クルス

活・生、そして

五島列島野崎島・旧野崎天主堂

始まりがあれば終わりがある
天主堂の生にもその終わりがある
五島列島には、いくつか打ち棄てられたかつての天主堂があって
それなりにインパクトの強い風景を見せている
その多くは村では生活できなくなり、集団移住などで人々が村を離れるとき打ち捨てられた
この旧野崎天主堂も然り
ただ、今は町の文化財として修繕保存されている
荒々しい環境で、今でも打ち棄てられた民家の残骸や錆びた生活道具などが転がっていて
人影もなく、独特の荒涼とした雰囲気のなか、はっきりとかつての天主堂だけが建っている
一度棄てられた天主堂には神は宿らない
十字架を頂いていても、外国産のステンドグラスがやさしく影を落としていても
それはただのハコにすぎず、特別な意味はない

+prev

++next

+++index