沖縄県にはこれまで何度となく足を運んできた。小学生の頃に家族旅行で初めて沖縄を訪れ、2回目は郵貯に手を染めた大学生の頃。なんとなく独特で異文化的な雰囲気が好きで、気付けば先島諸島の郵便局は完訪し、沖縄本島も残り少なくなっていた。今回はGWの連休を前に、いつものようにJALの特典航空券で旅行を狙っていた折、羽田〜那覇の券が運よく取れたのがきっかけだ。数えてみると沖縄本島は残り33局のはずである。今年は4月30日と5月1日が郵貯ができる日なので、2日あればなんとかなるかも知れない数だ。

今回乗った飛行機の窓から
機体番号はJA8090。
○4月29日(水)
郵貯前日。今日は沖縄への移動日だ。今回もなおとの二人旅。最近の郵貯はずっと二人で巡っている。今までの一人の時と違って、さすがにあんまり無茶な行程は組まなくなった。今回も昼過ぎの飛行機での移動なので、余裕を持っての移動だ。電車を乗り継いで羽田空港に11時頃には到着。さっそく手荷物を預け、少し早めのお昼ご飯とした。今日は連休の初日だったので、空港も混雑しているかと思ったが、思っていた程ではなかった。みなさんETCの1,000円高速道路での旅行にシフトしているのか、それとも不景気だからなのかは分からない。ただ搭乗する沖縄便は満席の表示だった。今回の飛行機は羽田を12:35に出るJAL917便。沖縄行きにはまだまだB747-400が飛んでおり、この便もその機材だった。乗ってみるとやはり満席。3人掛けの席だったので、「隣にごっつい人がこないとええな〜」などと言っていたのだが、来たのは小柄なおじいさん風の方。良かった〜。最近アメリカでは飛行機の隣の席に肥満気味の人が来ると、トラブルになることが多いそうな。航空会社の方も肥満気味の方には2座席分の券を買ってね、とお願いしているらしい。確かにその気持ちは分かるな〜。私も「2席分買ってね」と言われる側にならないよう、気をつけなければ。飛行機は定刻を10分ほど遅れて出発。この日は快晴で、窓の外には奄美大島や沖永良部島などが見えた。沖永良部島や与論島はまだ行った事が無いので、いつか行きたいものだ。飛行機は沖縄本島を右手に見ながら、那覇空港の南側からぐるっと回り込むようにアプローチしていく。見下ろす沖縄の町並みは、以前とは少し違っていて、目立つのは新しくできた道路とヤマダ電機の建物だ。糸満市内はマンションの開発が盛んなようで、今までの沖縄のコンクリート風の建物の中に、近代的なマンションが立ち並んでいた。定刻から少し遅れて到着。こちらも晴れていて、気温は東京と大して変わらず25℃くらいだった。

最西端の駅の碑
ゆいレールの那覇空港駅にて
以前は無かった気がする。
今日の宿は国際通り沿いの宿を予約してあったので、ゆいレールで美栄橋駅まで移動となる。久しぶりのゆいレールの那覇空港駅に行ってみると、「日本最西端の駅」の石碑のようなものができていた。以前はこんなものは無かったので、さっそく記念写真を撮っておいた。ちなみに日本最南端の駅はお隣の赤嶺駅なんだそうだ。ゆいレールは概ね10分間隔の運行で、ほとんど待たずに乗ることができる。車内は大きな荷物を持った観光客がほとんどで、マスクをしている人が多い。やはり新型インフルエンザの影響なのか、我々が呑気なのか。立ち客がいるかいないか程度の乗客を乗せて出発。小禄駅には大きなショッピングセンターがあるからなのか、乗車してくるお客が多かった。那覇バスターミナルなどを脇に見ながら進み、美栄橋駅に到着。ここは国際通りの中間地点あたりの最寄駅になっている。駅から国際通りの方を見ると、「ジュンク堂書店」の看板があった。なんでも撤退してしまったダイエーの跡地にジュンク堂が進出したそうだ。この時はまだ開店して1週間も経っていなかったそうな。岡山の宮脇書店も沖縄進出を控えているそうで、撤退した跡地が活用されることはいい事かと思う。そのジュンク堂の横を歩いて国際通りまで出て、少し久茂地方向に行くと宿が見えてきた。さっそく荷物を部屋に入れて、身軽になったところで国際通りへと繰り出した。せっかく沖縄に来たのだから沖縄っぽいものが食べたいってことで、しばらくうろうろした結果、おじいさんが一人でやっている沖縄そばのお店に入った。タコライスもあったので、合わせてオーダー。沖縄そばってうどんのようでラーメンのようでもある、なんとも絶妙の取り合わせで大好きだ。タコライスってのはほとんど食べたことが無かった。タコが載っているわけではなく、特に沖縄名産のモノが載っているわけでもないのだが、美味しかった。ごちそうさま。後はまた国際通りの裏通りの方までぶらぶらし、Tシャツなどを買ってしまった。私は旅先に行くと必ずTシャツを買ってくる傾向があり、普段着ているTシャツもほとんどが旅先のものだ。これでまた増えてしまった。

ゆうちょ銀行那覇支店
美栄橋郵便局と同居している。
パレット久茂地の中にあり、那覇の
中心地とも言うべき場所に立地。
○4月30日(木)
明けて郵貯当日。この日もお天気は最高で、気温も25℃くらいという最高のコンディションだ。今回の旅行は航空券がタダ券なので、宿とレンタカーを旅行代理店にお願いした。するとレンタカーを宿まで持ってきてくれるそうだ。これは初めての体験で、とっても楽だった。9時前頃に宿のロビーで待っているとトヨタレンタカーの方が登場。ロビーで契約を済ませてヴィッツ号で出発だ。まだ2,000kmくらいしか走っていない、しかも禁煙車のクルマだったので満足。ETCも装備されており、ETCカードもしっかりと持ってきたので助かる。ナビもHDDのやつで、郵便局もかなりの確率で載っていた。さて、宿の前の国際通りは9時までは久茂地方面はバス・タクシー専用レーンになっており、通れないらしい。公共交通機関がバスの沖縄では、朝のレーン規制が割とあったりする。知っておかないと捕まってしまうので注意だ。レンタカー屋さんからこの事を聞かされていたので、国際通りを逆走しなくて済んだ。最初の目的地が
ゆうちょ銀行那覇支店だったので、本当は国際通りを走るのが一番速いのだが、ここは迂回して到着。ただ場所がパレット久茂地の中にあり、ここは那覇の中心地のような場所なので、路駐などできるような場所ではない。少し迷ったが、パレット久茂地の地下駐車場にクルマを置いた。まだお店は開いている時間ではないので、駐車場もクルマはまばら。さっそく階段で1階にある
ゆうちょ銀行那覇支店へと向かう。ここは
美栄橋郵便局と同居しているゆうちょ銀行の直営店だ。沖縄のゆうちょ銀行直営店はここだけであり、
那覇中央郵便局は直営店化されなかったのが意外だ。確かに人通りの多さはここの方がはるかに多いので、そのあたりを考慮した結果なのかも知れない。
美栄橋郵便局は以前にユースホステルで借りた自転車で巡ったはずだ。局内に入ってみると、手前に
美栄橋郵便局の窓口があり、奥に
ゆうちょ銀行那覇支店の窓口があった。窓口の奥には両者を隔てる仕切りがしてあった。ただゆうちょぎ銀行の直営店化されても、窓口を増やしたとか、特に局内を変えたような様子はなかった。郵便局の貯金窓口をそのままゆうちょ銀行にした感じだ。

首里寒川郵便局
2001年2月26日開局。
屋根は沖縄でよく見る色だ。
ゆうちょ銀行の直営店はけっこう混雑するイメージなのだが、この日は待ち人はナシ。ロビーには今年採用されたと思われる「研修中」と書かれた腕章をした局員さんが案内していた。窓口に行ってみると、これまた研修中の方だった。ここでしっかりと鍛えられてから、沖縄県内の郵便局に配属されるのかな、と勝手に想像。ここでは普通の貯金と一緒に通帳更新もお願いした。研修中の方は先輩に聞きながら一生懸命処理してくれた。待ち時間中に、別の研修中の方がキャンペーンのご案内。なんでも定額貯金をすれば丸ポストの貯金箱をプレゼントしてくれるそうな。ただ、定額貯金の通帳をクルマに置いてきてしまったので、ここでは断念。しかし後から思うと、プレゼントの粗品が丸ポストの他に郵便配達車があったのがここだけだった。う〜ん、ちょっと残念。無事にスタンプも押してもらえて完了。これで沖縄県内のゆうちょ銀行直営店は完訪だ。さて、これからは以前に巡り終えたはずの本島南部の取りこぼし局を拾っていく。沖縄県内は公社化される以前には新規開局が多く、また局名の頭から「沖縄」や市町村名を省くという改称があったため、取りこぼしが点在する結果となった。まずは
浦添経塚郵便局を目指すことにする。ここは1999年9月27日に設置された局で、私は本島南部は1997年8月に巡ったので、それ以降に新たにできた形だ。行ってみると大きなショッピングセンターが裏にあり、大きな通り沿いに立地していた。お隣はローソンで、局の駐車場も6台分はあったと思う。そんなに待たされる事もなく貯金完了。お次は再び那覇市内に戻って
首里寒川郵便局を目指す。こちらは2001年2月26日の開局だ。那覇の街というのはかなりのアップダウンがある街で、道も狭いところが多い。JALホテルを横に見ながら坂を下りて行き、割と綺麗な片側一車線道路沿いにあった。沖縄風の局舎の屋根にはシーサーが鎮座していていい感じだ。ここも待たされる事なく完了。いい感じで来ている。次は
那覇三原郵便局で1998年9月8日の開局。既に10年以上も経過しての訪問になる。那覇市内のアップダウンのある細い道を進み、途中に
松川郵便局の前を通過。久しぶりだったので写真を撮ろうかと思ったが、道が細いのと交差点の手前だったので諦めて通過した。
那覇三原郵便局は首里方面から見ると道路の左側にあり、アパートの1階部分が郵便局になっているような形だった。

小禄泉原郵便局
1996年2月13日開局。
綺麗なマンションの1階が郵便局。
お次は国場川を渡って
小禄泉原郵便局を目指す。ここは1996年2月13日の設置なので、以前はチェック漏れをしていたため、訪問しなかったと思われる。当時はまだネット上で郵便局の一覧を見ることはできなかったはずで、マメに改廃情報をチェックしていないとこういう行き残し局を生んでしまう。今回の局巡りでも沖縄本島の局は完訪のつもりなのだが、実は行き残しがあるのではないか・・・と内心は戦々恐々である。ここは白の綺麗なマンションの1階が郵便局になっており、開局して10年以上とは思えない綺麗さだった。ここでも待たされる事なく貯金終了。これで那覇市内の要訪問局は完了したはずだ。さらに続いて糸満市内へと駒を進める。そういえば最近は「ケータイ国盗り合戦」というものにも手を出している。これは携帯の位置情報サービスを利用して、全国を600のエリアに分割し、そのエリアの電波を受信して位置情報を業者に送ることで、その地域を平定・・・というゲームである。昨日は那覇エリアを統一し、今日は首里を既に統一していた。クルマは豊見城市を通って糸満市内へと走っていく。ここで豊見城・糸満エリアを統一。琉球エリアは8ヶ国に分割されており、沖縄本島でまともに盗れるのは6ヶ国になる。郵便局の方は糸満市内の
潮平郵便局を目指している。ここは2001年2月19日の開局で、
首里寒川郵便局の1週間前だ。途中、那覇の細い市街地の道から少し外れて、さとうきび畑もちらほら見えてきた。お目当ての局は国道331号線沿いの那覇市内方面側にあった。局の前の国道は中央分離帯があるので、反対側から来る場合は要注意だ。お隣が吉野家で、駐車場が兼用な様に感じたが、郵便局側に駐車した。ここではお客さんが少しいて、やや待ち。しかしものの5分もかからない。とっても迅速に処理してくださっている。さて、そろそろトイレ休憩をしたいので、国道に看板が出ていた「道の駅 豊崎」に寄ってみる。看板のところからは少し距離があったが、新しく作られた国道331号バイパスからちょっと横道に入ったところにあった。那覇空港へ着陸する飛行機の進入コースの近くにあるので、かなりの大きさで飛行機を眺めることができる。この日はまだGWの中日という事で、お客はほとんどいなかった。スタンプがあったので実逓の裏に押しておいた。

玉城郵便局
沖縄の文字が取れたことにより
再訪問となった。壁にはうっすらと
「沖縄」の文字が残る。
お次は沖縄本島南部にある
玉城郵便局だ。ここは以前は
沖縄玉城郵便局だったのだが、1999年6月28日に沖縄の名をはずすという改称があったので、再訪問が必要になったのだ。
宜次簡易郵便局の傍を通過してクルマを進めるが、途中で「猫喫茶」なる立て看板を発見してしまう。「これは何だ?」と興味を示してしまい、とうとうお店の前まで行ってしまった。しかしどうも猫同伴が可能な喫茶店だったらしく、Uターン。そろそろお昼ごはんでも、という時間帯だったのだが、残念。犬同伴の喫茶ならまだ分かるのだが、猫同伴って・・・。猫と一緒に外出というパターンはほとんど聞いたことが無いし、猫は場所に慣れる生き物なので、旅行に連れ出すのは大変なのだが。ちょっと寄り道してしまったが、お目当ての
玉城郵便局に到着。局舎はたぶん以前のままであり、局舎に付けられた局名表示には「沖縄」の文字の跡がうっすらと残っていた。さて、ここで問題。この後、久高島にある
久高島簡易郵便局に行くかどうかだ。同行のなおは船酔いする傾向があるので、この日の強風に頭をひねる。今回の沖縄滞在中、ずっと風速10m/s以上の風が吹いており、波浪注意報が出っぱなしだった。このため離島上陸は次回へと回し、ひとまずお昼ごはんタイムとなった。この近くに以前に行った奥武島があるので、そこに行ってみる。ここは島と言っても本島から10mくらいしか離れておらず、川を渡るような感じの橋で結ばれている。海が綺麗だったので、きっと食堂とかもありそうだ。久しぶりに行ってみると、橋を工事しており、仮の橋がかけられていた。橋を渡ると奥武島に上陸。まずは12年前に一度来たことがある
奥武簡易郵便局を訪問してみる。島を周回する道路の裏道に立っており、島に入ったら右斜め方向の道を進めばすぐに見えてくる。以前と変わらない佇まいに懐かしくなり、せっかくなので定額貯金をすることにした。二人でお邪魔してみると、局のロビーではおばあちゃんが島らっきょうをむいていた。お客さんかなと思ったら、以前、この局で受託者をされていたおばあちゃんだった。12年前に私が訪問した際には現役だったそうなので、お世話になったことになる。今は娘さんが跡を継いでおられるそうな。

奥武簡易郵便局
12年前と変わらぬ佇まい。
局名は「おくたけ」だが地名は「おう」
定額貯金をお願いしている間にいろいろおしゃべり。昔は貯金の取扱時間が8時35分から16時30分までという、かなり変則的な時間だったのを覚えている。特に朝9時前の窓口貯金は中央郵便局でも不可能で、私が知る限りではこことお隣の
親慶原簡易郵便局だけだった。今は9時から16時という、一般的な時間に変更になっていた。これは民営化の際に見直されたそうで、またその時におばあちゃんも引退されたそうだ。このおばあちゃん、沖縄が日本に返還された際に簡易郵便局の募集があり、その時に手を挙げ、沖縄県内で2番目の簡易郵便局となった。1番の簡易郵便局は既にもう無いので、現存する県内最古の簡易郵便局となる。局番も70702で、沖縄県の簡易局の2番である。長い間、お疲れ様でした。12年経っての再訪問となったが、「今度は子供と3人でおいで」と言ってくれたのが嬉しかったり。近くの
久高島簡易郵便局にまた来ないと行けないので、その時にはまた寄らせていただきます。