■ 食品という名の添加物 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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たんぱく加水分解物、アミノ酸系調味料などと呼ばれる、実に都合のよい調味料が一般に使われるようになったかと思うと、こんどは『核酸系調味料』とか『酵母エキス』などというような調味料も登場しています。そしてそれらは最近では『化学調味料』とは呼ばれず『うま味調味料』と呼ばれていたりします。 かつて『加水分解』という方法で調味料としての旨み成分が精製、抽出されてきました。この『加水分解』とは読んで字の如し、タンパク質に水を加えたり、塩酸などの強酸を加え、分解し旨みを得ることです。しかし、最近では遺伝子組換え大腸菌などを利用した発酵技術の応用が主流となっています。
工業的に製造される調味料は最近では微生物による発酵が主流です。かつては石油を原料にしたり(1970年代)、タンパク質やデンプンを塩酸などの強酸で分解したり、酵素を使ったりする製造が行われてきました。 ●発酵といえば聞こえはいいけれど かつて『化学調味料』と呼ばれた時期もありましたが、イメージがよくないため業界側では『うま味調味料』という呼び名を普及しようと努力しているようです。製造方法が変わり、イメージアップしても、いかに安く、大量にというコンセプトにはなんら代わるところはありません。うま味成分を安定中和させるため、化学的な処理が行われる点では、食品として認められている『たんぱく加水分解物』も同様です。安全性は二の次になっている点は否定できません。 ●遺伝子組換え技術が主流 発酵といえばいかにも健康的なイメージがありますが、その内容は私たちが考える伝統的な発酵とは程遠いものです。最近では遺伝子組み換え微生物に発酵の過程を代用させ、ごく短時間で大量に旨味成分を作ってしまいます。しかもその原料は『食品廃材』が使われることが多い。そして、使われるGM微生物も、大腸菌が主流となっています。これを発酵と呼ぶことに、おおいに抵抗を感じます。 このように、日常、私たちが使っている調味料などと比べて大きな違いがあります。そしてその差異はたやすく無視できるというものではありません。それを箇条書きにしてみます。
■食とは何か 調味料を含めて、食品とは何でしょう。またその問を次のように言い換えたらどうでしょう。私たちは何のために食べるのでしょう。空腹を満たすためでしょうか。グルメの欲望を満たすためでしょうか。そのような目的のために私たちは食するのではないはずです。 『医食同源』ということばがあります。私たちは健康に暮らしてゆくために食するということを忘れてはいけません。そのためには、信頼できる生産者の作ったものを、安心して食べるという基本の姿がまず必要です。さらに生産者には強い使命が必要であり、さらに責任があるわけです。なぜならば、ひとりの生産者が受持たなければならない消費者の数は、あまりにも複数かつ多数であるからです。 いわゆる粗悪な食品になればなるほど、製造者の心は消費者から遠ざかってゆきます。そしてそれは食べ物としてのおいしさとはほど遠いものとして判断せざるを得ないのだと思います。 |