一括表示


 道長では商品袋に添付の表示シールに一括表示欄を設定することにしました。これには一括表示の記載方法も定められていて、基本的にはそれに準じた書式を設定する必要があります。この表示を検討するため、県農水部と豊川市保健所に問い合わせ、相談をしました。

道長の『和風きむち』の一括表示のひな型は以下に示したようなものになります。
@
名 称:これは実際の名称ではなく、分類的には『農産物しょうゆ漬け類』となる。
A
原材料名:主原料の白菜を一番初めに、あとの原材料は(漬け原材料として)使用量の多いものから順に表示します。
B
原料原産地名:主原料の白菜の原産地を表示。国産の場合、その産地名を記入してもよい(愛知県音羽町など)。
C
内容量:重量を記載
D
賞味期限:賞味期限のみ表示(加工年月日、製造年月日などは一括表示欄には表示しない)
E
保存方法:一般家庭の冷蔵庫で管理可能な温度である必要がある。例えば『5℃以下』は現実的に無理があるため、10℃以下とする。
F
製造者:法人の場合は会社名、個人の場合は個人名を記入。住所は『字』も入れる。
名  称しょうゆ漬け
原材料名
白菜、漬け原材料(トマトピューレ、白梅酢、たまり醤油(大豆を含む/遺伝子組み換えでない)、白たまり(小麦を含む)、みりん、りんご、人参、塩、にんにく、唐辛子、しょうが、鰹節、昆布)
原料原産地名国産
内容量200g
賞味期限2004.4.4.
保存方法10℃以下
製造者石川豊久

愛知県宝飯郡音羽町大字萩字上林78−2

 以上のように『一括表示欄』の中には以上の表示が必ずなければならない。それと同時に必要な項目以外の表示はできないということにもなっている。

 たとえば『遺伝子組み換え』については、組み換えを含んでいる場合のみ表示しなくてはならないことになっている。醤油などで、組換え大豆を使用していない場合には、「遺伝子組み換えでない」と表示してもよいということになっています。

 その他「食品添加物は一切使用していません」という文句については、一括表示欄の中には表示不可。またその欄外、たとえば商品袋のどこかにそれを記入することは可能ですが、あまりすすめられないというのが保健所の見解です。要するに一括表示欄で添加物が表示されていないのであれば、その欄外にその事実をあえて表示する必要はないというのがその理由です。

 こうしてみると、道長の商品の袋にあっては問題となるような部分も多々あるということになります。しかしながら生産者としての立場から、あえて消費者に伝えたい事柄もまたあるわけです。「これほどにも素材にこだわっている」ということをどこかで伝えたい。

 食品における『表示』にはふたつの見解があるわけです。消費者の立場からすれば『本当にそうなのだろうか』という懐疑心。生産者にしてみれば「都合の悪いことは表示したくない」という欺瞞(ぎまん)という双方の意識のずれが明確にあります。双方に信頼関係がない場合には『表示』の目的は薄らいでしまう。しかしながら、せめて一括表示欄に示されている内容のみは手がかりとなる。また生産者からすれば、この表示ではウソはつけない。
 本来的に、信頼を裏切らないための表示というのが、道長として最小限目指すべきところなのではないかと思います。

 もうしばらくの時間をいただき、よりよい表示を目指したいと思います。よろしくお願いします。