直線上に配置

ソフトボール入門
ウインドミルで投げよう

レッスン5 総仕上げ〜セットポジションから投球


アイコン  いよいよ本式に投げるときが来ました。
 本塁を向いてセットポジションをとります。この状態から、これまで学んできた大の字へ移行します。移行の仕方は、両腕を下から前(本塁)に向けてあげながら、右足は、地面につけたまま、左足で前にステップするのです。左腕は、前に来たらそこで止め、右腕は、さらに上、後ろと回転していきます。ここで体が大の字になり、捕手の方向を向いていた体が90度回転して3塁側を向いています。
 本塁を向いてセットし、大の字までの移行を何度かやってみてください。
しかし、もし本当に大の字になってしまったら、左足が着地していることになりますからだめです。左足が着地するときは、腕と腰が衝突するリリースの時ですから、大の字からさらに  腕を回転し、リリースへと進まなければなりません。

(練習5) 捕手に正対した状態から、正規の形で投球してください。

 以下に、注意点をあげます。

(セットポジション)
 セットポジションから投球動作への移行は、投げやすいようにしてください。
 セットの位置を、いままで練習したように、腕が伸びきったもっとも下の位置にしてもいいでしょう。少しグラブをあげておなかのあたりでセットするのが一般的です。胸の位置にしたり、あるいはいったん高く両腕をあげ、それを下にぐっとおろし、そこから投球動作に入る人もいます。人それぞれですが、力の入らない自然な形でまずはセットしてください。

(始動)
 セットから、ボールを持った腕をどのように動かし始めるかも人それぞれです。ここまでの練習では、特に反動などをつけず、腕が伸びた位置からそのまますっと上に持ち上げるようにしてきました。しかし、それでは踏みだしに力が入りませんから、セットの状態から、少し右腕を体の後方にふって、あるいは、真下に落としてから投げるのが一般的でしょう。人によっては90度後方に振ることもあります。たくさん回したからといって速い球が投げれるわけではないので、そうやってタイミングをとりやすい人はそうすればいいということです。よけいな力が入るのはよくありません。
 腕がもっともスムーズに持ち上がるように、体も動かし始めます。ふつうは、セットから軽く前傾姿勢をとり、がばっと顔をあげる感じです。
 また変化球投手は、球の握りを見られないために、腕が回転を始めるまでグラブでボールを隠して投げる場合があります。この場合、セットから、右肘を上に引き上げます。そのとき、グラブも右上に上がります。そこから右手を下に落としますが、まだグラブでボールは見えません。腕がスピードをもって回転を始めるときにやっとグラブがボールから離れるような投げ方です。

(足の位置)
 練習では両足は平行にそろえましたが、実際には、少し右足が前に出ます。
 投手板(ピッチャーズプレート)は15センチの幅にありますが、セットポジションのとき、このプレートに両足がかかっていなければなりません。そこで、右足はプレートの前に出し、右足のかかとがプレートに触れるように。左足はプレートの後ろに置き、左足のつま先がプレートにかかるようにします。こうすると、踏み出しを力強くすることができます。
 なお、踏みだしのとき、軸足(右足)がプレートからはずれる人がいます。初心者が悪い癖をつけてしまった場合、まず右足で30センチほど踏み出して、それから左足を大きく踏みだし投球動作に入ります。これは一般にツーステップと呼ばれ、反則投球です(反則投球とはイリーガルピッチの訳で、野球で言うボークです。ふつうはイリーガルと言います)。ツーステップと正規の投球フォームの中間に、ジャンピングというのがあります。これは右足でステップするのではないのですが、大の字になったとき、右足がプレートから離れ、体全体が何十センチか本塁側へ飛ぶようになることです。これも、20センチぐらいなら大目に見てもらえますが、ひどいのになるとイリーガルをとられます。

(ステップ)
 変化球を投げるようになると、球種によってステップがちがうということが出てきますが、いまは速い球を投げることができるように、各自もっともよいステップの幅を調整します。一般的に言って、ステップが小さいと、腕の力だけで投げるようになります。ステップが大きすぎると、腰が回りません。ある程度のステップをとって体が少し沈むほうがいいのですが、脚力を鍛えていないと、特に左の膝に負担がかかるので、試合後半まで持ちません。ですから、試合後半にほとんどステップせず、左膝を折らず腕だけで投げてるようなら、左膝にきてるということになります。そんなことのないように、ウインドミルを学ぶとともに、体力も強化しなければなりません。
 それから、ステップの方向ですが、右足のちょうど真ん前に左足が着地するようにします。少し左足が右側に来てもいいでしょう。(私は行き過ぎて、左膝に投球があたってしまったことがあります)

(胸をはる)
 リリースの直前から、胸を大きくはりだします。腕は上から後ろに回るあたり、そしてリリース時まで。鳩になったつもりで。この瞬間が、ウインドミル投法でもっとも力が入るところ、ダイナミックな瞬間です。

(フォロースルー)
 ボールをリリースしたあと、右手は、捕手をゆるやかに指さします。手首を返したところで、腕の勢いは消えているので、力強く捕手を指さす必要はありません。リリース時には左脇にたたんでいた左腕ですが、リリース後は、打球に備えて前にかまえ、守備体勢をとります。


直線上に配置