中国をはじめ、インド、東南アジア諸国、イタリア系諸国、メキシコ、中南米と世界で幅広く使われている代表的な香辛料、唐辛子はナス科の一年草です。

ひとくちで『唐辛子』といっても、その種類だけあげたとしても世界中で2千とも3千とも言われるほどたくさんあるそうです。形もさることながら、その色彩も赤、黄、緑と鮮やかで豊富。また、風味も辛いものから、むしろ甘味のあるものまでとさまざまあります。観賞用の園芸種まであるほど。

辛くない種類のパプリカ
唐辛子のなかまたち
辛くない種類
ピーマンメキシコ原産。香味野菜の代表格
パプリカピーマンより甘味がつよく、赤黄緑と鮮やかな彩りが食卓で人気。
山 科日本の在来種。緑色
万願寺日本の在来種。緑色
しし唐南米原産。

辛い種類
鷹の爪南米原産。日本でいちばんポピュラーな種類で、七味やラー油に使われる
青唐辛子鷹の爪などを青いうちに収穫したもの。辛味が強い。
韓国唐辛子
比較的辛味が少なく、香味がつよい。種類はいろいろありますが、道長では『太陽』という品種のものを使用。
パラペーニョメキシコ料理に欠かせない。
ブリックキヌータイ原産。とにかく辛い。
ハバネロペッパーメキシコ原産。世界一辛いといわれている。タバスコの原料にも。
ピキヌータイ原産の代表的な青唐辛子。つよい辛さと風味が特徴。タイ料理には欠かせない。


上を向いて実る種類は辛く、下を向く種類は辛くないといわれています

辛味成分カプサイシン

唐辛子の辛さは味覚によるものではなくて、直接舌の粘膜に対する刺激によるものだといわれています。カプサイシンという辛味成分がいちばん強い部分はじつは種ではなくて、それをぶら下げている綿のようなものだそうです。その次に辛いのが果肉で、種には辛味はほとんどありません。
カプサイシンにダイエット効果?

カプサイシン自体には直接のダイエット効果はありませんが、すい臓などから分泌される脂肪分解酵素『リパーゼ』を活性化するはたらきがあるといわれています。ダイエットには有力な助っ人です。
免疫効果

カプサイシンには、血液中の白血球に含まれる免疫細胞のはたらきを活発にするはたらきがある、という報告もされています。
減塩効果
料理を味わうには塩は大切な役割を果たしています。どうしても濃くなりがちな塩分を減らすのに、唐辛子の辛味は非常に効果があります。カプサイシンの辛味の刺激と唐辛子自身の持つ味と香りが、塩分の代役を果たしてくれるからです。カレー、キムチなどでは、塩分量が大幅にカットされているのです。
多くの唐辛子は鮮やかな赤色をしています。そのおかげで、視覚的にも食欲をふるいたたせてくれます。世の中に、唐辛子という作物がなかったとしたら、世界の食卓はなんと殺伐としたものであったことでしょう。