クルス

活・沈黙の海

西彼杵郡伊王島町・馬込天主堂

長崎港から連絡船で20分ほどの伊王島の馬込天主堂
かつて炭坑のあった島で、今はマリンリゾートがあったりもする
かつての潜伏キリシタンにとっては海とは特別な世界
五島列島の潜伏キリシタンは、子供の間引きが行われていたほどに
人口過剰だった大村藩などから移り住んだ人たちといわれている
今でこそフェリーや高速船が就航しているものの
新天地を求めてとはいえ、大海を小舟で漕ぎ出す彼らの決意は
想像をはるかに超えていただろうし
彼らにとっての大海はどんな世界に写ったのだろう
はたまた、移り住んだ先で条件のよくない土地に住まざるを得ず
斜面を段々畑に開墾し生活していた彼らにとって
海はわずかでも恵みをもたらしてくれるものであったのかもしれない
故遠藤周作氏も、キリシタンをテーマにした名作「沈黙」やその取材記の中で
キリシタンと暗い海を結びつけて語っていたことを想い出す

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