今から40年ほど前には事情はさらにきびしく、ぼくが幼少のころ経験した食は現代よりかなりひどい状況だったと今にして思います。現代より強烈な添加物漬けの食品を食べ、それをおいしいと思って育ってしまった。これはとても残念なことだとも思います。
でも、しかしです、幸いにもぼくは自分の母親の作ったぬか漬けの野菜をたべることができました。土用の炎天の下、縁側に干されている梅ぼしをつまみ食いすることができました。七輪にホタテ貝に取っ手をつけた小鍋をかざし、焼き味噌だけのおかずでごはんを食べて満足感でいっぱいになれた。むしろそんな『食』に支えられていまの自分があるのだとも思います。そしてそのときの味、香りが今も新鮮に思い起こされるのです。
ぼくにはそんな単純な味が魅力だし、たくあん漬けに求める風味・歯ごたえもそれが基本になっているのかもしれません。 |

おいしそうなのはいいけれど、これが添加物の固まりかと思うと・・ |