自然の方がずっと長いこと、今の姿を保ち続けるに違いない。                             

西表島郵便局
西表島郵便局
目の前には水田が広がっている。
局舎の局名表示が緑で目を引く。

 車は観光ポイントを全てすっ飛ばし、上原のデンサー食堂の前を通過する。飛ばしてきたお陰でこの時点でまだ9時35分くらい。これならなんとかなりそうなペースだ。やがて星砂の浜もすっ飛ばして、車は祖納の集落に入った。小学校の前を通過し、道が二手に分かれるのだが、これを左に行くと上り坂の上に西表島郵便局があった。ここでは割と地元のお客さんがおり、通帳を差し出してしばし待つことに。その間に懲りずにエコーはがきの在庫を伺うが、ここでもダメ。更に鳩間島への郵便船の事も伺ってみる。鳩間島の郵便船を運行されている方は、ここ西表島郵便局に朝1回荷物を取りに来てから鳩間島へと向かう。そのためこの時点で郵便船の方が既にみえていたら、大急ぎで上原港へ追いかけに向かわねばならない。幸いまだ9時45分だし、今日はまだみえられていないそうだ。そうこうしているうちに貯金が完了したのだが、何やら窓口嬢が慌てた様子。どうやら100円預けるところを100円引き出しにしてしまったらしい。取り消して預け入れにしてくれたようだが、本音を言うと取り消さずに預け入れして欲しかった・・・。ちなみにここのスタンプは「イリオモテヤマネコの島」のコピー入りだった。さて、これでひとまず10時に上原港は余裕という感じになり、周回道路の終端の白浜の集落まで行ってみようかとも思ったが、おやんが「その間に郵便船が・・・」などと言うので、思い留まって上原港へ向かうことにした。先ほどまでとはうって変わってのんびりした走りとなり、途中にあった子午線モニュメントに立ち寄ってみることに。ここは東経123度45分6789なんだそうで、西表小・中学校の傍にあった。ここでしばし休憩と写真撮影をし、更に途中の上原小学校の前にあった信号機の所でも記念撮影。西表島には西表大原郵便局の前にあった信号機と、ここの2箇所にしか信号機がないらしい。まだ春休みとあって学校には人気が無い。

ふさきや丸
ふさきや丸
鳩間島への郵便船で片道1,000円で
便乗させてくれる。左上に見えている
建物が上原港で、少し離れている。

 やがて先ほどの上原の集落に入り、デンサー食堂の前まで戻ってきた。ひとまず車を上原港のそばにある無料の駐車場に入れ、鳩間島へ渡るべく荷物を整理する。小さなカメラバッグに通帳と印鑑っと。印鑑は主務者印欲しさに定額貯金をするためのものだ。そしていそいそとデンサー食堂へとお邪魔する。食堂はまだ10時20分とあってか、営業時間前で開いていないのだが、食堂の入り口の右横に別の入り口があり、その中に食堂の方がおられた。早速「鳩間島までの船に乗せて欲しいんですけど〜」とお願いしてみると、「10時30分には出るから港で待ってた方がいいさ〜」との事。港というのがよく分からなかったのだが、「あっち」と指を指すだけのアバウトな道案内だった。その「あっち」というのが高速船が出る上原港よりもちょっと北側の、小さな船を係留してある港を指すらしい。この時はよく分からなかったがひとまずお礼を言って、その「あっち」の方向へ歩いてみた。あと10分足らずしか無いので、自然と早歩きになる。県道をちょっとだけ祖内の方へ歩くと道が斜め右へ分かれており、その細い斜め右方向へ入っていく。100mも進むと左手に「波止場食堂」があるので、その先を海の方へ行くと駐車場になっており、その先が小さな船を係留する場所になっていた。デンサー食堂からは徒歩5分くらいか。場所を知っていれば車をここまで乗り付けて駐車するのが一番楽だろう。さて、事前に船の名前が「ふさきや丸」である事は学習していたので、船体に書かれた名前をチェック!するとありました。しかし郵便局を思わせるものが何も無く、これでは船の名前を知らないと厳しいかもしれない。我々は事前に知っていたので船内を覗き込んでみると、操舵室に貼られたカレンダーが郵便局のものだったが、これ以外には手がかりは全く無かった。まだ船長さんらしき方は見えられていないので、しばらく船の前で待つ事にした。すると良く見ると港の隅に男の人が座っているのに気付く。船長さんかと思って声を掛けたら、この方も同じく郵便船に便乗して鳩間島へ渡る方だった。我々と同業者という訳ではなく、一見すると旅行中って感じのおじさんだった。この郵便船便乗の方法は結構知っている人は知っているようだ。

鳩間簡易郵便局
鳩間簡易郵便局
沖縄ならではの珊瑚礁の垣根が
印象的。八重山唯一の簡易局だ。

 港の片隅でおやんと砂遊びしながら待っていると、だんだんと人が集まってくるではないか。地元の中学生っぽい女の子が一人と、先ほどのおじさんのご家族の方などなど。やがて港には船を待つ人が我々を入れて6人になった。そして白い軽自動車に乗って船長さんが登場され、郵便船に荷物を積み込んでいく。なんかもう便乗者がいる事が当たり前のようになっているようで、この場に居ればあうんの呼吸で乗せてもらえる雰囲気だった。荷物を積んだ後で我々も乗せてもらい、時にして10時45分頃に上原港を出航した。ヤンマーの小さな漁船のような船なので、操舵室には3人と入れない。私は最初は船の後の方に木の板がベンチ代わりになっていたのでそこに座っていたのだが、港の外に出て船が快走を始めると波が襲ってきて、結局操舵室の後に立っている事にした。西表島から鳩間島は結構遠く、上原港からその島影を見ることはできなかった。途中、高速船とすれ違ったのだが、その時だけは船は速度を落として高速船が残していった波をやり過ごす。小さな船なので木の葉のように波に揺られ、これはこれでなかなか面白い。やがて春霞のようなもやの向こうに鳩間島の島影が見えてきた。これが八重山の島々の中でも最も訪問するのが大変な、ある意味一番遠い島だ。上原港を出てから約20分、船は鳩間島の港へと入った。船長さんに降りる前に郵便局に行って帰って来るので、帰りも乗せて欲しい旨を伝えておく。船長さんも島の中の郵便配達業務があるので、「30分くらいかかるから、ゆっくり行って来たらいいさ〜」との事だった。降りるときに帰りの分と合わせて2,000円を船長さんに渡して鳩間島上陸。東京を出てから約24時間、約2,000km離れた南国の小島へと上陸だ。恐らく郵便局を巡ってなければこの島に来る事など無かったに違いない。日常の生活からは全くかけ離れ、非日常的な場所へと足を運ばせてくれる、なんとも考えようによっては深〜い趣味なのである。この郵便局巡りってやつは。

鳩間簡易郵便局の旧局舎
鳩間簡易郵便局の旧局舎
受託者が変わって移転したそうな。

 港を見渡すと割と整備されており、防波堤では地元の中学生っぽい子が釣りをしていた。南国ならではの開放的な雰囲気がすぐに伝わってくる。さて、早速メインイベントである鳩間簡易郵便局を目指して歩いていく。船長さん曰く、港から右手の方に行ってコミュニティーセンターの所、だそうな。コミュニティーセンターとはこりゃまた。私なんぞ公民館と言われた方がピンと来るタチで、船長さんの方が国際的ではないか。その通りに歩いていくと、2分くらいで公民館の所に着き、右手に何やら見た事があるような建物が。これは鳩間簡易郵便局の旧局舎で、ネットで訪問記を拝見した時に写真を見たので覚えていた。2002年の7月に移転したそうで、新しい局舎はこの旧局舎や公民館がある十字路を左(海とは反対方向)に行くと、道の左手にあった。十字路からも郵便ポストや〒マークが見えるので発見は容易だろう。旧局舎からは50mくらいの距離だろうか。ついについに局を前にしてテンションも上がるが、いそいそと局内へお邪魔する。局内にはおじさんが一人で業務をされていた。早速100円貯金をお願いし、更に定額貯金も・・・と思ったのだが、「定額貯金はここ1年くらいやった事ないさ〜」との事。用紙も見たところ無いようで、なんかこの南国の雰囲気もあいまって、まいっかという感じで諦めた。その間に先ほどの船長さんが今度は赤い軽自動車で局の前に乗り付けてきた。局から差し出される郵便小包を受け取り、更に局前にある郵便ポストの中の手紙も回収していく。一応ポストには集配時刻が午前10時と書いてあるのだが、そこは「うちなー時間」ってやつなのだろう。船長さんはこれから島内の家々を回って配達されるそうで、船が出るまでにはまだ時間がある。局舎の写真も撮って、やる事はやったので、局長さんにお礼を言って局を辞した。

鳩間島の浜辺
鳩間島の浜辺
鳩間簡易郵便局の旧局舎あたりから
港を望む。

 出航までまだ時間があるので、少し島の中を歩いてみる。鳩間簡易郵便局の旧局舎を覗き込んでみたが、今はこの建物は使われていないようで、入り口は締め切られていた。公民館の前には鳩間島の観光案内図と水道開通の記念碑が建っており、記念碑には懐かしの小渕首相の名前が書いてあった。観光案内図によると島の周囲は3.8kmだそうで、どの程度の大きさの島なのか想像できる。港まで戻る途中に沖縄の昔ながらの家があったので写真を撮らせていただいた。結局この島では自動販売機というものを見かける事がなく、喉が渇いてきたが我慢我慢。ちなみに沖縄では缶ジュースが110円で販売されているが、石垣島の離島桟橋の前の自動販売機だけはセコく120円だった。港まで戻ると、少しして赤い軽自動車が帰ってきた。配達と集配を終えた船長さんは再び船に荷物を積み込み、出航となる。本当に30分程度の停泊で、11時35分に鳩間島を後にした。エメラルドブルーの海に浮かぶ砂浜で囲まれた島はのんびりとした時間が流れていた。船から島を振り返ると島の中央には灯台が築かれており、観光案内板によると東シナ海に突き出した場所にあるこの島は、古くから交通の面で重要だったそうな。帰りの船には我々2人の他に女性の方が1人だけ便乗されていた。船長さんの知り合いの方のようだったが、良く考えればこの船長さんは鳩間島では有名人に違いない。帰りは高速船の波にもまれる事もなく、平穏な航海で約20後に西表島上原港まで戻ってきた。船長さんにお礼を言って船を降り、この時点で11時55分くらい。大原港からの船が12時50分なので、これならば余裕で間に合いそうだ。車まで歩いて戻る途中に周回道路沿いにマリンスポーツをガイドする店があったのだが、そこに犬がおり、これがまた可愛かった。今回はイリオモテヤマネコには出会えなかったが、代わりといってはなんだがイリオモテカイイヌに出会う事ができた。傍にはオウムもおり、「カワイイカワイイ」と喋っていた。お客さんがこの犬を見てそう言うのでオウムも覚えたに違いない。

イリオモテヤマネコの道路標識
西表島の道路標識
イリオモテヤマネコが飛び出してくる
事もあるそうな。

 デンサー食堂のところまで戻ってみるとお店が開店しており、「営業中」の赤い幟もたっていた。時間に余裕があればお世話になったこの店で昼食といきたいが、そこまで時間の余裕がないのが残念だ。ちょうど港からは12時発の高速船が出航していった所だった。車に戻ってみると車内は結構暑くなっており、さすが南国を感じさせる。車内に放置していたマーブルチョコは大丈夫だろうか?デンサー食堂に別れを告げ、周回道路を割りとのんびりと大原の方へ走っていく。途中でイリオモテヤマネコの絵柄の動物飛び出し注意の看板があったので、車を停めて写真を撮らせてもらった。沖縄本島にはカニとかカメ横断注意って看板もあり、こういうご当地的な看板は面白い。水牛で島に渡ることで有名な由布島を脇に見て、大原へと戻っていく。集落に入る手前にガソリンスタンドがあり、ここで給油するように指示があったので入ってみる。さすがに離島だけあって、リッター146円というオイルショック状態だったと記憶している。ここで時計を見るともう12時30分くらい。なんだかんだで時間が少なくなっており、慌ててレンタカー屋へと駆け込む。港への送迎のバスの運ちゃんが食事中らしく、しばらく待つ事になったので、ちょっとだけその辺りを散歩してみる。すると道路の向こうから山羊を連れた女性の方が歩いてくる。縄で繋がれた山羊を犬のように散歩させているらしい。周回道路の脇の木の葉をちぎって食べさせていた。まだ1歳くらいの子山羊だそうだが、結構凶暴なんだそうで、触らないほうがいいと忠告されたので触るのは止めておいた。レンタカー屋の運ちゃんによると、あの山羊はこの辺りでは有名なんだそうだ。島を去る前にイリオモテカイヤギにまで会えて何よりだった。結局この山羊の名前は分からなかったが。来るときに乗ってきたのと同じマイクロバスで港まで送っていただいた。出航の5分くらい前で、なんとか間に合った。

イリオモテカイヤギ
大原の飼い山羊
葉っぱを美味しそうに食べている。
こう見えて結構凶暴らしい。

 ちょうど前の便の船からお客が降りてくる所だったが、何やらテレビカメラなどの機材が運ばれている。何でも田中律子が西表島の大自然をレポート、みたいな感じの番組の収録が行われるためだそうな。ご本人を見かけることはできなかったが、重そうな機材を運ぶADさんを生で見てしまった。帰りの船は八重山観光の高速船だが、これまた団体客と同舟となってしまった。客室内にはいるのを諦め、甲板の上にあるベンチで過ごすことにした。慌しかったが船は港を離れ、西表島を後にする。今回は曇り空だったが、この次はゆっくりと晴れた日に観光に来たいものだ。船の上で気付いたのだが、良く考えたら今日はお昼ご飯を食べる時間が無い。なのでこの船の上でカロリーメイトをもそもそ。竹富島の島影とエメラルドブルーの海を前にして何を食べてるんだか。石垣島には予定通りの13時25分に到着。ひとまず荷物を八重山観光の乗船券発売所に預け、ここでしばらくおやんとは別行動となる。私は石垣島に新規設置された真喜良郵便局を訪問したいのだが、おやんは既に訪問済みらしい。その代わりに私が訪問済みの石垣平真郵便局が未訪問らしいので、それぞれ行って来ようという事になった。お次の船は黒島行きの14時30分のやつに乗る予定のため、約1時間ある。おやんが前回、自転車を借りたという雑貨屋さんみたいな所へ行き、ママチャリを2台拝借した。最初は原付をレンタルしようかと思っていたのだが、自転車の方が安いし、健康にも・・・などと思ったのが甘かった。おやんと別れて美崎大通りと呼ばれる通りを川平の方へ進んでいく。最初は快調に進んでいくのだが、なにぶんここは南国。ズボンが冬物なので、暑くてしょうがない。当然の事ながらだんだんスピードは落ちていく。右手に具志堅用高記念館があったが素通り。開いてるんだか閉まってるんだか良く分からなかった。一瞬でもいいから立ち寄っておけばよかったかも。

真喜良郵便局
真喜良郵便局
2001年11月19日設置
これにて石垣島を再完訪。

 橋を渡ってちょっと行くと、道の右側に真喜良郵便局があった。ここは5年ほど前に新規設置された郵便局で、その時には既に石垣島の郵便局を完訪していたので、いつか来なければと思っていた郵便局だ。自転車で20分くらいだった。局内には先客がおり、貯金をお願いしている間に写真撮影に走る。これにて石垣島の郵便局を再完訪し、八重山で残るは黒島郵便局の1局となった。もと来た道を戻っていくのだが、日ごろの運動不足がたたり、だんだんしんどくなってくる。そもそもこの自転車のタイヤの空気があんまし入っていないのが原因だ、きっと、たぶん。途中、休憩も兼ねて以前に訪問済みの石垣新栄郵便局に寄ってみることに。情け無い事に全く覚えておらず、局舎の前に来ても全然記憶が蘇ってこなかった。ひとまず写真を撮っておき、あまり時間も無いので立ち去った。裏道をキコキコ走っていると道端に猫にゃーが気持ち良さそうに寝ているので、ここで再び休憩。猫にゃーの撮影会となる。人懐っこい猫にゃーで、全然逃げない。目を細めて気持ち良さそうだった。猫にゃーの安眠妨害はこれくらいにして、出航時間が迫っているで港へと戻る。とか言いながらしっかりと八重山郵便局の局舎撮影をしてから、さっきの雑貨屋へと戻った。14時20分くらいだったが、おやんもちょうどその頃に戻ってきた。雑貨屋さんにお代200円を払って、港の方へ急ぐ。運動したので流石に喉が渇いたので、離島桟橋前の自動販売機でジュースを買ったのだが、前にも書いたとおりちゃっかり120円だった。黒島へも行きと帰りで会社が異なるため、これまた往復割引にならない。なんとかならんもんなのか。行きは八重山観光のサザンクロス号に乗船し、予定通りの14時30分に出航。黒島が八重山で郵便局が設置されている島々の中で、最後の島となった。黒島郵便局は以前は沖縄黒島郵便局と名乗っており、学生の頃に石垣島を巡った時はまだ「沖縄」が付いていた。この時に訪問しておれば懐かしの再訪問だった訳だ。その当時は小浜島と黒島のどっちにしようか迷って、結局小浜島の小浜島郵便局に行ったのだった。

まっちゃんおば〜のレンタサイクル
まっちゃんおば〜のレンタサイクル
港のそばにあるので便利。

 船は石垣島の離島桟橋を離れ、外海へと出て行く。この離島桟橋も幾度と無く利用したが、これでしばらくは利用する事もないだろう。建設中の新しい離島桟橋を右手に見ながら船は速度を上げていく。黒島は上から見るとなんとなくハートの形に似た島で、牛の数が人口の10倍らしい。手元の資料によると人口は221人、周囲12.6km、面積10.02平方kmの島で、こうしてみると鳩間島が小さな島である事が分かる。約25分の航海で船は黒島の港へ。港には波で足元をえぐられた岩が多く点在しており、結構目を引く。黒島郵便局までは港から結構距離があるため、最初は有償送還バスを使おうかと言っていたのだが、港に停まっているのは旅館の送迎車だけ。どこにいるのか探してみると、船着場の建物の裏手に停まっていた。ところがこれが動き出す気配が全く無い。運ちゃんもどこにいるのか分からず、これではどうしようもない。帰りの船は16時ちょうどなので、黒島での滞在時間は1時間ほどあり、バスは諦めて自転車を借りる事にした。港の辺りを探すと、「まっちゃんおば〜のレンタサイクル(ハートマーク3個)」と壁に書かれた建物があった。店の前には歩道にずらーっと自転車が並べられており、どうもこれがレンタサイクル屋のようだ。早速2人でママチャリを拝借し、いざ黒島郵便局へ。スタートダッシュ良く黒島の道へこぎ出したのだが、ちょっと進むと何か道がおかしい。慌てて地図を取り出して調べてみると、いきなり道を間違えていた。港から真っ直ぐに伸びる道を直進するのではなく、まっちゃんおば〜の店からちょっと行った所を左へ別れる道へ行かなければならない。真っ直ぐでも行けるのだがちょっと遠回りになる。少し戻って正しい道へと入り、のどかな黒島の道を進んでいく。広々とした舗装された2車線の道が続き、ちゃんと歩道も付いている。起伏が無いと思っていたのだが、島の真ん中に向かって少しだけ上り坂になっており、ちょっとしんどい。道の両側は放牧の島だけあって、見渡す限りの牧草地が広がっている。当然吹きっ晒しなので、風が吹くともう大変。これで雨でも降られたらどうしようかと思ったが、お天気はなんとか持ちこたえている。

黒島郵便局
黒島郵便局
高くそびえるポールが目立つ。
ここで八重山の郵便局を完訪。

 地図を見ると港から1kmちょっとで黒島小・中学校にたどり着く。周りには集落が全く無く、学校だけがぽつんと建っている感じだ。ちょうど島の中央部に建っており、どの集落からも等距離でいけるようにここに建てたのかも。隠れ肥満の我々二人は既に疲れており、まだここから1kmほどある。しかし時間は限られているので、頑張って豚足に力を入れて自転車をこいでいく。のんびりとした牧草地に草をもそもそ食べる牛の脇を、ブタが自転車で駆け抜けていく。黒島小・中学校からは一直線の道になっており、よ〜く目を凝らすと黒島郵便局の高いポールが見えるのである。はるか彼方に見えているニンジンを目掛けて、頑張って自転車をこぐ。八重山の郵便局を完訪するための最後のダッシュだ。この辺りは平坦な道なので、ニンジンの効果もあったのか、みるみるうちにポールが大きく見えてくる。やがて二車線の道が一車線の昔ながらの道に戻るところに黒島郵便局が建っていた。港からこの黒島郵便局まで、一軒の民家も無かった。この先には日本の道百選にも選ばれた道と、黒島の中心街の集落が続いているのだが、今回はこの郵便局だけが目的だ。局前に自転車を停め、局内へお邪魔する。先客がお一人おられたが、程なくして貯金完了。これで八重山の郵便局は全て回った訳だ。局内の掲示板には八重山商工の甲子園出場の号外とか、黒島出身の選手の事とかが掲示されていた。念のためにエコー葉書の所在を確認するがダメ。時間もあまり無いので局を後にした。この道をもう少し行けば黒島の昔ながらの集落が続いているのだが、今日のところは時間が無いのでパス。もと来た道を再び自転車で引き返す。帰りはニンジンもなく、へろへろとのんびり戻っていく。途中、鳩間島で見た水道記念碑があったので眺めてみたが、ここは小渕さんでは無い人の名前が彫られていた。黒島小・中学校の所からはなだらかな下り坂となり、割と楽にまっちゃんおば〜の店まで戻ってきた。船の時間までまだ20分くらいあるが、石垣島に続いてのサイクリングでブタ2匹は少々お疲れ気味だ。自転車を返して黒島の自称「旅客船ターミナル」という名の待合室で休憩とした。小さい小屋みたいな建物だが小さな売店もあり、黒島のお土産物を売っていた。ここでついつい黒島のイラストマップがプリントされたTシャツを購入した。

石垣空港行きバス
石垣空港行きバス
バスターミナルにて。
東運輸という会社が運行している。

 待合室で高校野球の中継を見ていると、安栄観光の船が港へ入ってきた。いよいよここから東京へと戻る旅路となる。安栄観光の船は八重山観光の船に比べると少し小さめのようだが、今回は乗客もそんなにおらず、船内の席を確保できた。16時ちょうどに船は黒島の港を出港し、八重山の海を進んでいく。さすがに疲れたのと、目的を達成した安堵感からか、ついついウトウトしてしまった。気付けばもう石垣島の新桟橋の横を通過しており、程なくして離島桟橋に到着した。この次、もし来ることがあればこの桟橋は無くなっている事だろう。飛行機まであまり時間がないので、預けていた荷物を受け取るとそのままバスターミナルへと急ぐ。16時40分に石垣空港行きのバスがあるのをおやんが事前に調べてくれていた。バスは40分に1本しかないので、これを逃すとタクシーになってしまう。バスターミナルに行ってみるとなんとも懐かしい雰囲気のバスがたむろしていた。事前に切符を買う必要があるらしいので、窓口で空港までの券を買っておく(200円)。程なくしてバスが到着。車内には荷物を置くスペースが確保してあり、外観も空港行き専用のバスのようだ。このバス、ここから空港へまっすぐ向かうのかと思ったら、途中のホテル日航八重山とかに寄り道してから行く。それでも15分くらいで空港に着き、ここでおやんと一旦別れる。私は今回はJALのマイルで来ているのでJTAだが、おやんはANKで那覇へ向かうらしい。今日は昼飯抜きだったのでお腹がすいていたが、那覇空港で合流して夕食とする事を確認して別れた。石垣〜那覇便は結構便数があり、しかも繁忙期なのでどの便も遅れ気味。私の乗る一本前の飛行機もまだ搭乗すら始まっていない状況だった。ちょっと時間があったので売店でさとうきびのソフトクリームを堪能し、搭乗待合室へ。定刻から10分くらい遅れて搭乗が始まったが、またもやシートピッチの狭い「不快マンタ号」だった。今回はその事を知っているので、そう思うと確かに座席が窮屈かも。まあ1時間ばかりのフライトなので我慢我慢。飛行機が高度を上げるにつれ、八重山の珊瑚礁の海が雲間に消えていった。

 陽もすっかり暮れた那覇空港に着陸し、おやん待ちとなる。時間があれば空港の外の店でソーキそばといきたいのだが、私が20時発の羽田行きで帰るので、やむなく空港の中の店で晩飯とした。やっぱし石垣島の店で食べたのとは味が違う。那覇には良く行く店もあったので残念だけど、それはまた今度に機会に。ここでおやんとはお別れ。彼は那覇に一泊して、翌日の神戸便で帰るらしい。お疲れ様でした。那覇からはタダ券でクラスJに乗り、機内でノートパソコンを使ってこの訪問記を書いたりしていた。記憶が鮮明なうちに書くとやっぱり書くのも速い。羽田には22時30分頃に着き、バスで調布まで向かい、そこから更に京王で府中まで帰った。鳩間島の風景を思うと、この東京という街は異星人の街かと思う程のギャップだった。
 
今回の八重山訪問は篠原さんの訪問記を参考にさせていただきました。この場を借りて御礼申し上げます。
 
訪問記の中に入りきらなかった写真です。
スカイマンタの絵
スカイマンタの絵
不快マンタ号のものです。
西表島の犬
「可愛い」とみんなが言う犬。
コンビなのです。
やまねこレンタカーの営業所
大原のやまねこレンタカーの営業所
路線バスのターミナルにもなっている。
イリオモテカイヤギ
食事中のイリオモテカイヤギ
横の道路は周回道路でバスが見える。
鳩間簡易郵便局
鳩間簡易郵便局の前の通り
旧局舎の辺りから撮ったもの。
ポストがあるので分かりやすい。
西表大原郵便局前のイリオモテヤマネコ像
イリオモテヤマネコ像
西表大原郵便局の前にある。
猫というよりかはイタチという感じ。
フクロウ付き仕切り線
郵便局訪問記へ戻る

sntree@bea.hi-ho.ne.jp