2010.11.23  4日目



昨日のざーざー降りの雨がウソのように、今朝は良い天気。
この宿からは瀬戸内海に浮かぶ島々のむこうから登るご来光が拝めた。

今日の行程が雨だったら変更になるところだったので、助かった。
雨オンナじゃないかもー、と喜び、宿を後にした。


        千光寺山荘からの眺め
                                                                                              
  

やはり天気が良いと全然眺めも変わって来る。
宿から駅まではまた坂をひたすら降りていくが、紅葉と尾道水道の穏やかな眺めが心地よく、
あ、尾道・坂の町だ、という眺めを堪能できてよかった。




尾道駅前・のどかな港町
今日の行程はちょっとタイトだ。
「しまなみ街道を自転車で走ってみたい」という目的がある上、欲張りな私は、どうせ行くなら対岸の四国に初上陸したい、
というプランを組んだからだった。

尾道駅前から対岸の向島はすぐそこに見える位置にあり、渡し舟で渡る事ができる。
風情があって是非船で渡りたい、と思ったのだが、残念なことに向島のどこにバス停があるかが、地元の人に聞いてもわからないのだった。

終わりの時間が決まっているので仕方なく、予定通りバスに乗る事にした。




路線バスであっという間に品から島へと・・・

因島大橋で乗り換え40分待ち・景色は最高
しまなみ街道とは広島県尾道市と愛媛県今治市を大小10本の橋がつなぐ、3番目の本四連絡橋として平成11年5月全橋が開通。
本州四国連絡道路の中で唯一、歩いたり自転車でわたることができる海の道です。

自転車で全走行しようとした場合、体力に自身のある人で5〜6時間、初心者やゆっくり走って10時間程度必要だそうです。
距離にすると約70km!高低差があることを忘れてはなりません。
昨年経験していたお友達のmichiさんに色々教えていただいたものの、やっぱり現場に行ってみないと解らない・・・。

途中の島々を観光しながら廻るとなったら、最低でもどこかの島で1泊は必要だと思ました。

私たちはまず尾道駅前から因島大橋のバス乗り継ぎ所まで路線バスに乗り、
そこから乗り換えて伯方島まで行きました。
ここからなら今日中に今治まで渡れる、と踏んだのですが・・・



バスを乗り継ぎ「マリンパークはかた」に到着。
ここで自転車を借りる手続きをする。
たくさんの自転車が倉庫で待っていた。
私たちは乗り捨てなので利用料¥500のほかに
保証金¥1000余分に支払うことになる。

10:15、手続きを終えようやくサイクリングスタート。
目の前が海でテンション上がる。

目の前がビーチ マリンパークはかた・お土産なども販売




高速に自転車でつっこむ気分


早速注意を受けていた事態に遭遇。
島に渡るための橋は全て高い位置にあるのだ!
つまり・・・坂道をえっちらおっちら登らなければ、次の島へは行けないのだ。
通行料金¥50を箱に入れ、やっと橋の入口へ・・・


上がってみると眺めは抜群!風が通り抜けてキモチイイ♪
ゴーゴー車が走っているが、自転車(原付)専用車道なので危険はない。
こんな高くて大きな橋を、車以外で渡ったことがなかったので面白かった。


伯方・大島大橋への登りは辛く、脚力のない私は結局途中から押しながら上がったが、
下りは快適そのもの♪
スイスイとらせん状に下り、宮窪に着いた。見上げた橋の大きいこと!

そこから海沿いのサイクリングは本当に気持ちが良かった。
人はいない、車も時々しか走っていない静かな港町。
青空とともに、風を切って走る快適なサイクリングが出来た。

・・・がしかし快適だったのはここまで。
ママチャリしか乗った事のない私は、乗りなれない自転車でちょっと苦戦をしていた。
次の目的地目指してキョロキョロし、右へ左へと蛇行する。
岐路で止まった時、バランスを失って・・・・自転車ごと転倒・・・
左ひざを地面に強打、手のひらはすりむけて血が出ている・・・(~_~;)
(このとき胸から下げていたカメラも同時に強打・これが後々・・・)

周りにいた人が皆振り返り「大丈夫ですか?」と声を掛けてくれるのが恥ずかしかった。
大丈夫です、と言いながらも心臓が膝にあるか?と思うようにバクバクズキズキ痛む。
ダンナは他人のような顔をして「バカ」と一言ヽ(`Д´#)ノちくしょう。

そこから仕方なくダンナが行きたい、と言っていた村上水軍博物館までどうにかたどり着き、
駐輪場にとめて館内のトイレでおそるおそるズボンを上げ、膝を見ると、
4センチほどのすりむけた場所は血が出ていて、
ズボンに貼り付いて痛いの何のって(>ω<;)ああ、また転んじゃったよ・・・




山のときなら救急用具を持っているのだが、この日は絆創膏しかもってない。
しかたなく傷口を水で洗って、絆創膏貼って我慢。

膝がジンジンする中、お目当ての「能島潮流体験」をし、ご満悦のダンナ。
私は痛みでもうそれどころではなかった。
ここからもう余裕がなく、写真もほとんど撮らなくなった(笑)

 




船乗り場の魚食レストランで簡単昼食を済ませ、先へ進む。

足が痛くて力が入らない・・・でも進まないわけには行かない・・・次の目的地目指して進み、
海を見ながら気持ちよく「ザ・島」といった風情の民家の脇などを走って行ったのだが、
なぜか途中でみかん畑やら?やぶやら?未舗装の道やら?しかもアップダウンの大きい道になってきて・・・
サイクリングロードには見えないよ?!と思ったところで、行き止まり・・・

30分も走ってから道を間違えたことに気づいたダンナ。足を負傷している私へのいじめか・・・(怒)

仕方なく又来た道を戻り、今度は間違えない様ただただひたすら317号線を突っ走る。
だが、普通の道でも平坦なはずはないわけで・・・
大型トラックにごーごー抜かれながら、汗だくになって走った。写真なんて一枚も撮れないほど辛かった。

水軍博物館から約1時間半、ようやく目的地への分岐にたどり着いた。
今度は私がどうしても行きたかった、「亀老山展望公園」への道。
だがそこから見えた公園は、見上げる山の上だった・・・展望公園だもの、あたりまえか・・・

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ここに自転車を放置して、タクシーで行こうかと一瞬考え5分ほど待つが、タクシーの姿はない。
悩んでいる時間はない、どうしても行きたいのだから、と進むことに。

でも行こう、と決めたとたんにちょっぴり後悔・・・
坂道を自転車を押しながら上がることがこんなにつらいなんて・・・
でも押して行った方が帰りはラクだし早いはず!
足の痛みは相変わらずジンジンしていたが、もうこうなりゃ根性だっ!!
2度と来れない確立の方が高いんだ!頑張れ、オレ!

どのくらい歩いたのだろう・・・?自転車押しすぎて腕が筋肉痛になるくらい・・
暑くて喉が渇いて車の人に呆れ顔で見られながら、40分くらい?汗びっしょりになって登ったその先に・・・




おーーーーーっ









見えた、キラキラ輝く海と空と瀬戸内の島々。なんて美しいんだろう・・・
ここは夕日の名所でもあるらしいので、雲ひとつない今日はきっとキレイな落陽が見られるだろう。
ここまで痛い足に耐え、根性出して登ってきた甲斐があった!ご褒美だね!
と喜ぶなかれ。ここは車で来れるところなのだ・・・


亀老山展望公園についたのが15:30、景色を眺め売店のジュースを一気飲みし、慌てて先へ進む。
予想通り下り坂道、時速何キロ?くらいの速いスピードで317号線に戻っていったのだった。




その後も猛スピードで自転車を走らせ、最後の目的地「来島海峡大橋」へ。
道の駅・いきいき館へ着いたのが15:45、急がなければ。

でも、橋を下から見上げた段階で・・・力尽きた。この痛い足ではあそこまでは登れない・・・





ふと港を見渡すと、なんだかフェリーがあるらしい・・・しかもラッキーなことにあと10分で出港だとか!
自転車ごと乗れるのだからこれに乗らない手はない!船で行けば時間短縮できる!
と、ここで船の中から来島大橋を眺める旅へとあっさり変更したのであった。







しかもラッキーは続き、着港場所は来島海峡大橋から来るより、JR今治駅に近かった。
船を降り、大急ぎで自転車返却所の「サンライズ今治」へ。
営業時間内に返却でき、JR「特急しおかぜ」にも間に合い(普通電車は1時間20分、特急なら約40分)
車窓から夕日を瀬戸内に沈む夕日を見ながら、松山駅へと向かう。
ふ〜〜、忙しかった。

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松山駅前にはうどんとかあって・・見たかった 道後温泉駅に到着 時計の横には足湯が
松山駅へ到着したのが17:50、駅前も興味があったがとにかく宿へ行かないと。
路面電車に乗り換え「道後温泉駅」へ。駅前では「からくり時計」の説明をしてくれるボランティアのオジサマが。
ここまでくれば宿までは徒歩5分、宿に着いたのが18:30にもなってしまった。長い1日だったなぁ。








この旅最後の宿は道後温泉本館のすぐ横にある「大和屋本店
二人じゃもったいないくらいの広い部屋と、豪華な食事。
器も凝っていて、目にも満足。
この写真以外にもまだ2,3品品数があって、一杯動いたご褒美だ、と全部頂く。
美味しい料理にお酒もすすむのだ〜。




アーケード街 夜の道後温泉本館・白鷺が白く光る
そして食後は毎度お馴染み夜のお散歩。
ゆかたに丹前のまま歩けるのが温泉街の醍醐味。

そして私にとってはじめての「道後温泉」
ここまで足を伸ばしたのは、いつか絶対来て見たい温泉だったから。

道後温泉本館内には「神の湯・階下」「神の湯・二階席」「霊の湯」などがあって、
一日で全部入るのは大変そうなので、夜のうちに一回入りに行く。
まずは「階下へ。札止が22:30なのでこんな夜に来ても入れるのがありがたい。

中はとても広く、なぜか異国情緒の漂う造りに感じた。
ああ、ここが日本最古の道後温泉かー、としみじみ。
(でもお酒が入っていたので早めに出ましたが)

昼間怪我をした膝の傷が、翌朝、予想より早く良くなっていたのは驚いた。白鷺伝説は本当だったのか?!

坊ちゃん広場

道後温泉本館・入口



                    



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【4日目の行程】尾道駅前-バスにて伯方島へ-自転車にて来島大橋下まで-フェリーにて今治-JRで松山へ移動-路面電車で道後温泉・大和屋本館


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