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4. 問題点を解決するデザイン

以上の考察から、一般のキーボードおよび従来のエルゴノミックキーボードが持つ問題点を解決する、真に打ちやすいエルゴノミック(人間工学)デザインとは、「一般のキーボードをベースに、人差し指・親指キーのキートップ面と、中指・薬指・小指キーのキートップ面に段差をつけたデザイン」です。

シンプルですが、これが結論です。

結論から出発して、前項3.で考察した3つのポイントを、もう一度説明します。


■ <ポイント1>
    中指、薬指、小指は水平面上に位置する



3本の指の指先は、水平面上に位置する故、3本の指用のキー面は一般のキーボードと同じく水平のままでOKです。あえてキーボード自体を山形に傾斜させる必要はありません。


むしろ、手の甲の傾斜を意識してキーボードを傾斜させると、実は小指キーを打つときに、無理をして手・前腕を回外させる必要があります。



■ <ポイント2>
    左右前腕がハの字状のとき、中指、薬指、小指の指先は
    一般のキー配列の直線に一致する



キー操作者の上体とキーボードとの距離を調整することによって、手首を真っ直ぐにしたまま中指・薬指・小指の指先3点の位置を、通常のホームポジションキーの直線上に置くことが可能です。


従って、3本の指用のキー配置は、一般のキーボードと同じく直線のままでOKです。 あえて、V字型にする必要はありません。

巨大なCRTのディスプレーがあり、キーボードを上体の近くに置かなければならない場合には、肘を後ろに引いて脇をあけるような格好でキーを打つので、V字型のキー配置には意味がありました.。 しかし、スリムな液晶ディスプレーになって、ディスプレーと上体の間にスペースの余裕ができた今日では、キーボードの置き場所を調整することで、両手の中指・薬指・小指を、一般のキーボードのホームポジション上に自然に乗せることが可能になりました。

「キーボードに関する独り言」の2005年10月22日付に、Vの字型のキーボードデザインと従来のデザインとの比較実験をご紹介しています。)



■ <ポイント3>
    人差し指と親指の指先は浮いている



残る問題点は、手首の「ねじる」動作の回避です。

項目1.でねじる動作を説明しましたが、一般のキーボードの操作において、ねじる動作が生じる原因は、ポイント3で指摘した、人差し指と親指の指先が浮いている点にありました。

浮いている指先を中指・薬指・小指がつくる平面上(一般のキートップ面上)に置くために、前腕の回内を行い、更に離れているキーを打つために手首を曲げていた訳です。 この「ねじる」という問題点の解決方法は、人差し指用、親指用のキーの位置を、人差し指・親指の指先の”浮いている”立体的位置に少しでも近づける、具体的には、人差し指・親指用のキートップ面を高くすることです。

即ち、人差し指と親指の指先の本来のポジションから最小限の動きでキーが打てるようにして、「ねじる」動作を最大限回避する訳です。 結論は簡単ですが、一般のキーボードとの互換性を考慮すると、これで十分です。



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特許出願中 特開2004-288166(「キーボード」)      
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