今の函館は、ものすごく寂しい感じがする街だった 人通りの多い道とか、裏通りとかも関係ない 骨身に染みいる寂しさは寒さのせいだけではない 海に近い路地で、放置されている煉瓦の倉庫を見つけた なぜ、私はいつも、煉瓦の壁の前で立ち止まるのだろうか それは私にとっての命題でもある 夕陽に照らされた煉瓦の壁を見て、思ったこと この色が人を惹きつけるのは、見捨てられても、時が経っても、人を責めることのない、暖かい色合いを保ち続けるからかも、しれない そんな直感