インプレッション

IPSUM日記 インプレッション 写真集 購入記
 
  
<ヒストリー>
 
1996/05:初代イプサム(SXM10、15系)登場
1998/04:マイナーチェンジ
2001/05:フルモデルチェンジ、2代目イプサム(ACM21、26系)登場
2002/01:特別仕様車 240i Limited 登場
2003/04:特別仕様車 240i Type G 登場
2003/10:マイナーチェンジ
2004/01:特別仕様車 240i ALCANTARA version 登場
2004/12:特別仕様車 240i Premium ALCANTARA version 登場

  順当にいけば、2006年春〜夏にモデルチェンジだが、絶版、もしくは名前が変わる可能性が高い

 

<コンセプト>
 
ワゴンタイプの車体を持つ7人乗り「ミニバン」(6人乗り仕様もあり)
同一セグメントの他車よりも若干小さなボディのため、居住性よりも取り回しや操縦性を重視する人に。

トヨタがイギリス、フランス、ドイツ、イタリアなどの欧州各国で売るラージクラスのMPV「Avensis Verso(アベンシスバーソ)」の日本向け仕様車です。海外ではルノー・エスパス、シトロエン・C8、フィアット・ユリシス、プジョー・807、三菱・グランディスなどと同じセグメントにいます。

車両サイズは同一セグメントの他車より小さく、下位セグメント(オペル・ザフィーラ、VW・トゥーラン、トヨタ・ウイッシュ)との中間です。

国内向け仕様車「IPSUM(イプサム)」は、トヨタの富士松工場、田原工場で作られているそうです。

1996年に発売され、大ヒットした先代イプサムは2000ccクラスの5ナンバー車でしたが、現行型は2400ccクラス3ナンバー車となり、1クラス上級に移行しました。国内では、ホンダ・オデッセイ、日産・プレサージュ、マツダ・MPVなどが同一セグメントです。(これらの中でも最小・最軽量)

量産ファミリーカーで、人気車種の後継ながら、国内月販目標が3000台、グレードが3〜4種、エンジンは2400cc一種のみ。プロモーション活動も少なく、トヨタとしてはあまり積極的に売りたくないのかもしれません。現行モデルではイプサムと聞いても、形が思い浮かぶ人は少ないと思います。

しかし本来欧州向けのクルマを、日本でも売っているのだとすれば、少ない月販目標も理解できます。
...ということで、私は欧州車のつもりで乗っています。(笑)

<アベンシスについて>
 トヨタの欧州でのDセグメント(ミドルクラス)車のブランド。
 アベンシスのセダン、ワゴン、ハッチバックとミニバン(バーソ=イプサム)があります。
 欧州では、他にヤリス(ビッツ)、ヤリスバーソ(ファンカーゴ)、カローラバーソ、
 プレビア(エスティマ)などがあります。
 2003年、トヨタからAvensisブランドのまま、セダンとワゴンが国内発売されました。
 こちらは、英国生産車を輸入し、国内販売されています。
 HPでは、「欧州基準で仕立てた資質」をアピールしています。
 そういう意味ではイプサムやビッツも同じだと思いますが...
 発売時は派手にCMやっていましたが、あまり見かけないので売れていないようです。
 HPには「いいクルマに国境はありません」と書いてますね。じゃぁ、他のトヨタ車でも良いはず(笑)
 割高感があるので、私ならば、ブランドでVWゴルフか、価格でアクセラ、アリオンを選ぶ。


<リンク>
一般ユーザのレビューコメント
http://www.carview.co.jp/userreviews/result.asp?key=1&method=1
販売台数の割りに、他の人気車と比べ書き込みが多いですね。マニア受けするのかな。

海外のレビュー記事
http://autoweb.drive.com.au/cms/article.html?&A=1464
オーストラリア仕様は日本仕様に近いですね。日本にもグリーンのラインナップがあればね。

 

各国のHP

ドイツ http://www.toyota.de/showroom/avensis_verso/ 
イタリア http://www.toyota.it/gamma/avensis_verso/welcome.html
ハンガリー http://www.toyotapest.hu/avensis_verso/

    

<スペック>
 
モデル:240 i Type G (4AT 2WD)
形式:TA-ACM21W-ARSEK
全長:4670mm、全幅:1760mm、全高:1660mm、ホイールベース:2825mm、重量:1480kg
エンジン:2AZ-FE、2362cc、160ps/5600rpm、22.5kg・m/4000rpm

プラットフォームは、カムリ(ACV3系)、エスティマ(ACR3系)と同じ系統です。
国内他社の同クラスのミニバンに比べ、若干小さいため重量が1500kgを切り、重量税がお得。

   

<燃費>
 
最低燃費 最高燃費 平均燃費
6.25km/g 11.43km/g 8.63km/g

    15,000km走行時、街乗り7割、高速3割
    燃費は街乗り7km/g程度、高速10km/g程度です。おとなしく走っても余り変わらない。 
   

<エクステリア>
塊感のある造形です。装飾的な要素が少なく、シンプルです。写真で見ると、実車よりも小さく見えます。
   

フロントから

見る角度によって、顔つきが随分違います。精悍に見えるときもあれば、途方も無く間抜けヅラな時も...イマイチ人気が無いのは、これが一番の原因ではないかと思います。

エアロ付きと通常モデルではちょっと印象が違います。240S等のエアロ付きは、スポーティな印象です。対して通常モデルは、大人しげな印象です。

左の私の240i typeGはエアロ付きで、240Sとほぼ同様のデザインです。(フロントグリルのみ標準モデル)


サイドから

ステーションワゴンと言ってもおかしくないサイドビュー。ヨーロッパでミニバンと言えばこの形が一般的です。5ドアハッチバックにも見えますが、自動車として、きわめて健康的なプロポーションをしており、居住性、操縦安定性を両立したコンセプトが良くわかります。

16インチのアルミホイールのデザインは古臭いですね。力強い感じが好きですが。


リアから

後ろは、昔のボーイズレーサー風。1990年頃のEP82スターレットGTに似ています。このクラスのミニバンで数少ない、走りをイメージさせてくれるリアビューだと思っています。(ウイッシュのリアビューも好き)

個人的にクルマはフロントビューより、リアビューを重視するので、とても気に入っています。

2003/10のMCで全体的にスポーティーになりました。フロントマスクはすっきりしました。
MC後のレビューはこちら http://www.carview.co.jp/express_new/ipsum/index.asp


 

<インテリア>
豪華とは言いませんが、各部の作り込みはしっかりしており、高品質感を感じます。オデッセイと比べるとインパネなどのデザインはオーソドックスかつシンプルな造形。

内装は明るいベージュ(TypeS除く)です。今までダーク系の内装ばかり乗り継いできた私も、ついにオジサン仕様に乗るのかと思うと寂しい気もしましたが、納車を待つうちに、明るい雰囲気も良いなと思うようになりました。乗り慣れた今では、この開放感・くつろぎ感だけでも購入した価値があったと思います。オジサン仕様も良いものです。
私の240i typeGは特別仕様のため、シート地、皮巻ステアリングなど、240uと内装はほぼ同じです。
 

<収納>
 
スーパーラゲッジボックス 荷室下に、人が入れるほどの空間があります。洗車道具、停止表示板等、普段使わないごちゃごちゃした物を、格納しておくのに最適です。この収納力は良いです。
2列目シート下収納 シートを跳ね上げると、僅かな隙間ですが、こんなところまで収納ボックスが。
グローブボックス 車検証入れ専用の隙間が別途用意される小技があります。取説まで入らないのは残念。
折りたたみテーブル 折りたたみ式テーブルが付く代りに、コンソールボックスがないのは人によっては不便を感じると思います。従来の私なら、カセットテープの収納に困っていただろう。

現代の車としては、収納個所は普通だと思いますが、使える収納機能がたくさんあります。また3列目のシートを格納すると、ディスカバリーを凌ぐ広大なラゲッジスペースがあらわれます。収納についてはほぼ満点を付けれます。強いて言えば、シートアンダートレイがあればさらに便利。


 

<使い勝手>
 
AC100Vコンセント 家にある差込口がそのまま付いています! 従来はカー用品店でDC12VからAC100Vに変換するアダプターを購入する必要がありましたが、不要になりました。キーがON状態の時のみ通電しますが、これで移動中に、ノートPCの充電はもちろん、ご飯を炊くことも可能!
オートエアコン 外気温が見れるので便利。寒がりの私には必須の機能。
   
   

  

<走行性能>
 

サスペンション 硬すぎず柔らかすぎず、くるまのキャラクターに合っていると思います。
ハンドリング しっかりしていて、思い通りのラインをトレースすることが出来ます。見かけによらずコーナーでは想像以上によく曲がります。
ロングホイールベースかつ、全席が前寄りのため、交差点や狭い街角では、内輪差を意識させられ、だるい印象があります。ハンドルがもう少し重くなり、高速走行時のどっしり感が出ればと思います。
ブレーキ ドライバーの指示どおりの利きを示します。他のサイトで利きが良くないという書き込みをいくつか見ましたが、改善されたのでしょうか。私には十分なように思えます。
エンジン 常用域の2500rpm以下では、ほとんど無音(車内)で、回転フィールもスムースです。静かなので、音楽を聴いたり、会話するに最適です。
しかし低回転域重視のユニットで、中回転以上に回しても爽快感が無く、回転数に比例したパワーも感じませんから、なるべく3000rpm以下のおいしいエリアを活用する走り方をお勧めします。
旧ディスコに比べ全般的に操作系が軽く動きます。ブレーキなどは軽く踏んだつもりなのに、最初はガツンと利いてびっくりしました。ハンドルも随分軽くなりました。まあ、このあたりは慣れで解決しました。慣れた今では普通に感じます。


 

<オーディオ>
IPUSM 240i typeGはオーディオレス仕様ですが、6個のスピーカと配線は最初から付いています。私はcarrozzeriaのヘッドユニットを組み合わせました。スピーカー自体は高価なものは使われていないと思いますが、取り付けや配線が良いようで、大きな音でもビビリも出ず、クリアな音がします。かなり良い音が楽しめます。車歴の中では最良の音で、私としては、これ以上の音をカーオーディオに求めません。期待以上の音で、一番気に入ってるポイントです。IPSUMの静かで快適な室内は、のんびり音楽を聴くのに最適ですね。
 
<要改善点>
ぜひ改善してほしいと思う部分があります。
ワイパー 前後とも拭けないエリアが広すぎると思う。特に後ろはひどい。また、一つのレバーに機能を集めすぎ。誤って意思とは違う操作をしてしまうことが多い。たまにしか使わないワイパーのレバーは習得不可能?
ドアロック キーリモコンの操作スイッチが飛び出していて、誤って押す事が多い。思わぬところで開けたり閉めたりしてしまう。
ミラースイッチ 照明が無いので、夜間は位置がわからない。よく使うものなので、強く不便を感じる。
視界 太いAピラーが右左折時、邪魔になります。特に右側はかなり死角が多くなる(歩道の人が隠れる程)ので、運転には注意が必要です。他社のミニバン系ボディを持つクルマすべてに共通の弱点だと思う。
時計 位置が悪い!視線移動が大きくて運転中は危なくて見る気しません。
ワイパーや視界は、安全運転に関わることなので、よく考えて欲しい。今まで乗ってきたクルマでは、こんな事思わなかったけどなあ。ワイパーレバーやミラースイッチは、このクラスのトヨタ車に共通する事だと思います。走っている数を考えると、皆さん、不満が無いのか?それともこれがトヨタワールドなのか。

 

<総評>
買ってから良かったなと思わせる良くできたクルマ。高い質感と心地良さに文句も出ません。

スタイル ★★★☆☆ ポテッとしたスタイリングは変に媚びたところが無くて、欧州車的な健全さがあると思います。特にリアビューはスポーティ感もあってグッド。
走り ★★★☆☆ 購入前は正直言ってトヨタ車は乗り心地優先で、走らせてもつまらないだろういう先入観がありました。試乗でも、特に感銘は受けませんでした。しかし、納車後、乗り慣れてくると走りの質感もかなり高いレベルにあることが感じられました。 スポーティーカーのような軽快な運転を楽しめる訳ではありませんが、イメージどおりの走り(これが結構大事)をしてくれます。良い意味で裏切られました。今では運転も楽しめる車であると思っています。
使い易さ ★★★★☆ 装備、収納は充分。今まで乗ったクルマの中では最高の部類
経済性 ★★★☆☆ 実燃費が良くありません。排気量、車重、空気抵抗を考えるとこんなものかも知れませんが、街乗りだと7km/g程度です。私の感覚では8km/gを下回ると罪悪感があります。それ以外は、さすが国産ファミリーカーだけあって、維持にお金がかかりません。
満足度 ★★★★☆ イプサムの最大の美点は、居心地の良い室内空間だと思います。内装色がベージュということもありますが、開放感と包まれ感のバランスが良く、走っても停まっても居心地良く感じます。 最近の車としては、目を引く派手なモノはありませんが、その分、飽きのこない室内空間となっています。

良くできたクルマなのに、あまり売れていないのは、今の日本のトレンドをはずしてるからだと思います。ミニバンなら、スライドドア付きのワンボックス系の選択に流れる人が多く、ワゴンタイプのミニバンはある意味贅沢品で、そういったものを買う人は、カッコが良いとか走りが良いとかの何らかのプレミアム性のあるクルマを選ぶんだと思います。イプサムは全体的におっとりしていて、おしゃれ、速そう、理知的などといったプレミアム度が低いですね。(MC後の240Sでプレミアム度をちょっと獲得)

昔からトヨタ車のデザインやコンセプトがしっくり来なかったので、トヨタ車が購入の候補になる事はなく、イプサムは初めて購入したトヨタ車です。トヨタ車の中で、現行イプサムはちょっと異端児ですね。
装備や使い勝手、お買得感、サポートを含めた総合的な商品性では優れていると思います。

    

<オデッセイは本当に競合車?>
 
雑誌などではイプサムはホンダのオデッセイとライバル視されており、実際、国内販売ではトヨタもオデッセイを競合車と考えているようです。

しかし、オデッセイは北米向けの車種であり、欧州では販売されておらず、対するイプサム(AvensisVerso)は、欧州向けの車種であって、主要マーケットが違うので、世界的に見ると競合車種というわけではないと言えます。

国内市場では、同じようなスペック・価格帯であるため、競合しますが、実際には本気でどちらにするか悩む人は少ないと思います。
うまく言えませんが、デザインのテイストを含め、雰囲気が随分違うので、どっちかが好きなら、もう片方は好きじゃないと思います。
私はイプサムの方は好きになりましたが、旧オデッセイはいまいち心に引っかかるものがありませんでした。
新オデッセイ(BA-RB)も好きじゃないですねぇ。ミニバンらしからぬスポーティな形が受けているようですが、
ミニバンなのだから、ミニバンらしいカッコよさを求めてほしいかなぁ。
そういう意味では最近よく街で見かけるラフェスタはミニバンらしい機能美があふれていてカッコ良いと思います。

 

    イプサム    イプサム(MC後) 

    オデッセイ   ラフェスタ

メーカーの壁紙を流用させていただきましたが、イプサムの壁紙には購買欲をくすぐるのが少ない。(T_T)
私もイプサムの写真を撮りますが、写真写りの悪い車だと思います。
実車に触れてみると、デザインも悪くないと思えるのに… 書類(カタログ)選考で落とされるでしょうね。

 

 

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