1.黒川温泉入り口/ここで二日間ゆったり過ごす予定。2.旅館組合事務所/温泉街の中心地。宿の情報などもここで入手できる。3.温泉街を見下ろす/小国から国道442号線を走ってくるといきなり現れた山間の静かな温泉街。

「やまなみハイウエイ」の写真を撮るまもなく心地よいバスの揺れに、うとうとしてしまった私たち。気がつけば【黒川温泉】に到着。
ここまで特に大きな町など何もなかったように思うが(?)少し山里らしくなってきたな〜と思ったらここが黒川温泉だった。
黒川温泉というところへ来る為には、電車が走っていない為車でしかこれない。しかも路線バスも一日数本しか走っていないので、
熊本方面から来る私たちのようなものには九州横断バスしかなかった。それでもなぜか来たかった場所。

バス停から黒川温泉の看板を道なりに降りていくと、「田ノ原川」を中心に宿が点在している。なんとも静かでのどかな雰囲気に、湯けむりの上がる風景。
冷たく澄んだ空気にどこからか漂う炭の香り・・・一目で気に入ってしまった私だった。


まずは宿へ直行。
今日から二日間お世話になる宿は【湯峡の響き 優彩
部屋数が60室弱でも黒川温泉では最大級の宿だ。

実は、旅を決めた段階では他に泊まりたい宿が何件かあったのだけれど、全て満室。2連泊で泊まれる宿はここしかなく、しかも【別館 灯小路特別室】のみだった。
おかげで1泊¥27,500ともったいなかったが、ここしかないから仕方ない。小さくて風情ある宿に泊まりたかったんだけど・・・
黒川温泉自体、部屋数が少ないから週末や連休は宿泊するのが大変なんだとか。

でもこの「別館」さすがにとーーても静かでゆっくり出来る間取りだった。宿によっては料金は高くても壁が薄くて、隣の客の声が夜更けまでうるさくて、眠れないなんてこともよく合ったので、その点からすればパーフェクト!
心からくつろぎ、休むことが出来ました。

4.宿のエントランス/灯りの使い方がとても上手だ。
5.ロビーから/見下ろせば真っ赤に色づく紅葉と川のせせらぎが美しい。
6.藍を基調とした寝室/木のぬくもりが落ち着いた雰囲気。色のセンス良し。
7.室内の廊下/清潔感一杯の広い洗面台と広い廊下。








8.入湯手形/一枚¥1200で3箇所入れる。記念のスタンプを押してくれる。
9.趣のある建物/全体的に「黒」を基調とした建物が多いかな?黒川という名前にもにも何か関係があるのだろうか?
10.地蔵堂/黒川温泉が湧き出た由来のお地蔵様が祀られている。村人達の大切な祠。
【黒川温泉】は、南小国町にあり、小さな温泉街ながらいくつもの源泉を持つ。さすがは火の国、九州。
27件ほどの大小の宿はそれぞれの泉質と志向を凝らした風呂を持ち、宿泊者ではなくても温泉巡りが出来ることで人気になったらしい。

私たちも早速宿で「入湯手形¥1200」を購入し、ちょっと目面しそうな温泉を中心に行ってみる。
細い階段や住宅の間を抜け、浴衣に丹前でカランコロン歩くのがとても楽しい。宿に到着したのが15:00頃だったので朝晩はやはり空気が冷たい。
キーンとする寒さの中、湯冷めしそうな遠いところには行かず、まずは宿に近いところを選んでみた。

私たちが浴衣で歩き出すと、車道で(10〜20人程度)首から入湯手形を提げて歩く団体に遭遇。なんかジロジロ見られるので、「浴衣で歩いちゃいけないの?!」とちょっとビックリしたがそうではなく、県外や近郊から湯巡りだけに来るバスツアーがあり、とても人気とのこと。その団体だったようだ。

だが、宿泊者には「ゆっくりしに来ているのに出来ない」というクレームも多いそうで、その為宿泊者専用の施設を設けている宿がほとんどだそうだ。みんなが満足、というのはどの世界でも難しいのね。



11.山の宿 新明館/日本秘湯を守る会と言われちゃ入らないわけには行かない!
12.洞窟風呂/全長30メートルにもおよぶそうだ。

まずは老舗の「新明館」へ。田の原川をまたいで建つその宿は、宿主が黒川温泉初の露天風呂を作ったそうだ。
「岩戸風呂」という露天風呂が名物らしいが、混浴なので私は入らず。洞窟風呂に入ってみましたが、墨の香りがするようないい匂いのお風呂と、洞窟なので天然のスチーム効果でお肌潤う♪混んでいたので入り口だけの写真です。


画像全て【黒川荘】

13.ステンドガラス/窓の外は空と山と紅葉だけ。ああ、この静けさがたまらない。14.入浴者休憩所/西洋インテリアとお香の香りの中、入湯の順番を待つ(混雑時)15.玄関/藁葺屋根の門の先には小さなタイルが張ってある二本の柱に迎えられる。
二日間に分けて4箇所入湯してきました。
他に行ったのが「いこい旅館」ここの「美人の湯」は日本の名湯秘湯百選のひとつらしい。玄関から迷路のように上がったり下がったりしてたどり着いた露天風呂は確かにお肌つるつるになるようだ(?)
宿の雰囲気はとても良い。建物はひなびた中にも良く磨かれた太い梁や長い廊下がある木の造り。あー泊まりたかったな・・・
この宿だけで13種類のお風呂を持つが、中でも珍しいのが「立ち湯」立ったまま入る露天風呂。柱が二本、天井から下げられていて、身長150cmくらいの人は足がとどかないらしいので、柱につかまったまま入る。私は直立で肩がやっと浸かる程度。
湯船が深い分温度はぬるめ。もちろん源泉かけ流し。


一番気に入ったのがちょっと離れたところにある「黒川荘
中心部からは徒歩で約15分。静かなところも気に入ったが、温泉宿らしくない造形美に驚く。レトロモダンな西洋風のインテリアと和の融合。照度をおとした灯りの使い方も落ち着きを感じさせる。うっすらお香が香り、クラシックが流れるロビー。
今では珍しくなった木枠のガラス窓の向こうに写る紅葉。全てが計算された演出のようにも思えた。

ロビーとは裏腹に、温泉は湯力を強く感じられる泉質。名物は「屏風岩露天風呂」私が行ったときは男湯だったが、女性のほうもなかなか。広い露天風呂はうっすらグリーンがかった白濁。何時間でも入っていたいようだった。
内湯も岩をそのまま使ったような床に、真っ黒で高い天井。う〜ん、渋い!とうなってしまうほど気に入ったのでした。
泊まりたかった〜(笑)

うう、ここにいたら毎日たくさんの泉質と源泉かけ流し生活。美肌になるのは間違いなし!羨ましい〜!


外湯巡りのお風呂にも入りつかれたところで宿に戻ります。

途中、「後藤酒店」によって黒川地ビールや焼酎を仕込む(笑)九州ですもの、やっぱり焼酎ははずせません!
ここの酒屋さん、さすがにお酒の品揃えが良い♪とても混雑していました。でももう一軒の「岡本酒店」の土間の店構えもよかったです。そこで買った「30年古酒ブレンド¥3675」は焼酎にしちゃ高いがさすがにウマかった!

このエリア、もちろんコンビニなどありませんので、ここで明日の昼食も確保できてラッキー★
地元の方が作ったらしいアンパンなどGET。普通の観光なら、昼食は美味しいもの・・・となるのでしょうが、私たちの明日の予定は「山」さすがにお菓子や非常食だけでは足りそうもないので持参していきます。
飛行機内にボンベの持込が出来ないのは(当たり前ですが)ちょっと辛かったなー。

宿のお風呂はどちらかといえば大型旅館によくある現代風な感じですが、湯上りの休み処は外のテラスにあって、ライトアップされているのでとてもキレイ。
田の原川のせせらぎと星を眺めながらのビールは最高です!・・・が寒いっ。これは夏のお楽しみですね、3分ほどで撤収・・・

部屋に戻って食い倒れます。

16.宿の食事/湯葉豆腐の下に鯛のお造り・生麩田楽・馬刺しや肥後牛ステーキなど前菜から止椀まで全14品づつ毎晩。そりゃ太るわ。17.朝食/大体朝から食べ過ぎるので、私たちの旅はほとんどが昼食抜きです。




18.いご坂/こんなゆるやかな坂を上がったり下りたり。ただ温泉と食事ののことだけ考えて歩けるシアワセよ。19.小さな宿ふじ屋/泊まりたいリストに入っていた宿。玄関だけでも素敵・・

黒川温泉全体がいい雰囲気でまとまっている感じがしました。
飛び抜けて大きな施設があるわけでもなく、特別高級なわけでもない。
昔からの温泉街にありがちな寂れたところもなく、かといって派手な空気もなく、町の人はみな親切。
良いお湯と森と川以外は何もない、というのはもしかしたらとても贅沢なことかもしれません。
電車が通っていない、というのも静けさを保つには良い環境なのかもしれません。
ものすごーーく気に入ってしまいました、黒川温泉。

とても遠いけどまた来たいなーー。


※黒川温泉オフィシャルサイト




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