問題解決技法の中でも私のお気に入りのKT法を紹介します。
ケプナートリゴーのラショナルプロセスは、問題解決や意思決定の思考の手順を明確にするもの。
NASAの宇宙開発計画でも適用された実績がある。アメリカのケプナー博士とトリゴー博士によって 取りまとめられた、合理的な考え方/思考法のモデル。
思考の手順が非常に分かりやすく整理されていると思います。また、フルプロセスで適用しなくても、
部分的に、プロセスに漏れが無いか、或は検討に行き詰まった時等、チェックするだけでも効果があるので 概要を紹介しておきます。
この問題解決技法というものを極めて簡単に表現するとすれば「いかに多くの人が納得し共有できる答えを見つけるか。
そのために思考のプロセス(特に問題意識、情報、知識、経験)を明確化・共有化して考えて行こうとする時のツール」 であると私は思っています。
但し、この方法論は事実や経験に基づく帰納的な色の強いアプローチなので、あるべき姿を設定して
問題解決に向かうような演繹的アプローチ(ビジネスデザイン法、ワークデザイン=ブレークスルー思考など)や考え方を組み合わせて
使っていくとより良い解決に導けるのではないかと思います。
私が、ここでこれを取り上げたのは、真のシステムエンジニア(提案型SE)になる為にはコンピュータ技術に偏らず、
大なり小なりソリューションをおこなう上で、このような技法の一つでも習得し活用することが必要だと思い、 私なりにわかりやすく要約したつもりです。
また、このような取組みをするには自分の業務範囲、セクショナリズム
の壁を超えてアプローチしないとなりませんから広く・公平な視野を持とうとする意思も大事です。(管理職候補視点にも似てる)
本題に入る前に、問題とはどういうものでしょうか。問題は、
@人や立場に依存します:同じ環境にあっても、「それは問題でない」と言う人がいます。
A受け止め方に依存します:それが問題と同意しても、どのような問題かで見解の相違が出る場合があります。
(クレームについて、製品の問題だという人もいるし、使い方の問題だと言う人もいます)
問題とは、現実と理想のギャップです。現実とはどんなもので、こうあるべき状態とはどんなもので、そのギャップはどの程度なものか明らかにする必要があります。そうして問題の認識がはっきりします。
問題解決とは「問題についての認識(価値感)をはっきりさせ、こうあるべきという方向に向かってすっきりすること」です。
次に、意思決定とは何でしょう?意思決定は、迷っている状態から「一つの選択肢に絞り込む」ことです。そのためには、
@案が必要です:案がなければ決めることはできません。
A目標の合意が必要です:家族で車を買うことを決めても、思う使途が違えば決まらないでしょう。
B納得が必要です:合理的な最適案とわかっても気に食わないことがあるでしょう。 また将来のリスクがどうかということもあります。
○期待すること
問題解決、意思決定、将来への対応 → より効率的(時間、質)に
○悪いくせ
○だから考える手順をしっかりする ⇒ KTラショナルプロセス
例)会議とKT [会議] [KT(SA)] 議題 → テーマ 意見を出す → 関心事 ※列挙中は説明せず、批判せず、討議せず 情報交換 → 分離(事実だけ) まとめ → ステートメント化 ←会議はステートメント化迄に止める。以降についてはかなりの情報量が必要。 ↓ ↓ ↓ 無理に想定で会議を続けると、意見出しとの間で議論がループしてしまう。 (次のAction)PA、DA、PPA