FF in New Zealand

Home       Back

FF in Christchurch

2004.12.26〜12.29

 私にとってNZは・・・憧れの大地。機会があれば、ぜひその大地を踏みしめキャストしてみたいところでした。このたび縁あって踏みしめるチャンスがめぐってきました。

 NZへ向け事前準備は、十分というほどの時間はなかったですが、とりあえずフライラインは、明るい色のものは×ということで、オリーブカラーとキャメルカラーのものを用意。フライのほうは、基本形のドライとニンフを準備しましたが、これは、時間の関係で十分用意することはできませんでした。あとは、ガイドさんが何とかしてくれると納得しました。

 さて、前置きはさておき、成田へと向かいましょう。ニュージーランド直行便は、日に一本しかなくNZ航空と日本航空の共同運航便。日本時間(26日)PM6:30に飛び立ち、オークランドには、現地時間(27日)AM9:15(日本との時差+4時間)に到着。NZは、入国審査とりわけ土がついているウェダーやブーツ、フライなどの検査が厳しいらしく、私はスーツケースを開けるのはもちろん、フライボックスの中身までチェックされてしまった。しかもいくつか質問される(もちろん英語で)・・・なんとなく「コレハ アナタガ ゼンブ ツクッタノカ?」と聞いているみたいであったので「イエス」と答えた。すると、なにやら隣の検査官とひそひそ話している。(まずいぞ・・・没収か・・・と脳裏を横切る・・・)フライのウイングをチョンチョンと触るしぐさをしたり、横から眺めたりと急がしそうにやっている。こちらがあせっていると、「コノ フライハ ツレソウダ!」と言ってくれた。(そんなことだけなら、そんなに確認しなくてもいいのでは・・・と思ったのですが、笑顔で「THANK YOU」と答えている自分がいた。しかし、ほめてくれたのもつかの間、ウェダーとブーツは消毒のため没収。目的地クライストチャーチに着く前に、消毒液でひたひたにされてしまった。NZの洗礼を受け、オークランドからクライストチャーチの国内便に乗換えと急いだ。国際ターミナルと国内ターミナルは少し離れているところにあり、バスで移動。重いスーツケースは、バスが運んでくれるのだが、入国検査で戸惑っていた私は、バスが行ってしまいスーツケースを自分で運ぶこととなってしまった。まあ、思い通りにいかないのも旅の醍醐味であると自分に言い聞かせ、空路、クライストチャーチへと向かいました。

 クライストチャーチに着くと、とてもいい天気。これがNZの夏なんだなと実感。紫外線が日本の7倍といわれているのですぐに日焼け止めを顔中に塗りたくった。この日は、市内観光が組まれていた。日本語ガイドの方に話を聞いてみると、12月に入り、かなり天気が悪くとても気温も低かったそうである。今日のようないい天気は、かなり久しぶりであると話してくれた。クライストチャーチ市内観光のほうは、ハグレー公園、エイボン川、カンタベリー大学、大聖堂などをみてまわりました。どことなくイギリスのような雰囲気。趣のある建物が多く感動の連続であった。また、クライストチャーチは、ガーデンシティとも呼ばれているのでどの家庭も素敵なガーデニングが施されていた。私も一軒見学することができ、それは見事な花や緑に感動。紫外線が7倍ということで花や緑の成長が早いのもうなずけた。

 明けて28日は、カイコウラへのホウェールウォッチングを敢行。クライストチャーチからの観光としては、ほとんどの方が行くようである。しかし、私は、ボートのゆれにかなりひどい吐き気を催し、しっかりと鯨を見ることができずに終了となった。明日は、ようやく釣りなのにこれで大丈夫なのかなと不安がよぎった。

 今日29日はいよいよNZFF スタート。朝、ホテルでガイドさんと待ち合わせ、どんな方が来るかとても楽しみにしていると、初代ハイラックスサーフにのって口ひげがきまっているMrマーティンが迎えに来てくれた。とても元気のよい明るく楽しませてくれる方でした。

 今日行く川は、NZと言えばスプリングクリークであり、ブラウンが潜む川であることを車の中で話してくれた。ホテルから50分ほどでその場所に到着。昨日から乗り物にかなり乗っているので、短い移動はとてもほっとした。到着後すぐに釣り支度。あまり荷物を持たずに軽装を心がけた。リーダーは3X9ft、ティペットは5Xを使用。フライは、マーカー代わりのドライと、その下に小さい#16ニンフをぶら下げた。これで大物を釣るのかと思うと緊張した。とりあえずNZのブラウンの合わせ方を少し浅いところで練習しようということになる。とにかく少しでもドライが沈んだら思いっきりあわせろと言うのがマーティンの教え。これを守って何度となくキャストを繰り返す・・・はじめは思うようにあわせることができなかったが、徐々に慣れてきて、何とか小さいながらもNZ初のブラウンをストライクすることができた。その後、もう一尾追加し、いよいよ大物を探して上流へと向かった。

 魚を探すマーティンの後ろを私は歩く。すると橋の下に大物を発見。すぐにやや下流に入り、そのポイントめがけてキャスト。心臓の高鳴りが聞こえてくるぐらい緊張していた。何度目かのキャスティングのとき一度反応があったが、合わせが遅かったせいか、うまくフッキングすることができずに残念ながらそのポイントではノーフィッシュとなってしまった。マーティンがあせらずやっていこう!昼食にでもしようと励ましてくれた。

 マーティンが用意してくれたサンドウィッチをほおばり、満腹となったところで午後のFFスタート。先ほどよりさらに上流へ向かう。行く道すがら50センチクラスのブラウンが泳いでいるのを何尾も確認。もちろん狙いましたが、うまく反応してくれない。フライを見るも素通りすることが多かった。数度狙い、反応を見て、すぐに上流へと足を向けることを繰り返した。

すると、今度は広いプールになっているところに到着。そこにも多数のブラウンがスイム。この中の一匹でも反応してくれればと言う思いで、先ほど教えてもらったように、少しでもドライが沈んだら大きくあわせること頭に描きながらキャスト。何度も繰り返す・・・何度も・・・何度・・・何・・・んんん・・・沈んだ!!・・・大きくあわせる右手のロッド、思いっきり引く左手のライン。水中で反転するブラウン。あまったラインをリールに巻き取り、リーリングで勝負。なんとか寄せてくると、寄せたぶんだけラインを出され、いつになってもよってこない。そんなことを5分ぐらい繰り返す。途中でブレイクだけは勘弁。そう思いながら慎重に魚を寄せマーティンのランディングネットに魚をおさめたときは、かなり の脱力感があった。パンパンに膨らんだその魚体は4ポンド48センチのブラウン。満足のいくサイズであった。マーティンとがっちり握手。記念撮影会となった。この日は、これで納竿。初日からBIGFISHに出会えほっとした。ホテルに帰ってからも4ポンドの重さを思い出し笑顔になる私であった。

 

FF in Queenstown

2005.1.2〜1.3

 数日の観光をはさんで、南島を縦断しました。ニュージーの移動はバスが中心となるので、クライストチャーチからクイーンズタウンまでには、間にマウントクックで一日滞在。マウントクックのトレッキングを楽しみました。「マウントクック」世界遺産指定でもあり、とてもきれいなところでした。

 そして、クイーンズタウンに移動しFF2日目を迎えたのです。この日もホテルで本日のガイドさんを待っていると、長身の男性が私のほうへ向かって笑顔で近づいてきます。目が合うとにこやかに私の名前を呼んでくれがっちりとMr.ジェフとシェイクハンド。初代パジェロに乗り込んで一路本日のポイントへ向かいました。途中ガソリンスタンドに立ち寄り、ガソリンを入れるのかと思いきや、フィッシングライセンスを購入。ガソリンスタンドでライセンスが売っているとは少し驚きました。さあ、今度こそ移動。するとすぐに車は湖畔でストップ。んんん・・・湖で釣りをするのかと思っていると・・・ここで荷物を下ろせと言う。やはりここで釣りをするのかと確認すると・・・No・・とりあえずついてこいというので、指示通りにMr.ジェフの後に荷物を持ってついていく。すると、小屋らしき前に到着。今小屋を空けるから待っててほしいと言われる。

 ジャラジャラという音とともにシャッターが開くと、そこには、なんとモーターボートが登場。このボートに荷物をのせ、湖をかっ飛ばし本日のポイントへ移動すると言う。とても天気がいい日、紫外線が7倍なので今日もがっちり日焼け止めを塗りたくった。約30分でボートの旅は終了ポイントに到着、川幅約20メートル、水量の多い河川であった。タックルを急いで準備。ロッドは9ft、#5、リーダー3X12ft、ティぺト6Xを使用。フライは#10アダムスパラシュートを結び、その下にフェザントテイルをつけた。

 さあ、キャスト開始。流れの中心脇をこの二つのフライで攻める。いわれたとおりにやっていくと・・・いきなりアダムスがすっと消えた。もちろんラインとロッドを大きくあわせる・・・ロッドが大きく曲がり、残りのラインをリールに巻き取る。ここまでは順調。とても強い引きで、下流に走る魚は、その川の流れの勢いもプラスされさらにパワーが増したように感じた。ぐんぐんラインを出され気がつくとバッキングまで引っ張られる。私があわててラインと巻き取っていると、ジェフは当たり前のように5分から10分はかかるよといってのんびりムード。もう慣れたもの。リールを巻いては出されの繰り返し。何とか手元に手繰り寄せたとき、その魚の大きさにびっくり48センチのレインボーであった。こんな大きなやつドライにどかっと出るあたりさすがNZ。

 幸先よく釣れたのでさらに気分よく上流に向けてたたいていった。すると今度は、ドライがすっと沈みました。もちろんすぐにあわせる。どうやらニンフに食いついたようである。先ほどより小さい感じがして、ゆっくり手繰り寄せるも、これまた42センチのきれいなレインボー。その後もう一度あたりがあるもばらしてしまい、あたりも次第になくなってきた。

 すると、ジェフが川の中心に立って対岸の筋を流してみようと指示をくれた。押しの強い流れを歩き、中心に位置し同じようにアダムスでたたいていくと、水面が渦を巻くように下から魚がアタック。ロッドは弧を描き、ラインが思い切り引き出されていく。自分が立っている位置が川の中心だから、このままでは取り込めない。どちらに歩いていくのがいいかしばし考え、もといた側に戻ることに。リールファイトをしながら、そして、その魚の重さを感じながら、もう少しで岸にたどり着くときに・・・ロッドのテンションがなくなってしまった。ざんーーーーーねんーーーーやってしまいました・・・それは見事なばらし。かなりショック。ジェフも今のは大きかった、また釣ろうと慰めてくれた。

 気をなかなか取り戻せないまま、再度川の中心に戻り先程の続きスタート。するとすぐにまたあたりがフッキングしましたが・・・ばらし・・・んんん・・・ばらし癖がついているぞ・・・そしてそれをもう一度繰り返した。これで4連続ばらし。ここまでくると見事。まずいパターン・・・何とか払拭しなくては・・・と思っていると、また魚の反応が、今度はばっちりフッキング。これは絶対にばらさないぞという強い気持ちで、今度はもとの側には戻らないで向こう岸に魚を寄せた。ジェフも渡ってきてくれ、何とか5匹連続にならずにすんだ。メジャーをあてると50センチのレインボー。初の50センチオーバーを達成することができうれしかった。

 大物も釣れたということで休憩をかね昼食となった。ジェフの用意してくれたサンドウィッチとりんごをほおばり、なれない英語で何とか会話を楽しんだ。

 後半戦は、ブラウンをジェフが探し、ドライ(ハンピー)でたたきますが、なかなか反応してくれず、がんばって2度ほどアタックがありましたが、フッキングできたのは一度だけしかもそれをばらしてしまった。その後もがんばってせめていきましたが思うようにはいかず終了となった。帰りのボート上、風に当たりながら明日はどんな魚が出てくれるか楽しみに帰路についた。

 明けて1月3日NZでのFFも最終日。前日と同じ時間にMr .ジェフがホテルに迎えに来てくれ、再度ボートに乗り昨日の川の上流へと向う。今日は、昨日のようなよい天気ではなく、曇り空やや肌寒い朝。ジェフ曰く「曇りで寒いので今日は昨日のようにはいかない。厳しい釣りになるかも・・・」そんな言葉を聞きやや落ち込みそうになったが、雨が降っていないだけよしと考えるようにした。

 今日の使用フライは、ドライが厳しいと言うことでダブルニンフシステムで攻める。そして、ジェフが魚を見つけてニンフを流し込むことに。しかし、数匹の魚を見つけてはニンフを投げ込むも思うように魚が反応してくれません。これは、本当に厳しいなーと感じ、ニンフもかなりローテーション。フェザントテイルやビーズヘッド、ボディがオレンジのニンフなどかなり入れ替えましたが、ノーフィッシュ。時にはトリプルで攻めましたが、逆にキャストしづらくなり悪戦苦闘。これは、午前中ボウズもありえるという気配が漂い始めた。

 そこで、昨日と同じようにドライとニンフのシステムに戻し、流れの中心を攻める。いくつかの流れを探っていくと・・・やっとハンピーが沈む、ニンフに反応があった。もちろんそこを大きくあわせる。そして、リールファイトを楽しみながら(本当は確実に捕るためにあせっていました)48センチのレインボーを釣ることができた。午前中はこの一匹となったので、釣れただけでもほっとしたが、サイズもよく満足のいくものとなった。ここで昼食休憩。このころになるとやや気温も上がってきた・・・

 午後は、気温上昇に伴いドライだけで攻めることに。流れのゆったりとしたところを扇状に攻める。これを繰り返していると・・・水面から大きな魚がフライめがけてゆっくりとよってくるのを確認。一瞬慌ててあわせそうになるが、まだストライクしていないのでそのままに、本当はかなり短い時間だったと思うが、自分にしてみればスローモーションのような映像。フライの下を一周した魚、ハンピーめがけて今度はドシャと食いつく。もちろんロッドをたて、ラインを引きあわせ「ストライクオン」よし、よし、よし・・・きたよーーー、すぐに残りのラインを巻き取り、取り込む作業。しかし、ジェフは離れているところにいて、釣れたことに気づいていない。これは、自分で取り込むしかない。ランディングネットは持っていないので、下流の浅瀬に寄せることに・・・その間にも魚はジャンプを繰り返し、なかなか寄ってはくれない。じっくり時間をかけなんとかキャッチしたときは、ストライクしたポイントより、20メートルも下がったところであった。苦労した甲斐があり、釣れたレインボーは体高もあり、目も大きな53センチ。昨日の記録を更新することができた。こんなやつが下からドライに出るなんてNZは桁違いだと改めて実感。もちろんかなりの枚数の記念撮影会が行われた。

 これで満足するかなと思いましたが、やはり釣りに満足はありません。さらにでかいやつがどこかにと思うのでしょうか。ロッドを握る手にさらに力が入る。その勢いのまま、ジェフが指定した流れの中をドライで狙うと、言ったとおりのポイントからレインボーが勢いよくアタック。今迄で一番元気のよい魚で、釣り人の喜ばせ方を知っているのか何度もジャンプを繰り返す。十分楽しませてくれランディング。魚は48センチありこちらも十分のサイズであった。

 ここまで、レインボーは出ているが、なかなかブラウンが釣れていない。ジェフもブラウンを釣らせたいと言う。そこでさらに上流に歩を進める。すると、流れの脇でブラウンが一休みしていた。下流に入りアダムスをつけ、静かにキャスト。何度も繰り返すキャスト、少しずつポイントを変えるブラウン。そのたび、ジェフが私にアドバイス。逆光でフライを確認するのが難しく、キャストする長さでフライの場所を推定するのがやっと。そんな状況の中、キャスト十数度、ジェフが「ストライク!!」と叫ぶ、私もその声に呼応するかのようにロッドを立てる、すると、ロッドがギュンとまがる。よし!あっ。テンションがもうない。うまくフッキングすることができずに終了。せっかくのチャンスを・・・残念。

 その後は、残りの時間できるだけキャスト。流れの脇を中心に、魚がいそうなところを探ります。しかし、思うようなアタックはなく、最後の30分は、景色を眺めながら、NZの川でキャスティングを楽しんだ。

 帰り道は、一日をかけてかなり上流まで来たので、きれいなダンデライオンやフォックスグローブを眺めるいいトレッキングとなった。