カンホアの塩

カンホアの塩を見学しました
2015年7月、道長では念願のベトナム、カンホアの塩を見学しました。あらためてそのすばらしさを実感しました。また、現地とのすばらしい絆を作られたカンホアの塩創設者、下条剛史さんに敬意を申し上げます。

道長では、以前は中国福建省の塩を使っていましたが、2008年、ベトナム産『カンホアの塩』に換えました。ただし、これは重要なこととして、福建省の塩は品質としては申し分なく、その点が今回の変更に関わっているわけではないことをここに明記しておきます。道長では、せっかくこだわって原料を厳選しているからこそ、塩とその生産現場をもっと身近に感じられるほどの情報がほしいと長年思っていたからです。

その後、カンホアの塩のセールスをしてみえる『かんたろう合資会社』さんとお会いする機会がありました。サンプルもいただいてその品質については納得はしました。しかしながら、その時点では使い慣れた塩をあえて換えようとは思いませんでした。しかしながら最近になって原材料について見直しをする中で、『塩』についてももっと多くの親密な情報が必要だと実感したのです。



カンホアの塩のこだわり
ぼくが関心したのは、実際に日本人が現地に赴いて、こだわりの塩を作るために、こだわりの塩田でのこだわりの製法を確立させている点です。

そのこだわり
製塩の途中で余計な加工過程がない
結晶を砕いて細かくするために石臼を使っている(塩粒に高い熱がかからない)
しっかりとミネラルを取り出すため、塩田に上薬(鉛を含みません)を塗ったタイルを敷き詰めている
カンホア塩の専用塩田に日本人の現地スタッフがいる。日本からも一年に1〜3回現地を訪れている
現地でも自主的に成分検査をしている。日本では公的機関で成分検査を行っている


ベトナムでの塩に対する考え方
『塩』は人間の生活に欠かせない物質です。ベトナムにも古来から塩田はあったはずですが、とくにフランスの統治下にあった時代に本国に送るための塩作りも行われてきたという経緯がまずあります。しかしながら、昨今の経済政策の中、塩の品質が調味料としての本来の目的ではなくて、純度、白さ、扱いやすさ(固まりにくい)などといった要求に即した『工業製品』として考えられてしまっている。そのため、カンホアの塩を企画するためには、塩田の改良以前に作業をしてくれるスタッフに理解を求めることに苦労したそうです。

そのため現在のような良質で均一なおいしい『カンホアの塩』が生産できるようになるまでに5年ほどの歳月を要したそうです。

カンホアの塩を使ってみて
道長では『石臼挽き』を選びました(ほかに結晶のままがあります)。漬物作りのための品質については申し分ありません。味的には福建省の塩と比べて若干辛味が緩和されている感じがする程度で、使い勝手はほとんど変わりありません。

『カンホアの塩』の生みの親ともいうべき『鹽屋』の下条氏の現地でのご苦労が目に浮かぶようです。それにはなんといっても『食』への熱い思いがあってはじめてなしえた事業ではないでしょうか。

地産地消としての塩
道長では漬物やそのほかの農産加工品について、地産地消の商品作りを基本に考えています。そのために国産の完全天日塩ソルトビーの『海一粒』を一部の漬物に取り入れました。しかしながらいちばん重要で使う頻度の高い調味料である『塩』について、国産にこだわることは非常に困難です。せめてより身近に感じられる塩を使いたい。よりコンセプトのはっきりした塩を・・という願いから、あえて15年間使ってきた塩をカンホアの塩に切り替える決心をしました。

カンホアの塩への切り替え
道長では2008年7月、『カンホアの塩』への切り替えをしました。

最後に、今回の塩の変更については、今まで使ってきた福建省の塩に不備があったわけではありません。カンホアの塩のコンセプトに強くひかれたことと、その塩を今後より身近なものとしてみなさまにご紹介してゆけるものと確信したため、あえて長く愛用させていただいてきた塩との別れを決心した次第です。

どうかよろしくご理解のほどをおねがいします。
『カンホアの塩』について、詳しくは
http://www.shio-ya.com/ をごらんください。
カンホアの塩には3種類のバリエーションがあります。
結晶のまま(天日で結晶化したそのままの荒い粒)
石臼挽き(使いやすい均一で小さな粒)
焼き塩(600度の石窯でじっくり焼いた)