・Booth 2・

"Portfolio"


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長崎、五島、平戸、天草、西彼杵、はたまた筑後。西九州には「天主堂」とよばれるカトリック教会のある街や村が多い。
日本のキリスト教のほとんどが明治時代以降に入ってきたものであるのに対し、西九州の天主堂は、中世日本のキリシタンにその源流をもつ。今でも一部はかくれキリシタンとして、古の信仰を守っている。江戸時代にはキリシタンの里だったところの多くは明治以降にカトリックに改宗し、その信仰の自由の証として立派な天主堂を建ててきた。
日本で弾圧されたキリシタンとして暗い歴史を有する街や村の天主堂も、今では静かな西九州の青い海や濃い緑のなか静かにたたずむ。都市の教会ほど華やかではないけれど、素朴な美しさが滲む。古くから根付いていた十字架・クルスの風土。日本らしい農漁村に赤煉瓦や白亜の天主堂がたたずむ風景はミスマッチなようだけれど、なぜか自然な印象。
"クルス"