EUでのGM混入率の許容値
日本では輸入作物が分別生産流通管理(IPハンドリング:生産から流通まで、他の荷物と分別して取り扱うこと)された荷物であっても、そのGM混入率が5%以下ならば組み換えの表示をしなくてもよいことになっています。ちなみにEUでは0.9%という厳しさです。もっとも、この5%というのは極端に甘い値です。たとえば濃度5%の塩水を連想してみてもわかりますが、はっきりいって辛くて飲めません(海水濃度でさえ3.4%ほど)。これは相当な濃さの濃度です。
GMはもちろん、食品添加物などについてもそうですが、もっとも大きな問題はなんといってもその安全性についてです。いったいどこの主婦が自分の家族の健康を祈って、お昼のおべんとうに食品添加物をいれるでしょうか。またどこの農家が、自分が健康障害を起こしてまで農薬散布をしたり、昆虫が食べると死んでしまうようなトウモロコシやじゃがいもを自分の家族のために生産するでしょうか。
いうまでもなく『食』とは『おいしい』以前にまず『安全』でなければなりません。なぜなら私たちはグルメや食欲を満たすためではなく、毎日を健康に生きるために『食』するからです。
メーカー、生産者としての義務とはなんでしょう。それはまず、健康を求める消費者から信頼を裏切らないものを生産すること。
現在のGM食品表示制度には、あまりにも大きな抜け道がありすぎます。これをザル法と言わずして何あろう。厳格な制度の確立が望まれるところです。 |

GM作物の作付は世界中を覆うかのように思われますが、意外にもごく一部の農業大国に限られている。今後心配なのは中国の動向 |