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■カンホアの塩ができるまで
左の航空写真は、ホンコイ村にあるカンホアの塩の塩田です(画像クリックで拡大)。その中の最後の番号Nが、カンホアの塩の最終結晶池と作業所です。この地方では天日塩田という方式で塩が作られます。この方法では、海水は干満の差を利用して取り込まれ、高低差を利用した13〜14枚の深さ約10cmほどの池を通過します。その間に、池は次第に狭くなり、最初3.4%ほどの塩度だった海水は濃縮され、結晶池に移されます。
●カンホアの塩はここがちがう
・一般では25%まで濃縮しますが・・
カンホアの塩では、15%に濃縮して結晶池に移しますが、通常の塩田ではカルシウム分(淡いエグ味)を除くため25%に濃縮させます(カルシウム分は15〜25%の間で結晶する)。
・結晶池がタイル張り
カンホアの塩では、結晶池がベトナムでは他に例を見ないタイル張りとなっていて、収穫する塩に、砂粒やごみなどの夾雑物(きょうざつぶつ)が混ざりにくくなっています(さらに結晶池は盛土をして、周りの塩田より高い位置に設定している)。
・高床での『枯らし』で、余分なニガリを落とす
結晶池から採られた塩には、ニガリ成分(塩化マグネシウム)などが多く含まれています。一般的な製塩では、ニガリ成分や夾雑物を取るため、飽和食塩水による洗浄を行います(ニガリが含まれていると、水分を吸って塩が固まりやすくなり作業効率が落ちる)。さらに、飽和食塩水で加熱洗浄を行い、ニガリ成分をさらに落とします(この工程で塩の結晶が小さくなる)。 |