旅の二日目。今回とても楽しみにしていた「九重山」への山登り。
黒川温泉に二泊するのもこのためだった。
ただ、このエリアも車がないと行かれない場所。
唯一のバス停「牧ノ戸登山口」へのバスは黒川温泉発10:57⇒牧ノ戸登山口11:31着・戻り17:21発の1本のみ。
しかも予約が必要なので、東京から予約を入れておいた。

出発がかなり遅くなるが、最短ルートを予定していたのでこのバスを利用するつもりでいたが、なにせ日の短い時期。黒川温泉についた日、温泉巡りをしていたら17:00でもうかなり暗くなっていた。
登山口に17:00に戻るのは初めての場所でやはり危険、と判断し、ホテルの人にタクシーを聞いてもらったら¥3000程度で行けるとの事。なーんだ、最初からタクシーにすればよかった(^^ゞ


+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


・左が頭・横顔です。素晴らしい眺めだけど強風で寒い!
ホテルで運転手さんを待つ。
タクシーに乗れば瀬の本方面へ、ホテルから15分程度で登山口につく。
運転手さんが「阿蘇山」がよく見えるところで車を止めてくれた。
「ココの場所で、雲が立ち込めると涅槃が布団の上で横たわっているように見えるんですよ」
と教えてくれた。
なるほどいい眺めです。





登山口に8:00到着。売店はもう開いていた。車も10台くらいは停まっていて準備体操をしている人も2、3人。
この時点の気温はマイナス3度。アスファルトの階段が凍っていました。

じっとしていると寒いので、私達も早速歩き始めます。
「ミヤマキリシマ?」の葉には霜がついていた。

・花の時期はきれいだろうな〜
歩き始めて30分ほどで【沓掛山】あたり?眺めの良い場所に到着。


先を見ると幾重にも山が連なっている。
見えるものは山と空だけ。ただただそれだけ。
ちょっとした岩ゴロの登りにさしかかる。
霜が白く乗っているが、難なく通過。
・ちょっと滑るが怖くはない。
分岐についた。
だいぶ日も高くなって、体も温まってきた。
今来た道を振り返ると、岩ゴロの上に続々と登山者が増えてきた。
小さなアップダウンを繰り返す尾根道は、尾根と言うより散歩道。
とーーーっても歩きやすくて気持ちよい。
気持ちよ〜くご機嫌で歩きます。
そうこうしているうちにまた【扇ケ鼻(1698m)】分岐。
九住山目指して突き進みます。
【西千里ガ浜】あたりに来るとますます大平原な感じに。
ここが山の上とは思えません。
左に大きく屏風のように立ちはだかる山は【星生山(1762m)】
そちらの方へ進む人影が小さく見える。
行ってみたい・・・でも行けない・・・
なぜなら地図を持たずにこの山に入っているから。(本のコピーしか持ってなかった)
地図も持たないなんて・・・ダメダメです。
と、前方左に見えるのは「九住山」?
画像では大して大きく見えないが、
歩いている私にはとても大きく見えて、
あそこまでホントに行けるのかなぁ〜?とちょっと不安になる。
【星生山】の横の岩場をトラバース気味に進む。
真っ青な空に時折「ドーン、ドーン」という音と響き。
自然の偉大さが身体に振動するようだった。
【九住分かれ】への下りを振り返る。
天気が良いので「ほいほいっ」と進めるが、
雨だと滑るのかな〜?
【九住分かれ】が見えてきました。
小さな小屋は避難小屋と唯一のトイレ。
ここで済ませて休憩します。
一息入れ、さあ、いよいよ【九住山】頂上へ。
向こうに見えるのは・・・中岳じゃなかった、と後で知る。
岩ゴロの最後の登り。
11月だというのに日差しが強い!眩しい! もうひとがんばり!


やったー!到着!【九住山1787m】



山頂からの眺めはそれはそれは「雄大」の一言。昨日見れなかった(根に持っている)阿蘇山もすぐそばにあるように見える。
九州と言うところに初めて訪れ、その大地の大きさに驚いたばかりだったが、
ここから見る360度の大展望はまさに日本が誇れる「火の国・九州」であることを思い知った。
離れがたい山頂だったが、【中岳】も行っておきたいので先へ進みます。
こちらからみると、さほど高くも感じない、九住山頂。
【御池】分岐に来ると、なんと池が凍っていた!
強風のせいなのか?池に面した岩に氷がバリバリに張り付いている。
面白いものを見せてもらった。
滑らないように凍っていない岩を選んで進みます。



・怖くて腰が引けてる(^^ゞ
30分ほどで【中岳山頂(1790m)】に到着。
九重連山の最高峰です。

ここまでほんのちょっとの急登りなんですが、
高度感があるので高所恐怖症の私は既にヘッピリ腰。
でもここまできたら「ドーン」という音の基が見えた。
【硫黄山】というらしい。あそこから噴煙が上がっていたのねー。

山頂からちょっと下がったところでお昼にします。
お昼といっても飛行機でガスカートリッジを詰めなかったので、
温泉街で購入したアンパンと水のみ。
それでもこの眺めがごちそう。ここもまた、去りがたい風景。
幾重にも重なる山々を眺め、深田さんが「九重共和国」と言った意味がなんとなく解った気がした。

・中岳山頂より。右が御池、左が避難小屋
名残惜しい九重山を背に、来た道を戻ります。
実はあの「九重分かれ」で下に下りれば【法華院温泉】に行けたそうで。
歩いていかないと行けない温泉だそうで・・・ううー、温泉好きのくせに情報も調べずに来てしまうあたりが・・・甘い、甘すぎるツメ。
地図を持たずに山に入ると、せっかくのチャンスも逃してしまう・・・
後で知って、かなり反省しました。ケチらずに買いましょう。

同じ道でも方向や時間帯が違うと見える景色も変わってきます。

この日は最高のお天気に恵まれ、広い大地を踏み、
ビルや町など見えない山と空の景色の中、
歩くことが楽しくて楽しくて仕方ない、
という今まで自分がしてきた山歩きとは
全く違う感覚を味わうことが出来ました。
この山々は日帰りで楽しめるルートがたくさん合って、ピークじゃなくてもあちらこちらの大地の上でのんびりとお弁当を広げ、手足を伸ばしている家族をたくさん見かけました。
こんな素敵な山が近くにあって、ホント羨ましい!

山に入る人がそれぞれの楽しみ方で歩ける共和国。
私はこの広い連山の一部分しか体験してないが、ホントに素晴らしい、いい山歩きをさせてもらった、九重サン、ありがとう。

【牧ノ戸登山口】に14:30頃帰着。帰りはまた、同じ運転手さんに電話をして迎えに来てもらいました。

車の中、「どうでした〜?山がお好きだったら○○○・・・」
との会話が明日の計画を覆すことに発展しようとは・・・この時点ではまだ気付かない私達だった。
※九重町観光情報HP


阿蘇山へ   黒川温泉へ  由布院へ 別府へ
TOPへ